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謝罪と和解の旅     [旅]





学生時代に罰当たりなことをして気がかりだった。
御茶ノ水の錦華公園に「吾輩は猫である」の石碑がある。
学生時代とは言え、酔っ払って、失礼なことをし、気がかりであった。


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今回の東京途中下車(機)の余り時間を使って一人旅。
夏目漱石の生誕の地を訪れ、心から謝罪した。
きっと許されるであろうと、自己満足、以上である。



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夏目先生との和解が済んだら、少し坂を下って、歩く。
歩きながら、人の流れに巻き込まれ、中国人観光客に呑まれる。
ふと、手を差し出され、ん? 握手ぞなもし。



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坪内先生とも和解。
これはこれは、前途洋洋である。
逍遥(気の向くままにあちこちをぶらぶら歩くこと。そぞろ歩き。散歩。)である。



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笑顔の建物を見上げながら、流れを感じている。
確かに肩の疲れは取れないけれど、また料理を楽しむぞ。
今年の夏はカレーとパスタを究めるのだ。



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3週間あまりの時間、家を空けていた。
妻が恋しくて恋しくて、青息吐息で帰ってきた我が家。
自己満足の時間を謳歌してきたのだが、切り替える。

遠征期間の写真を整理しながら、振り返る。
近い所から順に、母の元へと帰る。
おそらくストレスは東京に置いてきたのだろう、気持ちに余裕がある。


晴れ男を痛感しますが、それって、いいですか?





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三姉妹からプレゼント   [旅]





三姉妹から父の日のプレゼント
先月の半ば過ぎにはそういうメールが届いた。
添乗員となる次女は仕事のやりくりをしたのだろう、ありがたい。


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私がおそらくイライラしてただろうと、癒やしの時間を作ってくれた。
申し訳ないな、と思う。


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太陽の恋人だからオレ、暑く、呑むのが好き。
でも、普段の生活は暑いのが耐えられません。


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突き抜ける青い空
そよ吹く風、そして呑む。


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何か特別なことをしたいわけではない。
娘と一緒に呑んで語る、・・・それが特別か。


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七夕をテーマにした街を歩き、呑むオッサンです、ハイ。
お願い事で気になりました、しょうちゃん、大丈夫かなぁ。

相手をしてくれるのは妻と娘だけ。
それで十分、感謝感謝だ。

やっぱオレって幸せだなぁ-。
またオフクロにも、還元しなくっちゃ。




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振り向くなおっさん   [旅]





娘たちが普段、チチを振り返ることなどない。
すでに巣立ち、自立を始めているのだから、振り向く必要はない。
悔いることなく、犠牲になどならず、前に向かっていけば良い。


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世間の常識では、父の日になります。
大阪の疲れを東京で癒やしてください、お相手します。
限られた時間、のんびりしてください。


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父の日を楽しんで貰おうと思います。
先月、言い渡され、大阪からの帰りは東京に寄ること。
ホテルと飛行機は娘たちが取ってくれた。


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始めの指令は、京成電車の町屋駅に来ること、だった。
初日の晩ご飯は、ここで呑むんだからと。
町屋駅の改札を出て右、すぐ斜め前に「でこ助」がある。


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こだわりのオッチャンやオバチャンが常連さん。
下ネタなメニューも食しながら、文士気質の電気ブランも呑む。
雰囲気も賤しく、最高に素敵な店であった。


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次女の好みとなった、チャーシュー・ステーキ。
脂っぽいのがお好きな娘。
語った語った、食べ過ぎてお腹はパンパカリンこ、泥酔直前で、格安。

気兼ねなく喰いまくり語り酔う。
実に久しぶりの出来事であった。
こんな時間が好きだったんだ。

娘たちに感謝しながら、幸せを感じている。
まだ定職に就かない修行中の娘たちが、足を出さないように。
それだけが気がかりでaruが、嬉しい。




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ほな   [旅]





JR北海道は生鮮市場をチェーン展開し、安い食材を提供している。
ワインも本気で欧州を巡って仕入れている。
しかし、赤字だらけだから、サービスは期待しない。


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墓参りに行く時、JRを使った。
京橋から乗り換えた環状線だと思う。
とても座りやすく、窮屈感のない「オレの席」が気に入った。




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さーて。
オレ、万博広場を歩いたのが、ちょっと思い出。
重いでぇ。


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誰か言うてくれたらメッセージ、もろて来るで。
いらん。
康雄ちゃんか、キクちゃんか。

いらん。
何でやねん。
そんなん見たら、もっと寂しなる。

ふーん、でも何か写してきたいな。
菊がええな。
菊か、そーか、わかった。

また来てな。
鳥の写真もいっぱい持ってくるわ。
うん、はよ帰り。

ほなな。
ほな。
・・・・・。

だいたいは息子、こういうとき、グッと来るんだよね。
オレ? オレは冷たい人間だからさ。
「ほな」で終了、「さいなら」はなし。




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注文の多いお母様   [旅]





