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富士山ナメたらアカン   [旅]



何となく富士山に登ると口走ったのは、そこに富士山があったから。
5月だったか、デイブが行きたいという富士山5合目まで行った。
そこは須走口で、山小屋のお嬢さんたちと談笑し、7月に登りたいと話した。

色々と情報を得て、その気で練習を積んだ。
小学2年生の夏休みに家族4人で登っているが、あまり記憶にない。
かつ、ご来光を拝むという渋滞に巻き込まれるのはイヤで昼の登山。




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ワークマン女子で装備を揃え、万端の準備をしたが重装備だったか。
夜の登山を避けたので、経口補水液も準備し、計算をして水分は4㎏。
軽食はゼリー状のものと、スティック状の固形物にした。

羽毛で軽量の防寒具、リュックごと覆うカッパ、着替え3着。
長袖シャツで汗を吸い、すぐに乾かすスポーツシャツが快適だった。
汗をかいてベタベタにならないので良かった。




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須走口5合目から登った。
環境保全料の1000円を払い、暫くは緑の中を歩いた。
やがて岩を登るようになり、富士山は登り続ける山だと思い知る。

     (写真の向こうは須走を滑るように降りる人たち)




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スマートウォッチが振動し、高度の変化を教える。
酸素飽和度に注意しろという。
山頂が近づいてきたあたりで目まいや頭痛がし、酸素飽和度が84%になった。

登りは6時間から10時間と教えられていた。
脚の動きが鈍化したので、思いっきりゆっくりと登った。
常に退却する心の準備も用意していたが、休みながら進む。




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天候状態はめまぐるしく変化すると聞いていた。
いちどだけ、冷たい横風が吹き込み、着替えるかどうか迷った。
しかし、頭上の太陽が寒さを感じさせなかったので、牛歩戦術で登った。

呼吸が苦しいのでいつになく仏顔が、眉間に皺を寄せてしまった。
言ってしまうと、登ると、とても素敵な景色だった。
見上げても雄大だったが、登っても雄大で、また来たいと思った。




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下りは3時間と教えられていて、須走、たしかに走らされる。
山頂では時間的余裕がなく、神社や標識の証拠写真を撮って終了。
ヘッドランプも用意し、中国人親子とオランダ人家族と、走る、滑る、降りる。




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先週の日曜日に登ったのだが歩数計は25000歩だった。
登山と下山に要した歩数は2万歩ほどだが、平らな道ではない。
練習の方法を変えることで、もう少ししっかりと歩けるはず。

山路を登り続けるのだから地面を蹴る練習を中心にした。
既に下山4日目から来月中旬の練習に入り、坂道ランニングを導入している。
次回は前日によく眠るために、軽く泳いでから登ろう。

今回の登山では、かなり緊張して前日の睡眠は浅かったようだ。
スマートウォッチの記録を確認して、睡眠が良くない時は登らない。
来月が楽しみで、今度こそ、完全快晴の山頂から「ヤッホー」をする。

馬鹿げたことだけど、暫く登山家でいようと思う。
登山の面白いところは天下国家ではなく、視野の狭いことを熟考できる。
自分を掘り下げるには、いい機会だと思うのだ。







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『君たちはどう生きるか』   [映画]


始発から終電の2泊3日の大阪遠征をし、夫婦で疲れている。
最終日の午前、予定していた作業がキャンセルになり、空いた時間。
5時から3時間の散歩を終えてホテルに帰り、空白の時間をどうするか検討。

ホテルから歩いて8分のシネコンで、映画を見よう。
封切りしたばかりで、事前情報なしと話題作りも旺盛だし、行ってみるか。
ということで、話題作を見に行く。




『君たちはどう生きるか』
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■ 作品データ
 制作年/2023
 制作国/日本
 内容時間/124分
■ 解説 宮崎駿監督が「風立ちぬ」以来10年ぶりに手がける長編アニメーション作品。宮崎監督が原作・脚本も務めたオリジナルストーリーとなり、タイトルは、宮崎監督が少年時代に読み、感動したという吉野源三郎の著書「君たちはどう生きるか」から借りたものとなっている。


