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ドンちゃん縁起   [むかし噺]


私の初任校は、たくさんの牛と少しの人間が住む道北の街の外れにあった。
赴任する時はまだ鉄道も走っていたが、やがて廃線になった。
低気圧の墓場のような場所で、低木は全て風圧で曲がっていた。

まだ土曜日に授業をやっていたし、文部省の指示で必修クラブが誕生した。
週に一回2時間、何かをやるのだけど、教科書もないという暗中模索。
中には瞑想クラブと言って、2時間ただ目をつぶっているものもあった。

先生の数だけ必修クラブがあるのだけど、調整が難航することもある。
どの(嘘みたいな)クラブからも、適性がないとはじかれる子がいる。
いわゆるワルで、教師に嫌がられているのが目に見える。

私は「一日一善クラブ」を作って、街の掃除でもするかと思った。
あいつなら面白いことをやるだろうと、参加する者も居た。
あるいはあぶれ者の、あとで考えれば停学経験者大集合の一日一善クラブだった。




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2学期が始まって、天気も良いから浜の掃除に行こうと、浜に降りた。
男くさい男どもを連れて、浜の掃除をしていた。
本当は、私は全くやる気がなくて、適当に時間を過ごしたかった。

しかし生徒が、カラスに襲撃されている仔犬を見つけたのだった。
先生どうする、と言うから、生態系を崩してはいけない、放置せよと命じた。
野球部の少年が言う、オレ将来、学校の先生になりたいんだけど、見捨てるの?

そういう一撃には弱く、じゃあカラスを追い払えよ、カラスが怖いことは隠した。
生まれたての仔犬たちが段ボール箱で捨てられていて、襲撃から逃げていた。
私は何とかせぇと言うだけだったが、生徒はスポイトや牛乳を調達してきた。

停学になるようなアンポンタンは、マイナスだけど行動力がある。
平均点狙いのイイ子よりは、方向性さえ変われば、行動力を発揮する。
きっとスポイトは化学室を襲撃して持ってきたのだろう、調達力もある。

面白いことに、普段はカッコつける奴らが、仔犬を抱えてスポイトで牛乳を流す。
煙たがられる連中だけど、私よりずっと根が優しい悪ガキだと思った。
既に彼らは50代も半ばを目指し、よきオッサンになっていて、闇に消えた奴はいない。




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1985年10月1日(火)


生き残った一匹を我が家に持ち帰ると、どうするのと妻が言う。
飼ってくれそうな生徒を授業で見つけるから、それまでと妻に頼んだ。
数日後、引き取り手が決まり妻に言うと、いやだ世話してたら離せない、と。

隣りの家の生物の先生にオス・メスの判定をしてもらい、オスだと断言された。
同僚の国語教師は絶対にメスだというが、権威に弱く、オスの名前を付けた。
ドン・ニザエモン、ところが、成長と共に、メスであると判明したのだった。




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1986年1月19日(日)


犬の赤ちゃんが生まれた時には目が開いていないことを経験した。
しばらくの間、目が開かないで、這いながら温もりを求めていた。
人間の赤ちゃんが生まれた時、暫くで目を開けるので驚いたものだ。




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1986年2月23日(日)


犬を飼うと決めたからには、家族として扱うことになった。
ただ、可愛そうな気もしたけれど、去勢することにした。
人間の横暴かもしれないが、動物とうまくやっていくには大事かなと思うの。




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1987年2月1日(日)


ドンちゃんとは道内のあらゆる場所へ、ドライブした。
テントの時は一緒に寝て、旅館やホテルでは車の中で寝かせた。
いわゆるトイレも、ちゃんと場所をわきまえて、教えることができた。

ずっと一緒だったドンちゃんは、たくさんの楽しみを与えてくれた。
函館に移って何年かの後、癲癇で亡くなった。
獣医さんに厳しいって言われた時は泣いてしまった。

私たち夫婦にたくさんの記憶と爪痕を残していった。
彼女は犬としてではなく、人格を持っていたと、私たちは錯覚している。
もしなんて言いだしたらキリはないけれど、ドンちゃんには会いたい。