母が住む施設の近所でも田植えが始まった。
自力の手作業もあるし、機械を使うところもある。
季節が梅雨入りをしたことになる。


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田植えか、母が言う。
外に出られたら見られるのにな。
まだあかん、言われてる。


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打上川治水緑地や遊歩道を歩いて帰る。
便利な散歩道を歩くのだ。
川の中からいきなりカラスが出てきて驚いた。


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出てきたカラスは足ひれをつけていた。
どうも違和感はあるが、母は興味を示した。
これは鵜ではないかと、二人で考えることにした。


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ブゥーオン、ブゥーオン、と低周波が響く。
何かと覗けば、おそらくウシガエルだろう。
こんなんもおんねんで、はよ、車椅子で外に出よな。


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注文の多いお母様。
鷺は羽を広げたら、こーんなに大きいねんで。
うん、知ってる。

羽を広げたところ、見たいな-。
言うのは簡単だが、コンデジではなかなか難しいのであった。
まあ、それでもやるか。




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大阪モノレール人情   [旅]





大阪モノレール
運賃が高いから敬遠してたけれど
サービスの良さにちょっと好きになった


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物忘れが始まったか老化か、不安だぞ。
宝塚を訪問し、土産に渡された「おいしい酢」。
どんな料理に使うか考えていて、車内に置き忘れてしまった。

遺失物受け取りは国鉄のイメージがあって、ぞんざいなものと思っていた。
ところが懇切丁寧な対応で、びっくりしてしまった。
時代が変わったのだろうか。




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大阪モノレールの各駅はホームに出るまでの空間が広い。
とにかく広くて、読書をしたり寛いだりするスペースが確保されている。
自販機もあり、行く場所のないオジサンには、理想的な場所だな。




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たとえば万博記念公園駅。
李 在孝さんの作品が展示されていた。
大阪府20世紀美術コレクションとして各駅に展示。


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門真市駅の展示作品。
一つは、ポンピドゥーセンターを思い起こす作品。
もう一つは、眠る人とのセットだった。



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門真市駅の作品、ほら。
「眠る人」は時々動くようになっており、興味深かった。
おらが村の最寄り駅も、寛げる空間になってほしいが、JRだからなぁ。

大阪モノレール、すごさは。
朝の通勤時には増員して、丁寧な「行ってらっしゃいませ」の挨拶だ。
温泉旅館の女将みたいで驚いた。

門真市はバラバラ殺人事件や通学路暴走動画で有名である。
しかし、たこ焼き以外にも、ちょっと好感を持ったぞ。
ただ、住民票を移すことはなかろうな。




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花を求めて千里丘   [旅]





薔薇の花が見たい
その素朴な台詞は、まだ咲いてるねん、という母の根拠のない自信からだった。
調べてみたけれど薔薇はもう終わっている。


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1週間前にピークは過ぎており、見頃はとっくに終了。
他の花も咲いていそうな公園を訪れることにした。
47年前と45年前に行った記憶がある。




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記憶も降臨、ただ、太陽の塔以外は、記憶に残るものは消えていた。
妻も小学生時代に、家族で来たという万博。
また大阪は万博に立候補するらしく、好きなんだね。




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薔薇はほとんどアウトだったが、ハイキーで誤魔化し、母ちゃんゴメン。
それでも、数枚の薔薇に、やぁ咲いとった、キレイな、良かった。
暑かったし歩き過ぎてしんどかったから、喜んでもらえて、うれし。




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薔薇が終わり、蓮も終わり。
季節は紫陽花と、菖蒲へ移行していた。
少なく見積もっても10種類以上の菖蒲が、咲いていた。




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初夏到来に似合うのは、白い花だと思っていた。
万博に私を誘った年上のお姉さんは、既に、古来稀なり。
万博公園に誘った年下の女の子も、還暦。

枯れた花を見るつらさは、公園には似合わない。
むかし、両親が万博に行って感激してたのは、日本庭園だった。
初めて入ったオレ、丘の方へ歩くとカラスの巣窟で、引き返した。

立ちくらみの連続攻撃に、老いを感じた昨日。
熱中症にならないように、アルコールは飲まない。
連日の2万歩超えは、足腰に響くが、親孝行のまねごとだ。

昔は長男が、おんぶして、山に連れて行ったわけで。
それよりは写真を撮って歩く労の方が、精神的には良い。
さて、さて、自己満足は自己満足か。




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親と子と聖霊   [考え方]





親子について。
親として私が理解できるのは、父と娘の関係だけ。
それもかなり危ない橋を渡って、青息吐息。


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休日に大型犬を連れて娘と散歩、めっちゃ羨ましい。
お父さん凜々しくキリッとしてるし。
娘は、自分より大きな犬をコントロールしている。
彼女にとってこれは重要で、大きな経験である。