原作は読んでいた。
だから映画とはほぼ無関係と、すぐに分かった。
おそらく、原作の影響を受けた監督が、彼の意識を描いた作品なのだろう。

そもそも、大上段から問う、「君たちはどう生きるか」は既に哲学である。
この作品は、知性の冒険の旅だったのだと思う。
だからこそ、見終わった感想や反応は真っ二つに分かれると思う。

私は、いま見て良かった、後半にかけて三度ほど泣いた。
それは今を生きている自分が抱えてる大問題に関連しての泪。
自分に欠けてしまっていて、修復を試みる上での泪。

終わりを目前にしてこの問いは厳しい、君たちはどう生きるか。
すくなくとも、醜い老人の醜態は晒すまい、子どもに迷惑はかけない。
でも、それは生きることではないんだよ、どう生きるんだ。

文字を追う作業を、潜在意識を働かせて、神経回路を映像化したアニメ。
自分も知性の冒険の旅に出ることが出来るはず。
思索こそ、萎縮しゆく前頭葉の欠損を、せめて補えうることへの希求。




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面白いことにエンディングクレジットが終わるまで立つ人がいなかった。
おそらく何かヒントを探そうとするのだろう。
誰が誰の声役で登場したのか、詳細は不明にして。

それでも、木村拓哉、柴咲コウ、木村佳乃の役割は分かった。
火野正平も出てたんだ、菅田将暉もと思い知り。
菅田将暉は芸達者で、作品中重要なアオサギを熱演していたことに舌を巻く。

少年の、知性の冒険の旅だから、水先案内人が必要。
それが嘘つきで誤魔化しも多いという人間性を兼ね備えたアオサギとして登場。
そう、聖人君子なんていないの、よごれちまって、それでも求めて生きるの。

踏み出す勇気の形、とどまる勇気の色、見たね。
二度と出会うことのない戦友、再会すらなく記憶の闇に消えゆく。
思い出なんか残さないで、あばよ、それでも潜在意識に焼き付くものだ。




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早朝から暑いと思いながら、暑くなると確信しながら歩いた。
被写体の多さ、大阪駅北口から西口にかけての再開発の馬力に驚いた。
西口にはヘルメットを持ち、扇風機付きワークマンのブルゾンを着た人の群れ。

KITTEを建築中の建設作業の方々の、仕事着での出勤姿に驚く。
大阪駅西口改札から、どんどん歩いてくる男性、女性のワークマン姿。
私もあの扇風機付きのブルゾンを買おうかしら。




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LINEを寄越した教え子がブログを書いているというので見に行きました。
遡っていけば、あらら、私とおぼしき人物のことが書かれている。
えー、オレ、君の先輩に、情熱大陸で紹介される予定なんですけど。

先ほどの現代国語の解き方の話に関連して、日本語もルールがわかればキーワードを抜き出して要約することができるようです。高校時代の国語の先生がそんな風なことを言っていた気がします。◆私の高校時代は運よく国語をわかりやすく教えてくれるtommy先生に当たりました。tommy先生の人柄については中々パンチが効いている方で、この体罰が問題視されるご時世によくそんな脅迫まがいなことしますね、と思うような恐ろしい人でしたが、「考える葦」についての解釈を話しており、常に本質を見極めて、考えることを止めるなという言葉を私に与えていきました。 (後略)


教え子くんは、この後、恐ろしいことに私の授業例を提示します。
まあ、なかなかエエじゃないのと思いながらも、影響を与える怖さと責任を感じます。
文章はね、死ぬためにあるのではなく、生きるためにあるんだと教えたつもりですが。

暫く彼のブログを観察しながら、ドキドキすることにします。
彼ももしかすると、知性の冒険の旅に出たのかも知れません。
文章を書くということは、自分を語ることであり、生きるということです。

なーんて、卒論ゼミのN教授のセリフの受け売りです。
私たちは言葉で人を傷つけ、傷つけられ、それでも言葉を使って自分を掘り下げる。
思索の旅は続けなければなりません。




ファイト!