しょうもない話だけど、どこの家庭にもある昔話だと思う。
思い出すだけで、心を温かくしてくれる家族だった。
拾った犬と、簡単には言えない大きな存在である。




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昔いたドンちゃん   [むかし噺]



昨日、hirometai さんのページを見て、驚いた。
ずっと昔、道北の田舎町の浜で拾って育てていたドンちゃんに酷似写真。
杉並区馬橋地区に住むスピッツ、そらちゃんの写真。

その写真をコピーして併記することも出来たが、しない。
ここは、hirometai さんに直球を投げる。
ハードディスクから掘り起こした、30年以上前の写真。



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1987年8月25日の写真。
生まれたばかりの時に浜に捨てられていて、カラスに突っつかれていた。
まだ目も開かない時に、カラスに襲われていたのを助けて育てた。

ミルクをスポイトで与え、子ども扱いして、人間として育てていたと思う。
ホタテの貝柱の干物とかトバ、高級食材を、私と一緒に食べていた。
生徒の親からドンちゃんにと贈られてくるので、動物愛護として。

毎週金曜に2時間、必修クラブがあり、私は一日一善というクラブを持った。
ほとんどは停学になった連中を連れて、街の掃除や浜の掃除をしていた。
そういう作業の最中に、捨てられ、カラスに食べられていた犬を助けた。

助けたうちの生き残り、愛情たっぷりに育てた。
授業で、ドンちゃんがトバや貝柱が好きだと言うと、なぜか届く不思議だった。
現在なら賄賂とか強要とか言われるかもしれないが、動物愛護だった。


昔の写真を見ていて、たくさんの時間が過ぎていたんだと恐ろしくなった。
田舎町の公宅の、小さな風呂に、ドンちゃんと一緒に入っている私が居た。
ヒゲを生やして、勘違いした若造教師がそこに居た。




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妻に疲れが出始めた。
疲れが抜け切れるように、余計なことはしない。
まだフライパンをしっかり持てないけれど、晩ごはんは工夫して作っている。

妻は毎日、仕事の帰りに寄り、義母様と窓越しの会話をしている。
施設のコロナ対応も厳重で、直接の面会はさせてもらえない。
庭に回り窓越しの会話だが、お互いに慣れて行く時間、適応したい。




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昨日から読売新聞の朝刊で、「医療ルネッサンス『認知症と生きる』」が連載開始。
8回のシリーズ第1回だが、話は重たかった。
対応の仕方が悪ければ、何かを引き金に症状が悪化する。

義母様のここ数年の変化、ここ数週間の激変を通過して、思うことが多かった。
コロナも怖いが、認知症はもっと怖いと思った。
自爆装置が必要にならぬよう、認知症回避の手を打って行こうと思った。

今は妻が疲れを出し切るまで、邪魔はしないで、応援だけする。
やがて、落ち着いたら、脳トレも始めるかな。
いや、歩くことが大事なのよと、妻が言い、従おうとする私。




ファイト!





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菜の花ロード   [旅]



義母様が無事に介護施設に入所され、ホッとひと安心している。
振り返れば3週間という時間も、あっという間の夢の中、朧げな時間だった。
とんでもない経験もしたけれど、恨みごとはない。

毎日は緊張して密度の濃い時間に思えたが、穏やかな時間が大事だと痛感した。
大騒ぎの後は、ドイツの長女とのSkypeにも参加して、楽しんでくれていた。
あれは一体、何だったんだろうなと未遂事件を思えば、ドキドキしてしまう。

義母様の精神状態が安定すれば、穏やかな時間を過ごすことが出来る。
施設の方への申し継ぎも終わり、平穏な時間を過ごしてもらえたらと思う。
そして施設では、話し相手も出来たようで、ひと安心している。




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左手は、まだフライパンが持てないので、晩ごはんづくりも手抜きである。
博多から取り寄せのもつ鍋なんかで、適当に誤魔化すのだ。
ぼちぼち、本当に少しずつ、お料理番も復活したい。




