「JIN-仁-レジェンド」 [TV]
なぁーんだ、綾瀬はるかが出てるから見てるのね、と妻が笑いながら言う。
録画したドラマを1.5倍速で見ていたボクは不意を突かれた。
つい、ウンと答えてしまったことを恥じた。
先月から土日の午後に集中して再放送をしている10年前のドラマ。
「JIN -仁-」「JIN-仁-完結編」である。
恥じたのは、医療従事者への敬意をこめて、泣いていたからだ。
江戸時代にタイムスリップした医者が奮闘するという、漫画が原作。
細部の甘さは漫画だ、それでもひたむきな綾瀬はるかが微笑ましい。
いつの時代であっても、医療従事者の疫病との激闘が心を打つ。
また、自粛要請が延長されることになり、気が重くなる。
だから、3月上旬に撮った早咲きのチューリップを掘り起こす。
少なくともボクは、明るい色を見ると少しは元気になれるんだ。
何人か教え子が、元気かと生存確認のメールをくれる。
迷惑をかけないように生きてるよって、返事を出す。
絵葉書でも作って、そうだ、元気ですって挨拶状を出そう。
「JIN-仁-レジェンド」、たかがTVドラマだけど、定評のあるTBS 日曜劇場だから。
妻が言うように綾瀬はるかを追って見ていても、この時期だからね。
医療従事者への差別も含め、考えさせられ、心が震えるなぁ。
作品冒頭で、主人公の大沢たかおのナレーションが入る。
聞いていて、そうだよなぁーって考えてしまう。
今の時期に合わせて、秀逸な再放送かしら。
私たちは、あたりまえだと思っている。
思い立てば地球の裏側にまで行ける事を
いつでも思いを伝える事ができる事を
平凡だが、満ち足りた日々がつづくであろう事を
闇を忘れてしまったような夜を
でももし、
ある日突然、その全てを失ってしまったら、
鳥のような自由を
満たされた生活を
明るい夜空を失ってしまったら
闇ばかりの夜にたった一人放り込まれてしまったら
あなたはそこで光を見つける事ができるだろうか?
その光をつかもうとするだろうか?
それとも光なき世界に光を与えようとするだろうか?
あなたのその手で・・・・
単に純情なボク、単純。
ドラマの中の些細な言葉に、元気を出して、少し勇気みたいなものを手に入れる。
原作が漫画だってことに、綾瀬はるかを見たくてと、少し恥ずかしく思いながら。
「未来が過去の結果なら 最善を尽くした結果が 悪くなるはずがない」
文句ばかり言うのは辞めにして、少しでも弱い人を明日こそ救おう。
解除されるであろう月末の応募締め切りまで、少し善人になる。
たしかに早咲きのチューリップは、ボクの目に焼き付いていた。
ファイト!