頭を下げる儀式 [TV]
いつになく大勢のオジサンたちが、TVカメラに向かって頭を下げていた。
TVを見ている私としては、いきなり頭を下げられても困るのですが。
あんたたち、謝るべき相手を間違えてるのはご存じか。
「ひみつを まもりますので、しょうじきに こたえてください」
小4の少女は、藁にもすがる思いで、アンケートに記入したのだと思う。
暴力の実態を記入し、「先生、どうにかできませんか。」と結んでいた。
教師は、学校は、教育委員会は、秘密を守らず、さらけ出した。
当然、逆上した狂気の父親は、今まで以上に逆上して、実の娘を殺した。
ひみつはまもられず、相談するすべも失い、少女は無念の死を遂げる。
いつになく大勢のオジサンたちは、野田市教育委員会の重鎮たち。
怖がりだから、大勢でカメラに向かって頭を下げる、粛々と、遺憾ですと。
北海道だけじゃないんだなと、思った。
自分勝手な教師が一人いれば、救えたイノチなんだけどな。
役人は文科省しか見ていないので、イノチを救う仕事はしない。
オレがと思いあがった「先生」が、親と大喧嘩して子どもを救うこともないのだな。
ひとりひとりのとか、命の大切さと、彼らは訓示する。
でも本当は、子どものイノチなんて、想像もつかないのだよ。
子どもが、どれだけ絶望して、どつかれていたのか、想像できないのだよ。
だから、みんなでカメラに向かって頭を下げることが出来るのさ。
責任を感じて腹を切るわけでもなく、辞職することもなく、延命する。
文科省の役人が幽霊のように歩いて指導に来たけれど、また起きる事件。
みーんな、痛みを感じていないんだよ。
アザが残るぐらいどつかれたら痛いって、想像できないんだよ。
寒い夜に浴びせられる冷水は、痛くて惨めに絶望するって、想像できないんだよ。
野田市教育委員会は、用心棒を雇えばいい。
オレ、安く働いてもいいけどな。
オレ、道教委の、トラブルメーカーのお墨付き中古品なんだけど。
ファイト!