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義母様の入った施設は車で5分ほどの場所。
妻の職場と自宅の間にあり、妻は仕事の帰りに寄るという日常が始まった。
去年と変わらない生活が始まったけれど、不安が減少したのは事実。

施設の方に任せて、疲弊をまぬかれる。
重要なことだと以前から言い、何と言われようと、生活を死守する。
出来ないことをして自滅するよりは、この選択に悔いはなし。




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義母様を送った日も、車を降りるにあたり、丁重なお礼をされた。
少し意外な気もしたが、精神的にも落ち着いていたのだと思う。
しにたいと言い出す不安もあるけれど、常に激励をしていたい。




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実は、どっと疲れが出てきてしまって、ボーっとしている時間がある。
今週は心を強く、生活を改善し、修復し、日常を立て直す。
元気があるふりをしながら、元気になっていくことにしている。


鴨川まで愛車を駆って、気分転換をしてきた。
菜の花畑が広く、10年目の菜の花ロードだそうだ。
畑に近づくと、ミツバチの羽音が集まって、ブーンと、ものすごい音がした。

菜の花畑の中に入っても良いのだけど、深く入るのは憚られた。
大量のミツバチたちの大合奏が、威嚇に聞こえるほど凄かった。
コロナが収束すれば、近場のドライブなら連れ出せそうな期待をしている。





ファイト!







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『アーモンド』   [読書 本]



いまなんじ? 2時半だよ。
おさんぽいついくの? あと30分したらだよ。
義母様の和室に正座しながらの問いに、妻が答える。

犬みたいだけど、散歩を楽しみにして、義母様は歩いて疲れて夜にはよく眠る。
そういう、良い循環を造れば、あまり問題は起きず、乱れることもない。
ただ、義母様の精神が安定せず、抜き打ちの、突発だけが怖い。






『アーモンド』 ソン・ウォンピョン/祥伝社(令和元年7月20日 初版第1刷発行)
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 SNSの急速な普及により、情報のやり取りは以前よりもはるかに緊密かつ大量に行われるようになった。しかしその一方で、人と人との直接のふれあいは減り、その分、ふれあうことで育つ感じる力、共感する力も弱くなっているように見える。◆現代を生きる私たちは自分に関係のあることでなければ、たいていは「感じても行動せず、共感すると言いながら簡単に忘れ」(p245)て暮らしているのだ。◆ところが、物語の中のユンジェは、誰も近づこうとしなかったゴニの心を理解しようとする。感情が分からないがゆえに、本物の共感とは何か、と問い続けるのだ。そして、ゴニと向き合う時間は、ユンジェに「愛」というものを気付かせる。  (p265/訳者あとがき)



扁桃体が人より小さく、怒りや恐怖を感じることができない十六歳の高校生、ユンジェ。
目の前で祖母と母が通り魔に襲われたときも、ただ黙ってその光景を見つめているだけ。
母は、感情がわからない息子に、感情を丸暗記させて、普通に見えるように染める。

誰だったかな、映画評論家の人が、大いに勧めていた。
AI が感情を学習して上書きしていくような、不思議な物語。
喜怒哀楽の感情を定義していくことは可能なのか。

久々に楽しく読んで、嘘つき韓国は嫌いだけど、この本は勧めてみよう。
比喩表現などを見ているとこの作家、もしかすると村上春樹のファンかもしれない。
村上春樹的な対象の観察と表現を感じた。




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人は落ち込んだり、不運に見舞われたり。
生きていればつらいことの連続だ。
でも、誰かに褒められることがあれば、また前を向くことが出来る。

人の役にさえ立っていれば、喜びは後からついてくる。
あの人と過ごした楽しい日々、思い出は消えることがない。
人を悪く言うのは嫌い、あの人が教えてくれたこと。




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大相撲初場所、大栄翔と北勝富士の立ち合いでは、頭蓋骨のものすごい音がした。
この一番だけは迫力満点の、物凄い相撲だった。
大関の不甲斐なさが、横綱の不甲斐なさを隠す初場所、休場者の多いこと。




