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自由だろうか   [勉強]


むかし「freedom」を「自由」と訳したのが福沢諭吉と聞いたことがある。
みずからによる(自らに由る)から、自由と。
なるほどと思い、自立を所以とするのか。

むかし、尾崎豊が「この支配からの卒業」と歌っていた。
そうだオレたちのこの、心の中で燻り制御できないもの、支配への怒り。
親、学校、社会、体制からの束縛、支配からの自由を渇望していた。


いまほど、自由を思う日々はない。
空爆もなく、餓死する危険もなく、電気もガスも水道も安定供給される。
世界のニュースを見ていて、本当にこの国に生まれて良かったと思っている。




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いまドイツの大学で研究を重ね、授業を持つ長女博士。
彼女が中学のころだったか、自由について語ったことがある。
もちろん、福沢諭吉の話もした。

そして、何かで読んだ「2つの自由」も語った。
束縛や支配「からの自由」と、飛び出して行く海外「への自由」について。
あなたが不自由なく、英語も仏語、独語も使えれば欧州で自由に生きていけると。

実際、本人の尋常ならざる努力の果てに、彼女は、通訳なしで欧州に生きる。
パリ、スイス、ベルリンと生活拠点を変えながら、現地市民生活を送っている。
おそらく、彼女は自由なのだと確信できるし、少し憧れる。




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 哲学者のアイザイア・バーリンは論文「二つの自由概念」で、「freedom from」を消極的自由、「freedom to」を積極的自由と解説しました。飢餓や災害や暴力といった、そこにいたら死んでしまうような脅威から逃れる受動的、消極的な自由が「freedom from(~からの自由・解放)」で、それより高次の何かを実現するための主体的、積極的な自由が「freedom to(~への自由・実現)」というわけです。      (別冊 NHK100分de名著「フェミニズム」/2023年7月30日 第1刷発行)


時代が変わり、うすうす感づいていた可笑しなことが是正され始めている。
ひとことで「昭和」とくくるほど簡単ではない、根強い変なもの。
違和感に感づかされることが多くなり、少し整理して考えてみたいと思っている。

誰が悪いという話ではなく、「時代」だったのだから、時代の変化に従おう。
可笑しな方向性は是正しなくてはならないが、まずは、知ること、理解すること。
親子、家庭という問題だけではなく、女性の生きづらさも理解したい。




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以前、サッカー日本代表だった内田篤人さん(35)が、何かで語っていた。
奥さんに、育児が大変なら手伝うよと言った時の奥さんの返し。
あなたの子よ、手伝うのではなくて、あなたが育てるのよ。

こういうことを当たり前のように気づき、生きている世代がいる。
昔々昭和の時代はと語る意味は全くの皆無と感じている。
正しい方向へと動くなら、私も参加したい。


他者へ依存(イソン)することなく、自立して自律できているように。
妻がそうであるのだから、私もそうありたいと倣う。
自分が自立できているかは不明だが、頑張る。

妻が退院し、静岡で静かに静養する、伊東でリハビリ中。
15分の歩行訓練、ストレッチ、指示されたリハビリを継続する日々。
15分以上歩くな、30分以上座るな、横になることが多いが、ファイト!

リハビリ第1シーズンは3週間、一緒に過ごす時間を得たと楽しむ。
妻は出来ることは勝手にやるし、私は手伝えることだけをする。
あとは、一緒にドラマを見たりお話をしたり。

最後の最後ではないけれど、神様がくれたふたりの時間。
リハビリのお手伝いも、大いに楽しもうと思う。
生まれ変わるなら男だという妻、受けて立つよボク。




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飛んだLINE 老域あるある   [ひと]


死んでいいよと許可される年齢があるわけではない。
白寿直前、百歳には届かなかったけれど、天寿を全うしたと人は言うだろう。
奈良の叔母が亡くなった、元気いっぱい、いつでも前向きな方だった。


