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墓を閉める前に教え子と会う   [学年だより]


ママさんバスケット仲間との交流で妻が札幌に行く。
毎年この時期に集まろうと決めたらしく、今年で2年目。
ボクも連れてってと、二人旅を装って3泊4日の旅をしてきた。




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土曜日に妻たちの女子会があるので、土曜は別行動。
教え子の高校教師が退職前の決意表明をしているので、土曜は二人で飲む。
初任校ではもちろん新人教師だったが、私には思い入れがある相手。

現役教師時代、何度か会う機会はあったが遠ざけた。
卒業後まで影響を与えたくはないし、困っても何とか切り抜けて養分になる。
よく頑張ったねと、良き教師への言い忘れた台詞を述べて、彼の肩を叩いた。




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結果的に、やんちゃな教え子3人と次々に会うこととなった。
やんちゃな連中を溶かす言葉を新人は有しておらず、熱情のみで体当たり。
まあ体を張って、悪ガキ連中を落ちこぼれにしないための戦いだった。




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大人しくて言うことを聞く良い子チャンより、やんちゃな連中が好きだった。
普通の真面目クンより、マイナス5のヤンチャ君の方が好きだった。
マイナス5の連中はベクトルを変えるだけで、思いも寄らぬ行動力を見せる。

実際、40年ぶりに会った教え子も、基本「4649」の連中であったが。
ちゃんとオヤジになり、正しい納税者として、相変わらず「4649」だ。
道北の田舎町でも矢沢永吉なり、マドンナと、「4649」だった。

曲がりなりにも国語教師の我が身、連中の結びの語「4649」にはイラついた。
そんな連中だけど、ニッコリ笑顔で「センセ変わんねぇな」。
ヨロシクがないぶん進化したのだろうが、白髪交じりのリーゼント、感無量。




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生徒が先生の話を聞かないのは周知の事実。
だから、追いかけ回して徹底的に停学に入れた連中。
追い込んで、正面を見据えさせて、猛烈に反省をさせた熱い時代。

正しい指導だと胸は張れない。
だけど、停学中に差し向かいで熱く語り合った連中は、皆、こちら側にいる。
おそらく良き社会人であろう、正しき納税者であろう、嬉しい瞬間だ。




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北大構内で、天地を逆に写してみた小川の映り込み。

既に我が身に馬力も熱情もなく、人生の最終盤を迎えている。
人生の半分を高校教師として生きて、手元には何も残っていない。
しかし、ヤンチャ者が真っ当に生きてくれていることに喜びを感じる。

私が関わった生徒に自殺者がなかったことを安堵。
おそらく多くの子どもを傷つけたのだろうが、全ては我が力量不足
結局は、生徒たちには助けてもらいながら、こうして生きてこられた幸せ。

さてと、過去の生徒に会うのは終わりにしよう。
この2年で分かったことは、なぜかオレの生徒たち、みんな立派になっている。
新しい部屋に入る前には、必ず今の部屋を出なければならない、ということだ。


これからも4649、なんて言わせない。
オレはこれから鰻重だ、もちろん上でね。
来たる夏は思いっきり、寝込むぐらい遊んでやるぜ。




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