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新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない。
感染力が高いとされる英国型の変異種の、市中感染が疑われる事案が発生した。
これはかなりの悪さをしそうで、暗澹たる状況が想定される。

変異種は、強毒化して重症化する危険性はないのか、誰か教えて欲しい。
ところがコロナに関しては全て、わからない、という現状。
むかし竹槍で戦わそうとした日本軍だが、マスクと手洗いは違うよね。

欧米の爆発地域の報道を見ていたら、やはりマスクをしていない人が多い。
日本は、ほぼすべての街行く人がマスクをしている現実。
ただ、防衛ラインが突破されれば、雪崩を打ちそうで怖いと思っている。



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2021年1月14日 木曜日のこと


走り高跳びでベリーロールという跳躍方法がある。
私は高校時代、背面跳びで身長ほどの高さを跳んだ。
これは走るのが速かったと言うのと同じくらい、無意味な話である。

先日、拙宅のバルコニーにある1m40のフェンスを跳んだ。
バルコニーの広さは30畳ほどあり、助走も可能だった。
ただ、高齢者と呼ばれるオヤジのベリーロールは、無惨なものだったと思う。




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ちょうど株式の前場が終わり、半導体関連株のチェックをしている時だった。
フェンスの向こう側をゆらゆら揺れながら、義母様が移動していく。
毎日のトイレにもぎこちなく歩く人が、滑るように進む姿に違和感があった。

ろくに歩けない人がフェンスの外側を、動く歩道のように移動する。
歩いているとは思えないスピードで、飛び降りる!、、と直感した。
書斎から飛び出し、全力で駆けてフェンスを跳んだ、、、つもり。

義母様が、足から飛び降りようとする寸前、腕をつかんだ、と思う。
気が付いた時は私も倒れ込み、義母様をつかんでいた。
しなせて、ころして、江戸川に投げ込んで、と言う。




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何が起きているのか分からなかったが、血がボタボタ落ちていた。
義母様を傷つけたかと思ったら、私の血であった。
しばらくの後、左ひざ、左手、指、右ひじに痛みが生まれた。

義母様の頭の下に右足を入れ、まくら代わりにした。
ころして、寒いと呻く応酬に、私のもふもふの上着をかけてやった。
半袖になる身には寒いのだが、義母様をさすりながら、呆然としていた。




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レントゲンでは骨の異常はなかったが、全身打撲だった。
痛くて立ち上がれなかったし、義母様を抱え上げることもできない。
妻の帰宅を待つのは、実に寂しかった。

バルコニーのへりに腰を掛けて、フェンスの外側から景色を眺めていた。
和室の窓が開いていて、そこからバルコニーに出たのだろう。
しかしこのフェンスを乗り越えるとは、到底、考えられない。

妻は火事場の馬鹿力と言う。
日々のヨタヨタ歩きは何だったのだろうか。
未だに私はびっこをひきながら、手、足、肩の痛みに耐えている。




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さて、望み通りの結果を義母様が手に入れていたら。
対応が1秒遅れていたら、彼女は飛び降り、私は心に傷を負っていた。
彼女の企みを阻止する親不孝者だが、自分の心に負い目を持たずに済んだ。

1週間の痛み止めを頼りに、しにたいの念仏に付き合おう。
バルコニーで義母様に般若心経を上げたけど、効き目はなかった。
彼女には、しにたいという幻のような信念しかなかった。

パーキンソン病とアルツハイマーと87歳という年齢は、今後、何を起こすのか。
老いては子に従えと教えた人たちが、ベリーロールを高齢者にさせる。
今の私はガタガタだから、次の行動に出られても、ベリーロールは跳べない。

といっても通じないし、暫く見張り役と通報しかできることはない私。
相手は病気だから仕方がないし、恨みもせず、ただ、困っているだけだ。
今の救いは、経験者の個別体験を読ませてもらう、それが唯一の助けかな。




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くるいはじめる精神  [日常]