奈良の叔母は90歳を超えてから腫瘍と闘い、がんと闘い、盲腸と格闘し手術。
それ以外にも顎を割り、頭部も7針ほど縫い、奇跡の生還を繰り返した。
2月に退院をしたので、見舞いかたがた激励に行けば、逆に元気づけられた。

この人との話で楽しいのは、「いま」だから。
入退院を繰り返してもお茶目で、昔は良かったという話がないから好きだった。
若い時は、父親に甘やかされた美人娘、遊んでたようでそれも好き。

いま、妻が入院中でもあり、金曜に日帰りをした雨の告別式。
まあ、いいトシして、やっぱり泣いちゃうよな。
夏に、妻と遊びにいった時も、元気いっぱいだったのにな。




■ アジアの後進国から1枚
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アジアの後進国から1枚の写真を考える。
祖父は70歳で亡くなり、祖母は104歳まで生き、母は87歳、そして叔母。
こうして見ると後列はついに全滅、最後の砦の叔母を失い、残るは前列。

姉は相変わらず厳しい目つきだし、従兄弟は柔和で、その弟は困り顔。
私はチリチリ頭というのか、天然パーマというのか、個性的な髪ですね。
現代日本に生きる若者は、この写真を見て日本だとは捉えないでしょう。

ドブも汚かったし、あちこちで立ち小便をする人がいたし。
昔は良かったという気持ちには、絶対になれない。
それでも小汚いなりに服を着せてくれたのだから、感謝だ。

こうやって写真を見て、不足するのはと来れば父。
おそらく父が写しているのでしょう、住吉の家に集合。
母はおそらく27歳、現在のウチの三女より年下だ。


規則正しく時間が過ぎていく。
確実に終末へと向かい、悔いは残すまいと。
そうだ、妻との時間を静かに充実させておこう。




■ ことばがすきだ
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文学部出身はつぶしがきかないと言われた。
確かにそうだろう、好きなことだけをやってるんだからね。
手に職を付けろ主義の親には、嫌がられてしまうのは事実。

言葉を紡ぎ、何らかの形なり影なりを残す作業は、既に好き嫌いの問題。
だから文学部出身はつぶしがきかないと言われた時も、気にしなかった。
だって、ことばがすきなんだもん、言葉を紡ぐ楽しさを知ってるから。


ね、あるいるさんはブログを閉じちゃって、消えてしまった。
それで、私の所に彼が書き込んだ文を見ると、消えていない。
おっ、と思って、つい遡って読んでしまった。

1年間だけど読み返してみると、色んなことがあったという感慨。
そして、あるいるさんの的確な表現には惚れ直してしまった。
言葉には力があるのだけど、さて、残り時間で私には何が出来るのか。

大切な人が去り、亡くなって、立ち止まる。
振り返りながら考えて、前を向く。
かぼそくなんだけど、道があるような気がしている。




■ 怖いぞ落ち着け
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入院中の妻に、自撮り写真を送りまくりました。
移動中の新幹線からで、音楽を聴きながら、ボクを忘れないでねって、つい。
もっといる? と、書き込んだら、いらん、とひとこと。

始めは新幹線の車内で自撮りして送ってたら、画面にテロップが流れ。
ん? 大谷翔平がMVP、慌ててそちらを読みに行きました。
そして継続して、過去の自撮り写真を探して妻に送っていたのでした。

すると、いらん、そっけないなと、よく見ると、姉のLINEでした。
奈良の叔母の葬儀に関してやり取りが多かったから上の方にあり、つい。
世の中でついうっかり、こうして浮気はバレるんだなと思いました。

まあ、朝から小汚ないオッサンの写真を送られた姉、あーあ。
葬儀会場で、会えばまた小言から始まると思うと、帰りたくなる名古屋通過。
判断力も鈍る年寄りに核の発射ボタンを持たせたら、絶対にダメなバイデン。




