ひと風呂浴びて妄想族 [温泉]
一人きりで人生の迷路に迷い込み、立ち尽くしている時、心の中の空模様は土砂降りである。雲間に空さえ見えず、濡れるに任せることもあるだろう。そんな時、誰かの手でスッと傘が差し出されることがある。見覚えのあるその傘は、きっと昔、誰かに差し出したはずの自分自身の傘である。老いてなお、時間の流れの中でふと気づくあれやこれや、ありがたいと思うこともある。

そでふれあうも タショウのエン
袖振り合うも多生の縁 道を行くとき、見知らぬ人と袖が触れ合う程度のことも前世からの因縁によるという意味から、どんな小さな事、ちょっとした人との交渉も偶然に起こるのではなく、すべて深い宿縁によって起こるのであるという意味。

あなたは私を夢中にさせたのよね。
懐かしい映画のような出会いをして、あなたを追いかけて北海道へ。
あなたが夫で、本当に良かった。
妻がそんなことをわざわざ言う。
驚いて、嬉しくて、感激して大きな声を出した。
その声に驚いて目が覚めたけど、何となく幸せな気分だった。

TVのトーク番組で「よその家庭が羨ましかった」ことを語り合っていた。
やがて話は子ども時代の自分の家庭の貧しさの話になっていた。
便乗して自分も考えたが、貧しさの問題ではなかった。
うちの三姉妹の弟に生まれたい、ということを考えた。
次女と三女の間に生まれれば、姉に絶対に濃厚に可愛がってもらえる。
上の真似してれば人生は大丈夫だし、三女が妹なら少しエラそうにできる。
何と言っても、うちの三姉妹と過ごすなら刺激的で充実しただろう。
彼女たちとなら、楽しむことを楽しめる子ども時代を過ごせたかなと思う。
ただ、姉も妹も博士で、劣等感を持ったかもしれないが。

海岸へ日の出を見に行ったら、キャンピングカーが止まっていた。
札幌ナンバーで、2kさんかなと思ってしまった。
屋根にはソーラーパネル、パラボラアンテナ付き、あれこれ手を加えている。
いわゆるリタイアして、「老後」を考える時。
できることなら、ゆっくりと妻との時間を充実させたいと思う。
同じ日の出を見て、同じ風に吹かれ、同じ夕日を眺め、手をつなぐ。
人生の終盤は、温かい気持ちを満たしたい。
大好きな人と過ごす時間は、楽しいことこの上ない。
人生は出来ることなら、ハッピーエンドが好き。
ファイト!
新生オレの出発 [日常]
およそ2か月間の、妻との同棲生活を終えた。
妻のリハビリが完了し、少しずつ社会復帰をすると言う。
再び2拠点生活が始まった。
ちょっと寂しいよと言うと、おバカさんねと妻が笑う。
やっぱり大好きなんだよと言うと、なに言ってんのと妻が笑う。
そういう他人が見たら、くだらないような瞬間も、いとおしい。
現役時代に単身赴任は断った。
余生の時代に入り、風変わりな、エラそうにしない夫になる。
そのためにも、老体に鞭打って、新鮮な空気を吸う。

ぶつかったり仲直りしたり、人と人が一つ屋根の下で暮らす。
そして少しずつ距離が縮まり、木の年輪のように愛は育っていく
一人の人間を心から好きになることは、一生の仕事だ。
ふたりで朝の散歩と称し、人の少ない道を歩く。
ただ昇る朝日を見ているだけで、なんとなく幸せな気分になる。
それはそばに妻がいるからだと、私は知っている。

子は親を、いつしか越えていく。
親鳥は毎日、巣にエサを運びヒナの命をつなぐ。
身を挺して天敵を追い払い、雨の冷たさを一身に受ける。
そして巣立ちを迎え子は飛び立っていくのだが、ただそれだけのことだ。
しかし人間は意味を考えるから、 結局はふたりなんだねと肩の力を抜く。
出会った頃のように新鮮に、老いてはしまったけれど、もう少しね。

気持ちのいい風に吹かれて、一日の終わりを妻と語り合う。
するとまた、笑顔で明日を迎えられるような気がする。
いつもの見慣れた景色、いつもの生活、当たり前が明日も続きますように。