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変化の中で   [考え方]


長女が日本滞在でのアパートを引き払った。
ドイツに帰国までの3泊4日を、妻の実家で過ごすのに付き合った。
あるいは、自分の通院もあり1週間を市川で過ごした。

しかし、都心および都市部での外出は暑すぎた。
海や川、森林の呼吸による冷却が乏しく、最低気温も高い。
長い間、北海道で生活していた者には猛暑日がつらい。

それでも、長女のそばにいられるならいい。
市川で、3泊4日を過ごしてくれた長女との時間は濃密だった。
日本での仕事を終えて、時間を共有して遊んでくれたのは嬉しい。

ちょっと贅沢な食事を重ね、ドイツでは食べられないものを喰おう。
寿司、天ぷら、外国人を接待するようにね。
あるいは、自己責任の注意付きで、鶏の刺し身は長女も喜んでいた。


成田空港で見送ると、無性に悲しくなり、淋しくて叫びそうになった。
子どもは成長し巣立ち、新しい世界を作り、そこで生きていく。
自分もそうしてきたのだから分かりきっているのだけど、ね。




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飯田橋で、朝食に台湾料理を食べた後、早稲田に向かった。
基本的に歩くのが主だけれど、それは登山の日が近づいているから。
水分補給の目安 = 体重 ✕ 5 ✕ 行動時間 ✕ 0.8、経口補水液で水分補充。




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村上春樹の新刊を読み終えた長女と、歩く。
村上春樹ライブラリーを目指し、バカな話をして娘を笑わせる。
思い返せば長女はよく笑っていたし、笑った顔の記憶ばかりだ。




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札幌時代、父が亡くなった後に毎月2泊3日の大阪帰省をしていた。
それは、ただ母と過ごす時間を持っただけなのだが。
仕事を終えた金曜の夕方、空港でカニ弁当を買い飛行機に乗る。

居間で仕事をしたりTVを見たりする私の横で、母は新聞を読んでいた。
そばにおるだけでエエねんと母は言い、ああそーかと、ぶっきらぼうな私。
札幌へ帰る私に「ほなな」と母は言い、「ほな」と言って別れた。

実家から関空へ向かう電車の中、頭の中は仕事のことで一杯だった。
思いは既に札幌の家族や、生徒の方に移っていた。
さて、いま、空港の保安検査場に向かう娘が手を振り、襲われる淋しさの一撃。

おそらくこれが「親」の、独特の遠慮がちな感情なのかもしれない。
あのときの母、という思いは既に届かない。
我が子の成長と共に距離は開き、それでも誇らしく思いながら来年を期待する。




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女の子という人格はない、という表現に戸惑いながら。
あなたを幸せにすると言われた娘が、私は自分で幸せになると言う。
キミを幸せにするとか、キミを守るという決め台詞が市民権を失った。

日々の生活の中で、時代が変わったということを痛感している。
こういう問題意識のズレを、ちゃんと修正しておかねば、と思う。
欧州で、遙かにタフな生活をする長女を見て、怖いぐらい大人だと思った。

妻と三姉妹、家族内で少数派の私、女子会をされたら勝ち目はない。
ついていくしか、合わせていくしか自分に生きる道はない。
イライラしないで、言葉を選んで、終わる日に向かっていく。




ファイト!






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エスコンフィールドに行ってきた   [旅]


北広島という札幌在住時代には不便な場所だったが。
日ハムの本拠地が出来上がったというので、見に行き、遊んできた。
なかなか良いじゃないか、半官半民の吸血鬼から離れたのは正解だね。

新球場エスコンフィールドと、周辺エリアを含めた北海道ボールパークFビレッジ。
おそらく発展していくのだろうというポテンシャルは感じた。
少なくとも新球場のエスコンフィールドは完成度が高かった。




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道民も馬鹿じゃないっすからね。
誰が利用するんでしょうか、札幌ドーム。
急傾斜で見づらい観客不在の設計は、半官半民、第3セクター。

殿様営業の、足りなきゃ値上げ。
グッズまで課金され、さすがに日ハム球団は腹に据えかね、袂を分かつ。
おそらく札幌ドームは衰退し、廃墟となるだろうし、誰も責任を取らない。

札幌市の役人の天下り先、果実が実ることなく朽ちる。
全国で、道内でも、第3セクターはほぼ全滅。
責任者出て来いよ、知ってるぞ、美味しい思いをした人たち。




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いつかこの壁画に書き足されるスターが生まれてくれることを期待する。
しかも、同時代を生きた喜びを持つ、元道民として。
連続して大リーグに送り出す、若手養成所の日ハムだもん。




