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樫舎(かしや)/奈良   [味]





母の告別式を終えて、長女を除く家族4人で食事をし、三女は夜行バスで筑波に帰り、残る3人は今宮に宿泊した。 翌日、墓参りに行くためだが、気落ちしているであろう父を、次女がスイーツの旅で癒してくれるという。 こういう細かい気遣いは嬉しいのだけど、・・・やっぱり嬉しい。





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鹿たちですら日陰を探して避難する暑さ。
興福寺の境内を突っ切り、行くお目当ては、樫舎(かしや)。
和菓子のコースを予約してくれていた。



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人気の店のようで、予約していない人は、暑い中を待っていた。
この店に関しては、1月にテレビで見て、面白そうな店だと思っていた。
次女は、父の片言隻語を聞き漏らさないでチェックしていたようである。




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カウンター席で7人。
次女、妻、私、他のカップル4人。
およそ1時間あまり、和菓子を作りながらのトーク・ショーでもある。




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飲み物も、和菓子に合わせて変化させている。
それぞれの器も、歴史があり、説明される。
話が面白いし。




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和菓子職人は、味を作っているのではありません。
食感を作っているのです。
だから、素材が全てで、素材をどう見つけてくるかです。




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ケニア産の珈琲は美味しかった。
くずやき、向こうが透かして見えるのでした。
目の前で、彼らの道具を見せ、説明しながら作るライブショー。




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最後がこの自信の鯛もなか。
TVで見たときは、賞味期限60秒と、刺激された。
ここに至るまでの話と実演があって、やっと食す。

あっさりと上品な甘さに、野蛮なオレも、うっとり。
美味い、実に美味い、しかし、小さい。
お金を払って和菓子を「体験」する価値を感じた。




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馬上で酒を飲む杯とかで、ほうじ茶を飲む。
下の穴に紐を通して腰にぶらさげたらしい。
かなりこだわりを持った大将だが、信念と自信の人かな。



次女のこうした旅企画も嬉しいけれど、いちばん嬉しかったのは、目の前で和菓子が作られていく様を、目を輝かせて見ている娘の顔が、私にはいちばん嬉しかった。 妻も、大いに喜んでいた。 いいトシをしてウジウジしてみっともないけれど、娘が目を輝かせているスイーツの旅が、オレをいちばん癒してくれる。


良いことばかりが続くことはないと、既に大人になって知っている。 しかしまた、きっと良い日があると信じるチカラも身についている。 「それでええねん」と、教えてくれた人がいた。 だから今日も、四十九日が終わるまで、ありがとうなんだ。




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