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『アーモンド』   [読書 本]



いまなんじ? 2時半だよ。
おさんぽいついくの? あと30分したらだよ。
義母様の和室に正座しながらの問いに、妻が答える。

犬みたいだけど、散歩を楽しみにして、義母様は歩いて疲れて夜にはよく眠る。
そういう、良い循環を造れば、あまり問題は起きず、乱れることもない。
ただ、義母様の精神が安定せず、抜き打ちの、突発だけが怖い。






『アーモンド』 ソン・ウォンピョン/祥伝社(令和元年7月20日 初版第1刷発行)
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 SNSの急速な普及により、情報のやり取りは以前よりもはるかに緊密かつ大量に行われるようになった。しかしその一方で、人と人との直接のふれあいは減り、その分、ふれあうことで育つ感じる力、共感する力も弱くなっているように見える。◆現代を生きる私たちは自分に関係のあることでなければ、たいていは「感じても行動せず、共感すると言いながら簡単に忘れ」(p245)て暮らしているのだ。◆ところが、物語の中のユンジェは、誰も近づこうとしなかったゴニの心を理解しようとする。感情が分からないがゆえに、本物の共感とは何か、と問い続けるのだ。そして、ゴニと向き合う時間は、ユンジェに「愛」というものを気付かせる。  (p265/訳者あとがき)



扁桃体が人より小さく、怒りや恐怖を感じることができない十六歳の高校生、ユンジェ。
目の前で祖母と母が通り魔に襲われたときも、ただ黙ってその光景を見つめているだけ。
母は、感情がわからない息子に、感情を丸暗記させて、普通に見えるように染める。

誰だったかな、映画評論家の人が、大いに勧めていた。
AI が感情を学習して上書きしていくような、不思議な物語。
喜怒哀楽の感情を定義していくことは可能なのか。

久々に楽しく読んで、嘘つき韓国は嫌いだけど、この本は勧めてみよう。
比喩表現などを見ているとこの作家、もしかすると村上春樹のファンかもしれない。
村上春樹的な対象の観察と表現を感じた。




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人は落ち込んだり、不運に見舞われたり。
生きていればつらいことの連続だ。
でも、誰かに褒められることがあれば、また前を向くことが出来る。

人の役にさえ立っていれば、喜びは後からついてくる。
あの人と過ごした楽しい日々、思い出は消えることがない。
人を悪く言うのは嫌い、あの人が教えてくれたこと。




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大相撲初場所、大栄翔と北勝富士の立ち合いでは、頭蓋骨のものすごい音がした。
この一番だけは迫力満点の、物凄い相撲だった。
大関の不甲斐なさが、横綱の不甲斐なさを隠す初場所、休場者の多いこと。




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新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない。
感染力が高いとされる英国型の変異種の、市中感染が疑われる事案が発生した。
これはかなりの悪さをしそうで、暗澹たる状況が想定される。

変異種は、強毒化して重症化する危険性はないのか、誰か教えて欲しい。
ところがコロナに関しては全て、わからない、という現状。
むかし竹槍で戦わそうとした日本軍だが、マスクと手洗いは違うよね。

欧米の爆発地域の報道を見ていたら、やはりマスクをしていない人が多い。
日本は、ほぼすべての街行く人がマスクをしている現実。
ただ、防衛ラインが突破されれば、雪崩を打ちそうで怖いと思っている。



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