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『ザ・ドクター』   [ドラマ]



半ば脅迫のようにして、次女の奢りで劇を見に行った。
PARCO劇場で上演中のもので、大竹しのぶ主演『ザ・ドクター』。
今年初めての電車にも気圧されて、渋谷の人混みにも引いてしまった。




PARCOプロデュース2021『ザ・ドクター』
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原作:ロバート・アイク
翻訳:小田島恒志
演出:栗山民也
出演:大竹しのぶ / 橋本さとし 村川絵梨 橋本淳 宮崎秋人 那須凜 天野はな 久保酎吉/明星真由美 床嶋佳子 益岡徹

物語はエリート医師・ルースの元へ、自ら妊娠中絶処置を行った一人の少女が運び込まれるところから始まる。生死をさまよう少女のもとへ「彼女の両親から臨終の典礼を頼まれた」と神父が現れるが、ルースは面会謝絶を理由に彼の入室を拒否。このことで、ルースは世間から激しいバッシングを受ける―。◆信仰やジェンダー、階級格差、SNS問題という現代社会にはびこるテーマを取り扱いながらも、誰もが感じたことのあるような、人生の中の“生きづらさ”や“違和感”が描かれている。 決して答えは一つではないが、たくさんのヒントがそこにある。


6時開演、8時を過ぎると眠くなるので心配だった。
始めの方で「スキあり」のおっちゃんがイビキをかいており、人のフリ見て。
緊張しながらの観劇で、あっという間の3時間。


主人公ルースの「人間である前に、医師だと思っています」という台詞。
これは主人公の気負いでしかないのだが、本人は強い正義と倫理観と思っている。
いわゆる上から目線で、自分の価値観を強制したり、他の価値観を受け入れない。

テーマはちょっと重いかなと思いながらも、身につまされるものがあった。
事件後、主人公ルースは病院を去り、医師ではなくなる。
医師を辞めたことによって彼女は「一介の」人間になるのだが、寂しい。

孤独の渦中に、争いの発端となった神父が訪ねてくる。
主人公ルースの挫折で終わるのではなく、敵対した二人が語り合う。
最後の穏やかな時間が「事件」の時に共有できれば諍いは起こらなかった。

私たちは立場でモノを言う時があって、相手を受け入れない。
立場だけではなく帰属するもの、人種、宗教なども含めて、違いを受け入れない。
そういう差や違いをばかり見つけて敵対してしまうのだが、同じ人間でしょって。

たくさん考えてしまったなぁ。
何か生活が激変したり、決意するのではないけれど、人も事象もよく見ないとな。
そして、他者への全否定、価値観の強制、控えないといけないなと思う。




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1000人を超える生徒に整列指導をしていても、退職すれば先生ではなくなった。
ただの年寄りになることは分かっていたが、所属と立場を失えば寂しいものである。
結局は人間関係も対話でしか紡ぐことは出来ず、逃げていてはいけないな。

演劇体験を通過して、「お前は誰よ、何者よ」と突き刺さってきた。
娘を半ば脅しての観劇だが、良いものを経験できたと感じている。
娘には悪いなぁって、恩の倍返し、するぞ!




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2021年11月23日 20時08分



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2021年11月24日 7時24分


皆既月食があったりして、月を見る時間が多かった。
月食後の月はどんな感じか気になって、見上げることが多い。
夜に見た月は翌朝、上下が逆になって、うっすらと青空に浮かぶ。




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照ノ富士は強い、と感じさせる風格まである。
受けて立つドッシリ感があって、横綱と思える。
千秋楽、目が離せない。


オミクロン株、WHOが警戒度最高の「VOC」に指定/ 怖い!
日米など各国が水際対策進める/ 軽石のように来たら 怖い!
ジタバタしても始まらないから、大学ラグビー対抗戦でも見るかなTVで。




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