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時間がなかったから、場内ツアーには参加しなかった。
次回はツアーに参加して、フィールドまで降りて説明を聞こう。
確実な雇用が発生している。


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屋根は開閉式。
天井がしまっていくのを眺めていても楽しい。
入場無料は勿論だけど、雰囲気も良く、ここで何か食ってくか。




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球場内にビールの醸造所があった。
試合はなかったけれど、観客席に座って飲もう。
座席はプラスチックではなく、クッション席だぞ。


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日本酒に羊羹かい、と言われた昔がある。
ビールにチュロスの何がいけない、と開き直る。
試合がない日に大勢の客が来ていて、飲んで食べて、楽しむ人々。

子どもが遊べる場所もあり、こういう公開をしない半官半民。
この球場での観戦をしたいと思うし、第3セクターに課金されない喜び。
やがて日ハムの選手補強のための投資資金となるでしょう。


いつも思う、誰が責任を取るのか、ということ。
上げ足を取って反対するだけの野党も、反対をした責任を取らない。
進まないニッポン、投資は自己責任と、よくぞ言ったものだ。




ファイト!





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墓を閉める前に教え子と会う   [学年だより]


ママさんバスケット仲間との交流で妻が札幌に行く。
毎年この時期に集まろうと決めたらしく、今年で2年目。
ボクも連れてってと、二人旅を装って3泊4日の旅をしてきた。




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土曜日に妻たちの女子会があるので、土曜は別行動。
教え子の高校教師が退職前の決意表明をしているので、土曜は二人で飲む。
初任校ではもちろん新人教師だったが、私には思い入れがある相手。

現役教師時代、何度か会う機会はあったが遠ざけた。
卒業後まで影響を与えたくはないし、困っても何とか切り抜けて養分になる。
よく頑張ったねと、良き教師への言い忘れた台詞を述べて、彼の肩を叩いた。




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結果的に、やんちゃな教え子3人と次々に会うこととなった。
やんちゃな連中を溶かす言葉を新人は有しておらず、熱情のみで体当たり。
まあ体を張って、悪ガキ連中を落ちこぼれにしないための戦いだった。




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大人しくて言うことを聞く良い子チャンより、やんちゃな連中が好きだった。
普通の真面目クンより、マイナス5のヤンチャ君の方が好きだった。
マイナス5の連中はベクトルを変えるだけで、思いも寄らぬ行動力を見せる。

実際、40年ぶりに会った教え子も、基本「4649」の連中であったが。
ちゃんとオヤジになり、正しい納税者として、相変わらず「4649」だ。
道北の田舎町でも矢沢永吉なり、マドンナと、「4649」だった。

曲がりなりにも国語教師の我が身、連中の結びの語「4649」にはイラついた。
そんな連中だけど、ニッコリ笑顔で「センセ変わんねぇな」。
ヨロシクがないぶん進化したのだろうが、白髪交じりのリーゼント、感無量。




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生徒が先生の話を聞かないのは周知の事実。
だから、追いかけ回して徹底的に停学に入れた連中。
追い込んで、正面を見据えさせて、猛烈に反省をさせた熱い時代。

正しい指導だと胸は張れない。
だけど、停学中に差し向かいで熱く語り合った連中は、皆、こちら側にいる。
おそらく良き社会人であろう、正しき納税者であろう、嬉しい瞬間だ。




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北大構内で、天地を逆に写してみた小川の映り込み。

既に我が身に馬力も熱情もなく、人生の最終盤を迎えている。
人生の半分を高校教師として生きて、手元には何も残っていない。
しかし、ヤンチャ者が真っ当に生きてくれていることに喜びを感じる。

私が関わった生徒に自殺者がなかったことを安堵。
おそらく多くの子どもを傷つけたのだろうが、全ては我が力量不足
結局は、生徒たちには助けてもらいながら、こうして生きてこられた幸せ。

さてと、過去の生徒に会うのは終わりにしよう。
この2年で分かったことは、なぜかオレの生徒たち、みんな立派になっている。
新しい部屋に入る前には、必ず今の部屋を出なければならない、ということだ。


これからも4649、なんて言わせない。
オレはこれから鰻重だ、もちろん上でね。
来たる夏は思いっきり、寝込むぐらい遊んでやるぜ。




ファイト!





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