■ 宝塚よお前もか
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ずっと昔に、フランキー堺が主演した映画『私は貝になりたい』を思う。
もうどうあがいてもしゃあないな、もうええわ、口をつぐむ。
外界と関係を断って、私も貝になりたい。


大きな存在を巨象と譬え、ジャニーズ事務所、宝塚歌劇団、自民党、そして中国。
どうも説明に合理性がなく、強引辣腕、されど脆く、先行きが見えず、倒壊か。
今まで通り、ここでのやり方がある、これが正しい、言うことを聞けとお言いか。

現代の、遅まきながら少しだけ新しい教育を受けた人たちが社会に出てくる。
旧来の価値観で断じることができない、今は少数派だが新世代が生まれてくる。
寄らば大樹の陰が今や崩壊だけを予感させている、いでよ新勢力、最後の期待。




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なにも残さず消えた   [ひと]


何のためのブログか、不明だけど、家族の爪痕を残して来た。
そうやって、何となく、このブログを始めて時間は過ぎ去った。
たくさんの出会いがあって、オフ会にも参加して面白かった。

亡くなった方、ブログから撤収される方、それぞれの事情だが淋しい。
教職も終え、子育ても終わり、少しずつボケていく日々、更新も週1にした。
デイリーからウィークリーに変えて、ほどよいペースでやっている。


何度かだけど、辞めようと思ったことがある。
それでも何となく励まされたような格好で続けてきて、もう暫く更新する。
教え子への生息確認用とうそぶきながら。


それでも、ちょっとさざ波が起きて、ショックかな。
あるいるさんが撤収すると言い、実人生が大事だからそれは正しい。
でもね、一方的だけど波長が合ったし、何と言っても頭のいい人だ。

造詣深く、教養のある方で、いちどお目にかかって歓談飲酒したかった。
そのためには宝くじを当てるという高いハードルを設定してしまった。
しかし、お目にかかる機会は近づいていると錯覚していた。

かりそめの電脳空間に実人生はなく、それでも脳内の戯れを続けたかった。
かと言って文通する相手でもなく、住所も知らず、仕方なし。
大相撲が始まる、相撲を語る相手を失った。

あるいるさんの去り際を見て、ちょっと考え込んでしまいました。
彼を読者に想定して書くことも多かったけど、仕方ない。
いつかお目にかかる日に笑われないよう、自分を磨いておこう。




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今日の写真は、自分の中で気合いの入った過去の写真を3枚。
2017年8月の写真、北大植物園に三日、かよって撮ったサギソウ。
この時期は大阪で入院する母の元へ、月に何度か札幌から遠征した。

伏見稲荷を見たいと言われ伏見稲荷で写真や動画を写して、母の元へ。
あるいは住吉神社だったり、千里丘だったり。
時に、綺麗な花が見たいと言うようになる。



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たしかJUNKOさんだったか、サギソウのことを書いておられた。
実物は知らず、北大植物園にあると知り、電話確認しながら通った。
8月16日(水)、19日(土)、23日(水)と写した。

よっしゃ、これで母も喜ぶやろと思っていたが、24日に母は亡くなった。
見せたかった相手に、見せたかったモノを見せられない花、サギソウ。
私の中では、ちょっとだけ間に合わないギリギリアウトの象徴なんだ。



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ちょっとだけ間に合わないという喪失感。
それがいま私の中にある、あるいるさんへの想い。
既に彼のページは消えている、おいらの書き込みも、よどみに浮かぶうたかた。


流れる星は 今がきれいで  ただそれだけに 悲しくて
流れる星は かすかに消える  思い出なんか 残さないで
君の欲しいものは何ですか  僕の欲しかったものは何ですか
                   (「流星」 吉田拓郎 より)


秋が深まり、晩年の思いとは、去り際の形かな。
感傷も希望的観測も排除して、最終回を考える。
それまで今は、熱海富士を応援しようじゃないか。




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非常識だよ昭和   [考え方]


