パウル・クレーもルネ・マグリットも好き [旅]
春眠不覚暁 処処聞啼鳥 夜来風雨声 花落知多少
夜来風雨の声、防風吹き荒れ夜更かしも、Wi-Fi不調。
妻に調整依頼、復旧の朝、寝不足。
BS日テレの1時間番組で『ぶらぶら美術・博物館』というのがある。
毎週これを録画して見ているのだが、発展のないニュース番組よりずっと面白い。
2月2日放送は「#368 日本の美術館の底力『トライアローグ展』」だった。
横浜美術館、愛知県美術館、富山県美術館の3館が、お宝作品を持ち寄る。
そして横浜美術館で、20世紀美術を網羅する一大コラボ展を開催していると言う。
生モノを見たいとすぐに予約して、先月、面白く見てきた。
海外から作品を持ち込めないこの時期、創意工夫を凝らしたようだ。
テーマに沿った展示で、なかなか楽しめた。
説明の文字に人だかりが出来て、不思議な光景だった。
仏、伊、豪、NY、LA、SFでしか海外美術館、博物館の体験はない。
少ない経験からの話だが、余計な大看板の文字説明はなかったように思う。
作品と向き合いなさいと、文字より、作品が大量に押し寄せていた。
有料の音声ガイドがサービスとしてあったけれど、消毒の関係か、なくなった。
QRコードを読み込んで、画像と説明文が頂けるサービスに変わっていた。
金沢美術館では作品にQRコードを付けて、スマホでの音声ガイドだった。
あれこれ工夫と変化の時期なのかと思った。
ただ、サービスはもっと単純でいいと思うのだけど、知りたい欲もあるし。
鑑賞には、直感の蓄積と学びの蓄積が役に立つから、サービスの変化にも期待。
個人的にアンディ・ウォーホルを好んだことはない。
時代の分岐点ではいつでも着想、発想の光り具合いが評価される。
技術的にはPCがあれば出来てしまうことなら、歴史に埋もれるのだと思う。
うってかわって常設展では、写真撮影が許可されていた。
面白いなと思いながら、ルーブルでもオルセーでも、普通に写せていた。
メモ代わりになるので、助かるなと思った。
玄関前にあった看板の左横のモノクロで花のデザイン。
これが常設展で展示されていて、長谷川潔氏の作品「花束(1926年)」だった。
こういう作風も私は好きよって、思うのでした。
イサム・ノグチの作品も楽しませてもらったが、今回のお気に入り。
吉村益信氏の「大ガラス(1969年)」という作品がお気に入り。
基本的にカラスの襲撃を二度受けた身には、大っ嫌いな存在ですがね。
私を襲ったあのカラスの眼、薄ら白い膜がかかった無表情な眼、怖い。
しかしこの作品にはそういう怖さのない、穏やかな眼で親近。
キョエちゃんの影響で好感しているのかもしれないが。
人出の少ない日時に奇襲して、久々の美術館にホッとした。
また、新旧混在する建物にも魅力のある横浜は、遠征価値があった。
こんどはカメラをぶら下げて遠征するかなと、思った。
ファイト!