一人で生まれてきたという事実があり、記憶はない。
一人で死んでいくと分かっていて、認識しようがない。
すべては無に帰すという真理が、ただ横たわるだけである。
そうであればこそ、愛する者たちの幸せを願う。
だからこそ今日を愛する人たちと過ごす。
今日をやり切ったという満足に、明日を託す。
ファイト!
漠然と崩壊する中で [考え方]
昔は、という言い方になるが、自分が若かった頃、息苦しかった。
たくさんの違和感を抱えながら、大阪の高校時代に爆発して、逃げた。
高校を中退し、大阪を脱出し、家を飛び出した。
その禍根は引きずり続けているが、最近、違った意味で息苦しい。
自分を取り巻く社会が歪みを見せ始め、隠していたものが露見し始めている。
民族と宗教と、小競り合いが加速し、民主主義国家は分断が始まっている。

意味などわからなくても働く人間に仕立て上げる場所、それが学校。
そんなことを言ってるのが不思議で、海外の番組を録画した。
そしてその流れを追ってると、確かに、時代は変わったのだと思ってしまった。
学校とは、ちょっと考えれば誰でもが変だと感じることに疑問を持たないように教育する場所です。例えば、利益を生まないのに、なぜこの書類が必要なんだろうとか、誰も読まないのに、なんでこんな報告書を書くんだろうとか、当然の疑問ですが仕事の担い手たちは、そんな疑問を抱かないことも仕事だとわきまえています。

初等教育で子供の自然な好奇心を叩き潰している、と番組は続ける。
教育は幼心に芽生えた自然な好奇心を破壊するために行われている、と。
ここで疑問を持ったけれど、その後の幼子の動きを見ながらナルホドと思う。
子供が自分と周囲の世界の区別がつくのは、自分の力で変化を起こすことができると分かった瞬間です。例えば、腕を動かして偶然テーブルの上の鉛筆を転がしたとしましょう。もう一度手を動かせばどうなるか、もうその子には分かります。鉛筆をもっと遠くに転がせるんです。すごい、僕は他のものに影響を与えられる。その子が人間だと自覚する瞬間です。周りの世界とは違う存在なのだと。
そうした感覚を奪われると人は崩壊します。
自分を人間だと感じる大元の理由を奪われてしまうからです。
と説明しながら、社会変化の中、労働も変化しなくては人間性が壊れると言う。
市場経済が認めている価値と、働く人が感じている価値との間に不一致が生じていて、何かが大きく間違っていると人々は感じています。彼らは本来、仕事とは世の中の役に立ち自分の心の中にある何かを深めていくものだと思っています。

いまの時代、結婚と出産だけが女の人生じゃないんだから。
ドラマの中のそんな台詞に、ようやく日本にも来た新しい時代を感じる。
言えなかったことが言えるようになったこと、遅ればせながらの前進。
他者の価値観で縛られ、他者の価値観を押し付けられる苦しさが嫌だ。
ずーッとそう思いながら、自分も似たことをしてきたのかもしれない。
本当はバカな話をして笑って生きていたいだけなんだけど、もどかしい。
ファイト!
負けるな民主主義 [ことば]
確かに元旦から予期せぬ出来事、良からぬ事象が発生している。
しかし、自分に出来ることは準備して備えて、目の前のことに対応する。
もちろん遊んでいる暇はない。
何が出来るのか、それは勉強、それは金を作ること。
たやすいことではないけれど、萎縮するほどの若さもない。
出来ることをする、近くにいる人に愛を注ぐ、妻にね。
まずは。
お好み焼きを食って、作戦を練る。
まだ、時間はある。
■ 頑張れ民主主義

海を見下ろすこういう朝もボクは好きなんだ
ものすごく傾斜がかかってきた世界。
それでも、民主主義は頑張るしかないと思う。
最近ロシア、北朝鮮、中国が力強く張り切っている。
ところが、「戦争」という言葉を使っただけで禁固7年だ。
そんなことが横行する国に憧れはしない。
ボクは民主主義が好きなんだけど、負けそう。
ニナ・ハーゲン「カラーフィルムを忘れたのね」
2021年に行われたドイツのアンゲラ・メルケル元首相(在任2005-2021)の退任式で、旧東ドイツで少女時代を過ごしたメルケルの「青春のハイライト」として彼女自身のリクエストにより軍楽隊に演奏された曲。
この曲は私の青春時代のハイライトでした。いろんなことが私の体験と重なっているのです。東ドイツ時代に味わった独裁制や秘密警察による盗聴の経験から、民主主義は私にとって特別なことであり続けています。この国に、自由が向こうからやってきたのではなく私たちが勝ち取ったのです。
人権も自由も平等も、戦いの中で勝ち取られたものである。
始めからあったものはなく、向こうからやってきたのでもない。
うかうかしてるとやられると思う、頑張れ民主主義。
■ 母は偉大なりと思うダメ夫