あなたの時代は終わったの、呪文も無駄よ。
あなたたちの道徳は、あなたたちの道徳でしかないの。
家事・育児・労働、全て同じ時間を使うのに、労働だけが評価されるのね。


昭和というバーチャル世界を生きてきて、分からないことが多すぎる現在。
会社が家族になるという倫理、終身雇用が崩れ始めて新しい哲学が必要になった。
新しい基準と、新しい価値観、新しい倫理、新しい哲学、だが脱皮できない昭和。


目の前に生まれてきた新しい価値観。
それを早く見抜いて受け入れていきたいと思う。
我が子の生きる新しい未来を、早く垣間見れますように。




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ラグビーやるの考え直そうかな、と妻が言う。
何を言ってるのか不可解なので、どういうこと、と尋ねた。
ラグビーワールドカップの決勝戦を見ている時の話。

ニュージーランド対イングランド戦は激しい肉弾戦で、顔も腫れ血が流れている。
妻は、生まれ変わったら絶対男に生まれてラグビーをやろうと思っていたそうだ。
しかしあの異常な激しさに度肝を抜かれ、やっぱりサッカーの方がいいねと言う。

生まれ変わるという説、真偽は定かではないがもしそうなら、なのだと思う。
以前も生まれ変わるなら男と言ってたのだけど、それは変わらないようだ。
すると私はやはり、女になるための心の準備を始め、彼(妻)に好かれないとな。

悪さばかりしてきたから、自分はきっと虫になるのだろうと思っている。
できたら、可愛い犬に生まれて、彼(妻)に愛されるようにしたい。
彼(妻)はマメシバが好きだと言うから、私は豆柴に生まれ変わるのが理想かな。




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いま現在、古くて硬い考えは忌み嫌われているのは感じる。
催促されたり押し付けられたりするのが嫌なのだろうと、少し分かって来た。
自分に関することには、自己決定権を重視したいのだと薄々感じる。

娘たちの世代の話を聞いていても、時代の息苦しさを知る。
新しいTVドラマでも、予定調和の定番ではなく、常識に疑問を投げかけてくる。
ここでは、いままでは、「こうやっていた」というスタイルが通じなくなっている。

価値観を共有できる人たちとパイプを保ち続ける。
判断基準の変化に、敏感になっておくことが重要だと思う。
だって、当然と思っていたことが間違っていたんだと思い知るのだから。




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弱気になることはない。
佳き日を迎える娘の報告を聞くだけだ。
毛虫にとって最後の姿が蝶々だと、老子も言っていた。

把握できなくなることの不安を、いかに管理せずに乗り越えることができるか。
一つの個性、一人の人間として子どもと付き合うための、親の心構え。
子どもは親に所属するのでもなく、当然、親の支配するモノでもない。

「おい!」とか、「ビール!」、「風呂!」と吐き捨てるだけで我が意を通した父上。
やっぱりエラかったんだな、男は黙ってサッポロビールだったし。
忖度を強要し、慮ることを強いた父上は、本当にエラかったのだと思う。

しかし、いったい何だったんだろうなあの昭和という時代は。
大人になり、老けて、トシ食って知るのは、話が違うじゃないかということばかり。
背負うのは、一人では身動きも取れない親、墓も仏壇も、どないせぇっちゅうねん。

心情的には追い詰められてきた。
それでも11月はこうしてやってきた。
待ってろよ、師走はもうすぐ、クリスマスケーキは3つも予約したんだから。




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お父さん、私はあなたの事がずっと好きだったのよ。
でも、どうしても譲れない部分もあって、嫌いな所もたくさんあるの。
私が私らしく生きているための、私自身が大切にしているものに気づいていますか。

お父さんが思うような人間になれなくて、ごめんなさい。
それでも、私にはまだ50年の時間があるの。
お父さんに支配されて、恐れて生きるのはもうオシマイにします。


娘にそんなことを言われる。
怖い話で、TVドラマの中だけであってほしい。
さて、さて、娘のパートナーとやらを見に行くことにするかな。




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