お盆の始まり [卒業生]
市川動植物園
キリンも象も、カバ、ライオン、トラ、ゴリラ、有名動物は全くいない。
そう言うと妻は、だって動植物園だもんと返してくる。
オレは無口になって黙るしかないのだった。
牛、北大ならもっとたくさん、無料で見られる。
秋の学園祭の頃は、触ったりエサを与えたりできた。
ここではちょっと神経質な牛が、怒り気味に草を食ってる。
北大乗馬部は、車の少ない薄暗い時間帯に街を闊歩している。
未明の街に、蹄の音が爽やかだった。
普通に牛や馬がいて、金を払わずに見られた北大、元地元、近所だった。
教え子に、特に似たカピバラである。
カピバラを見るたびに、宮沢賢治の母校である大学に進んだ少年を思い出す。
脆弱になったラグビー部のキャプテンだったが、カピバラに似ている。
北海道に戻って、地元を活性化させる仕事をしたいと言っていた。
カピバラのような愛くるしい目をして、そんなことを言う少年だった。
私からいい刺激を受けたと、わざわざ手紙までもらっている。
ステキな少年のことを、カピバラを見て思い出すのは不謹慎か。
大きく育ってくれるといいな。
お盆のお勤めをして、月末には法事で大阪だ、生き抜くぞ。
ファイト!