ありがとう [@Home]
「ご冥福をお祈りします」
「お悔やみ申し上げます」
たった10文字の言葉を受けて
涙が出るほどホッとするのはなぜだろう
告別式を終え、斎場を去るとき、姉からメールがあり、「虹が出てるわ」。
「お母ちゃん、いま渡ってんねんな」、と姉の言葉が続いた。
そういうものなのかなと、思った。
母の初七日は、私の誕生日だった。
何かしらの縁を、所以を思ってしまう。
そういうものなのかなと、思った。
本文(266文字)に「摩訶般若波羅蜜多心経」という10文字の経題を含めると276文字の般若心経。 小さい頃から普通に聞き、普通に唱えていたが、母が亡くなり、日に何度も唱えるようになった。 生前、母からそうして欲しいと言われていたから、毎日そうしている。
初七日の夜、皮膚感覚として、ものすごくそばに母を感じた。
ゾクッとして、怖いのではなく、嬉しいような、温かい気分だった。
そういうものなのかなと、思った。
ふれることのない寂しさがある。
しかしなぜか、母を身近に感じることが出来るようになっている。
そういうものなのかなと、思う。
そう言えば、
母を送り出した言葉はもちろん、「ありがとう」だった。
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