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1995年8月10日となっている。
東京ディズニーランド、ビッグサンダー・マウンテンで厳密な身長検査。
残酷にも身長が足りない次女。
長女はスイスイ進み、乗れないのにピースの次女、心が痛んだ父親。



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昨日、母に見せた写真の一つ。
母が今の私と似たような年齢の写真。
若いなぁ-、若かったなぁ-、とつぶやく母。
あの時と同じ重量の幸せを、母に生み出す秘策を考える息子。



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昨日わかったこと。
母は、青や緑をあまり感激しない。
紫陽花も青には反応せず、赤には反応する。
ボケ玉を、もちろんホメてはくれない。



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わーキレイなぁ、と母の昨日のお気に入り写真。
母は赤、黄、紫に反応することがわかった。
バラを見たいと、積極的に言われたので、今日はバラを写しに行く。
毎日、キレイな花が見られるから嬉しいわ、とお上手を言う母。

そんなことを言われても、花の写真家ではない。
ただ、母を喜ばせてやろうと思って、写してはいる。
こんなことをしていて良いのかなと、少し疑問のジンマシン。
バラを探して、午後に母を訪問、晴れると良いな。





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真っ赤っかや   [旅]




土曜の朝、母の所へお話をしに行った。
午後に宝塚へ行くからメッセージを、と言って写真。
寝たままはダサいからと、なぜかピースで笑顔。

日曜の朝一番、ノートパソコンを担いで母の所へ。
宝塚のビデオメッセージ、これは何度もリクエストされた。
花のスライドショーと、伏見稲荷巡礼のスライドを楽しむ。



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真っ赤かやなぁ。
伏見稲荷の山門から頂上、そして下山と、300枚あまりの写真。
解説を入れ、大いに楽しんで貰った。


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それにしても赤いなぁ。
キレイなぁー。
ありがたいなぁ。


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ありがたいことや。
もう行かれへんと思てた。
お父ちゃんと途中までは行ったんや。


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頂上までは行ったことあらへん。
毎年、本殿にお参りするだけやった。
ありがたいことや。


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「エエモン見せてもろた」と母は手を合わせる。
お参りさせてもろた。
良かった良かった。


たとえば限界というものがあって、残る時間に何ができるのだろうか。
何を伝えることができるだろうか。
むしろ、何か思い出の場所があるなら、写真に撮って見せてやるかな。

できることしかできないのだ。
相手は確実に弱っていく。
暑さ対策で、次に来るのは秋だが、さて。

一番会いたい人にインタビューでもして上げるかな。
ビデオを配達して上映ならできる。
何を望むか、聞いてみるかな。

おけいはん、これも一つの手だな。
お疲れ気味のおっさん、もうひと踏ん張り。




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『コーヒーが冷めないうちに』   [読書 本]




もしあなたが本当に読みたい本があるとしたら、それはまだ書かれていない。
だから、あなたが書くべきなのだ。   (トニ・モリソン)




『コーヒーが冷めないうちに』 川口俊和著/サンマーク出版 (2015年12月6日 初版発行)
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タイム・マシーンもののファンタジーだと思う。文学では掘り下げていき、切実なそこには人生がある。ファンタジーには気楽なスイッチがあり、切実さに対してファンタジーでは緊迫感がイノチ。

コミック全盛時代の手軽なファンタジーだった。グッと来ることはあっても泣くことはなかった。人物の掘り下げが浅く、描写が乏しいのは残念だった。一種のタイムトラベルだが、作品冒頭に取扱説明書めいた約束事が書かれていて、それが本編(4つの章)でも繰り返される。どうしても文章は説明口調になってしまい、惜しいなと思うのだ。

東野圭吾の『ナミヤ雑貨店の奇跡』を読んでひどく気に入ってしまう者にとって、小手先で泣かそうとするのではなく、しっかりと人物を描写し、「感動」へ持って行けば良かったのにと、残念がっている。現在50万部を超えているらしいが、話題作りが上手かったんだろうな。

伏線の張り方に散漫さがある。また、つじつま合わせに強引さもある。伏線の甘さと筆の注意散漫さは、読者の集中力を低下させる。読書人口を増やすための入門書、うーん、それなら東野圭吾のナミヤ雑貨店だ。もしどうしても読むなら、図書館で借りましょう。





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母がまだ三途の川を彷徨っている頃、バスの中で不思議な表現を聞いた。
おばちゃんたちが、「鯉のぼりつってる」と言うのだ。
鯉のぼりは上げるものだと思っていたので、その不思議を姉に尋ねた。


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京阪電車の寝屋川市駅ちかくの川で、この光景があり、それをさしてのこと。
鯉のぼりは姉も「あげる」と言い、「吊る」のは、吊された状態をさしているのだろう。
確かに、鯉たちが吊されていたわな。

吊された鯉のぼり写真を母に見せて、反応をもらえるようになったのはGW明け。
徐々に劇的に変化して行ってくれた。
瀕死の状態から1ヶ月あまり、古巣に戻り、元気になろうぜ。




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