モデルのママはステンドグラスに囲まれて今でも輝いているの
出会った頃、少女だった妻が「冬来たりなば春遠からじ」とよく言っていた。
完了の助動詞「ぬ」未然形+ば、仮定法やんか、古文の達人か。
いや違っていて、『エースをねらえ』の藤堂貴之のセリフと言い、知らん。
藤堂貴之ファンで「たかチャン」と呼ばれていたが、私と結婚し母になる。
可愛い娘だった少女が母になるや俄然、母性爆発、いかに大変だったか。
と母性のせいにするな、最近、反省させられる妻の大きさ深さ。
私は娘が大変だった時いつもそばにいるようにしました。過去にあったことは確かに色々と大変でした。ただ、いつでも娘を一人にさせず、家族で一緒にいるようにしました。それが彼女に勇気と信頼を与えたと思っています。「暗闇の先には必ず光がある」と信じています。私は娘たちの母ですから。
自信だとか信念だとか、偉そうにまとめる先生は他人事ですね。
妻のリハビリのお手伝いをしただけで、主夫も大変やんけ、です。
人生の残り時間が少なくなりましたが、感謝を尽くします、わ。
■ 綾瀬はるかに齧りついて何が悪い

バカだとお言い「ベーカリー麦田特製つぶあんぱん」を食べてみた
『義母と娘のブルース2024謹賀新年スペシャル』を見て、泣く。
そして、セブンイレブンとコラボした粒あんパンを買って食べた。
もちもち触感生地に外さない粒あん、そこそこ美味しかった。
さて、ドラマ。
漫画にしてはセリフが刺さり、考えながら泣くの。
お前のためにしてやった、なんてこと、親は言っちゃいけないと思ったの。
義理の娘の結婚式で。
義母の亜希子(綾瀬様)に娘が言う。
これまで沢山のことを有り難う、これからは私が返す番。
それに対して、しみじみと返す綾瀬の言葉が良かった。
見ながらパパは思うのね、最近、オレの方が有り難うだよって。
既にボクは十分だと思わされたその、亜希子の切り返し。
「ごはんを作れば1億円の笑顔が返ってくる」
「寝顔を見れば時間外手当をもらった気になる」
13年間でいったいいくらいただいてきたのか。
それは優に国家予算を超えるでしょう。
あなたは24時間365日、小さな奇跡を与え続けてきてくれた。
あなたそのものが奇跡だから、何も返す必要はない。
たかがドラマを見ながらボクは泣く。
■ 娘夫婦と小室山で愛を誓う

伊東から富士山が眺望できる場所を見つけた
伊東に321mの小室山がある。
元旦、そこに登って娘夫婦と幸せでいようねって誓ったの。
婿殿はその夜、用事があってロンドンに飛んだけど、悪いことばかりじゃない。
ニュースでは悪いことばかり繰り返して楽しむマスコミ。
それよりも、義援金や支援金、寄付金を捻出する努力を始める、オレ。
裏金はもう作れないから、オモテのお金を作るぞ、オレ。
ファイト!
謹賀新年 [ことば]

旧年中は大変お世話になりました。
去年も結局はいろいろあり、世の中は大谷翔平さんが一手に引き受けてくれて、WBC優勝から始まり記録づくめ後、ドジャース移籍、山本投手獲得と楽しみました。
途中で熱海富士を応援する悦び増加でも、あとは裏金問題とか統一教会問題。中古車販売店、ダイハツの偽装と詐欺めいた出来事にウンザリ、ニュースが不快でした。
物忘れが激しくなり、2023年の記憶も薄れる中、4月には一時帰国した長女と過ごせたこと、7、8月の富士登山、10月の三女の結婚は鮮明に記憶します。また、妻の手術、リハビリに対応して少しばかりのお世話が出来たのは、ある種の存在感が示せたかなと思っています。
終わりの始まりだとしても悔いは残さず、ドラマ・映画鑑賞、散歩、NISA対策、登山の日々を暫く続けます。
いつもの見慣れた景色、いつもの生活、当たり前だと思っていたものがもう二度と手にできないものだと知ります。だからたくさんの幸せが花開く一年となりますように。
ファイト!