打ちひしがれる、という言い方が適切かどうかは分からない。
ただ、もう今さら出来ることと言えば同情しかないのだった。
義母様の精神的な状態が不安定で、対応が不可能か。

早く死にたいと口走ることには慣れていた。
夜中に二度、トイレに起きることにも慣れ始めている。
ただ、鬼が来る、怖い怖いの連打が続き、一緒に寝ている妻は不眠不休。

解決策はどこにもないのだと思う。
自律神経も壊れて来たのか、不意に顔面蒼白となり震えだす。
ご本人は憑依したと言うのだけど、体をさするしかない。




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パーキンソン病とアルツハイマーと、老衰。
今年は米寿だったんだと教えられ、我が母より年上になった義母様。
さて、この数年、ずっと大きく揺さぶられ、決断を強いられ、一緒に揺れてきた。

もうできることは寄り添いながらの、少なからずのお世話だけだ。
甘えさせてあげたいし、しかし真面目な妻の精神まで病ませてはいけない。
根性なしの私が決断し、進言し、相談して、さてどうする。

可哀想だと妻が言い、もう同情する以外に出来ることはなく。
しかし同時に、妻が限界だと言うなら限界なのだった。
複雑な心情を、近くの施設を使って、解決することにした。




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以前、施設に入りたいと義母様が言った時、いくつか検討した。
そのうちの一つに空きがあり、書類をそろえ、診断書とPCR検査結果の提出。
その施設は完全介護ではあるけれど、外泊も出来るし、散歩に連れ出すこともできる。

現在、義母様の脳内で起きていることを打開する手立てではない。
しかし、同年代の「仲間」と出会うことで、何か、肌触りのようなものの変化はないか。
そんな期待を前面に出して、姥捨て山のようなことを考えている。


やがて来る道、通る道。
足が萎えてからの義母様を見るにつけ、足腰の大事さを知る。
それでも、うまくやって行きたいと、考えている。

生活のリズムが狂うのは仕方がなく、ただ、手数がもうなくなったようだ。
さすがに妻も、暫く仕事は休むことになり、義母様と時間を過ごすことになった。
同じ屋根の下で、たしかに義母様が破壊されていく姿は、せつない。



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『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』   [東野圭吾]



なんだかなぁ、いい天気が続いている。
東京周辺は晴れが続き、昨日も大快晴で、富士山絶好調。
でも、テレビでは北陸・東北・北海道の大荒れ模様が映し出されている。

数年前までは、ニュース映像のような大雪に埋もれていた。
雨と違って、音のしない雪は、一晩で家を埋もれさせていた。
テレビでは、4回目の雪かきはキツイという爺さんの、その苦痛と嘆き、理解できます。






『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』
   東野圭吾/光文社(2020年11月30日 初版1刷)
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読み終わったけれど、東野さん、もっと頑張ってと、エールを送る。
ファンだからね、支えてあげる、よく休んでもっと頑張れと、鼓舞。
研究に忙しい娘たちには勧めないでおこう、学問に集中せよ。

『新参者』の加賀恭一郎レベルを期待したのがマズかったかもしれない。
作者は新キャラクターの誕生で、作家生命が伸びたという。
よし、じゃあ次回に期待だ。

コロナ騒動の中、寂れた観光地の閉塞感は出ていた。
彼の描写が好きで読み続けてきたが、一気に読むほど引き込まれなかった。
犯人は分かり易かったので入門編かな、妻にはあげた、楽しもう。




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快晴が続いていても、心が凹む話が続出。
東京都のコロナ感染者数が3日連続で、2000人を超えている。
以前は、500人で驚いていたが、今は500人は激減の世界。

緊急事態宣言が出され、1か月の自粛が要請された。
関西でも知事たちが自粛要請を出したらしいが、収束は。
と思っていたら、500人が自粛解除の目安だという、大丈夫なのか。




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まだまだ世界は終わらない
そう言われると安心する、かな。
でも、人気者のメッセージは強いのかもしれない。

スマップや嵐が、札幌でコンサートをすると生徒の動きが妙だった。
少なくとも、部活では、歯科医へ行くと早退者続出。
部によっては休みにする所があるほど、彼らの影響力は強い。




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86歳にもなろう方が弱っていたら、検温もままならない。
毎日の、ご本人も検温がうまく行かないとイライラ。
非接触型の体温計を買ったが、良い買い物だった。

妻が脇に挟むものを買おうとしたが、こちらがイイと。
3倍以上の値段がしても、ご本人の苦痛や面倒を排除できた方が良い。
3秒ほどで一発検温、楽しくて私も毎日やっている。

写真、上の方が非接触型体温計。
写真、下の方は、酸素飽和度を測るもの、指を挟んでピッ。
90を切ったら危険だから、94ならコロナにはかかっていない。

世の中便利になったと、驚いている。
同時に日本の技術力の高さを誇らしく思っている。
まずは、すぐに技術を盗む国を排除しておこう。



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混迷の人たち   [ことば]



自分では想像力はそこそこ豊かだと思っている。
少なくとも、ある程度の配慮が出来る人間だと思っていた。
世の中の出来事に、理解が及ぶための想像力を持ち合わせていたつもり。

ところが、である。
世に送り出した教え子の年賀状を読んで、愕然としたのである。
教員や医療関係者が大変だとは知っていたが、ありゃりゃ。




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曰く、「毎日の、教室・トイレの消毒作業に体力を削られています」、と。
こういう作業までは想像していなかったことを恥じる。
ネット配信の授業づくりにしか頭が回っていなかった。

たしかに、飲食店の従業員が、客の帰るたびにアルコール消毒をしている。
同じように、教室の管理責任者である担任は、消毒業務があるのだった。
40人分の机と椅子、ドアや棚、アルコールを噴霧して、乾いた雑巾で拭くのか。




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曰く、「コロナ対応に追われ病院内は大いに荒れています」、と。
ボーナスをカットされ、休みもなく働き、体調を崩してしまったと言う。
資本である体を壊して挫折には、無理するなと返事を書くことしかできなかった。

あるいは保健所勤務の彼女たちは、行動を制限され、酷使されているようだ。
管理栄養士として職に就いたけれど、駆り出され、恐怖の電話対応。
過酷な最前線の従事者に休み時間を与えられないなら、飯代を奮発してやって欲しい。

災害があれば、有事の際は、何かというと自衛隊を呼び、酷使する。
で、ありがとうだけなんておかしくて、地位向上、給金アップが大事。
どっかの旅行会社のエライさんが、現場で指揮取って日給5万円はないやろ。




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早く非常事態宣言を出せと大合唱、バッカみたい。
春に効果があったのは、志村けんさんが亡くなったショック。
岡江久美子さんが亡くなった時、真剣に緊張感を持った。

しかし、非常事態宣言が出されても、どうなることやら、だったのではないか。
ほとんどの人は、志村けんさんのショックで、あらゆる自粛をしたのではないか。
マスコミと野党が煽るほど、この宣言の効果はあるのかしら、いや、ない。

もう、ナメられてしまっているのだと思う。
ギリギリの生活をしている人たちが、言うことを訊かなくなると思う。
色々な何か順番が違うと思うけれど、感染者は確実に、急激に増加している。


義母様が年末から同居している。
だから、感染させるわけにもいかないし、ご要望のクリームパンも買いに走る。
一番大変なのは妻、私はアッシー君だし、私はパシリしかできない。

できることをやる、という2021年が始まっている。
自衛隊を引きずり出す災害が、これ以上続かないで欲しいな。
彼らにはたとえば、尖閣諸島海域をしっかり守ってもらいたいの。



ファイト!





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鋸山へ富士山を見に行く   [旅]


富士山を眺望するのが好き、という我は海の子、日本男児。
元旦に江戸川べりにて、富士山を見てなぜか心底、安心する。
飛行機のない時代、船で帰国した人たちは、富士山を見て安堵したらしい。

富士山を見上げて手を合わせる人の気持ち、少し理解できる。
大阪へ行く新幹線では右側に席を取り、金沢へ行く時は左側に席を取る。
いつもどこかで、見られるものならその姿を見ておきたい。


snow さんのブログで、雄大な富士の姿がアップされていた。
富士山が最も貴婦人と化すのは、あのなだらかな稜線を見せた時だと思う。
良いなと思う私を誘う彼らは、伊豆にて静養中だとか。

只今Kameさんと避コロナ静養で伊豆です
明日先生をお待ちしております
自慢の赤い車で来てね(^^)/  by snow (2021-01-01 22:54)

コロナを避け、伊豆で静養とは美しいと思った。
しかし、混浴するふたりの邪魔はしたくなかった。
だから、そうだ、鋸山に登って富士山を拝もうぞ、だった。




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(2021‎年‎1‎月‎1‎日9時50分/江戸川土手からの眺望)

妻の実家から、江戸川土手にあがってすぐに見えた今年の初富士。
あのなだらかな稜線が見えない、もう一度晴れるなら鋸山に登って眺めるか。
僅かな休暇で来ていた、孫のような三女を誘ったら、明日、行くと言う。




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(2021‎年‎1‎月‎2‎日‏‎9時11分/房総半島を南下して鋸山からの眺望)

心配だった雲が徐々に晴れてきて、そのお姿を眺めることが出来た。
ただし、ニュースでやっていたように、この地域は断水中。
漏水のせいで、地域一帯が年末から断水と聞き、踏んだり蹴ったりやなと思った。

台風の被害から立ち直りかけているときに、余計な断水騒ぎである。
土産物の店で声をかけたら、もう大変だと言い、同情するしかなかった。
できることは、ここでお金を使うことくらい。




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(2021‎年‎1‎月‎2‎日‏9時48分/浦賀水道を挟んで富士山を眺める)

我は海の子、海が好き、海を挟んで富士を望む、天気晴朗なれど波高し。
給水タンクを運ぶのは生活のため、コロナ禍にあって観光客も来ず。
じゃあ、また家族でドライブかな、旅館に泊まって釣りでもするかな。

あっちもこっちも、大変だぁ。

あまり美味しくなかったけどパンを買って、珈琲を飲んだ。
お土産は義母様にもと、脂がのったアジの干物、賞味期限は9日まで。
最近は高級魚だぞと、自分が食べたいだけなんですけど。

事故も起こさず、迷惑も垂れ流さず、細々と2021年を始めている。
もう少し肩ひじ張って、緊張して、慎重にスタート発進。
新車のような加速は見せずに、ゆるりと、確実に今日を生きている。



ファイト!





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謹賀新年   [ことば]



謹賀新年


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(右手に見えた富士山/2020年2月 これが最後の飛行機に)


とんでもない一年を乗り越えて奮起。

2021年こそ、どん底から這い上がれますように。




 不安が煽られる日々の続くことに、少し諦めそうになりますが、まだ暫くマスク着用で辛抱をします。

 老いたる身は、自粛や引きこもりでも良いですが、大変なのは若い方々。スーパーなどでエラそうにする、あのような老人にはならないよう、己を戒めます。

 親バカは、子どもたちの人生に苦しみが訪れることなく、子どもたちが決めた目標に辿り着けるように、思い描く夢が実現することを、何より願っています。




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大晦日の日に東京都のコロナ感染者数が1337人と聞き、驚きました。
千葉、神奈川、埼玉も過去最多を記録し、驚かされる。
予想はしていたけれど、不意打ちの気配がある。

富士山を眺めて、近所の、氏神様を参って、引き籠ろう。
私が孫あつかいしている三女が来るので、ホットケーキを作ろう。
ジャムもいろいろの種類を買い込んだし、楽しんでもらう。




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新しい文具をおろそうと買ってきた。
ジーンズの尻ポケットに入るハードカバーのメモ帳。
アイデアを書き込むと言えば聞こえはイイが、忘れやすいんでね。

最初に書くメモは、さて、茄子の話かしら。



毎年のことだけど、世界平和を願います。

皆さんにとって幸多い年でありますように。





ファイト!





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