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『ドライブ・マイ・カー』   [映画]



あした天気になれよ、洗濯物に太陽を吸収させたい。
そう思うのはしばらく線状降水帯がウロついていたから。
あちこちの災害を聞くくらいなら、日照りの暑さに耐えてやろうじゃないか。





『ドライブ・マイ・カー』
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■ 作品データ
 制作年/2021
 制作国/日本
 内容時間/179分
 ジャンル/ドラマ
■ 解説 村上春樹の同名短編小説を濱口竜介監督が鮮やかに映画化。第94回アカデミー賞の国際長編映画賞をはじめ、国内外で数々の賞に輝き、映画界の話題をさらった必見の注目作。舞台俳優・演出家として成功し、充実した毎日を送っていた家福悠介。しかし、脚本家として彼を支えていた妻の音が、今夜話したいことがある、と言った矢先に急死。悠介は心に大きな喪失感を抱えたまま、孤独な日々を送るはめに。2年後、彼は広島で開催される国際演劇祭でチェーホフの名作舞台劇「ワーニャ伯父さん」の演出を手掛けることになり、寡黙な専属ドライバーのみさきと行動をともにするうち、心境に次第に変化が生じる。

久々に騒がれた日本映画だが、好き嫌いの感想は分かれると思う。
個人的には文学部上がりだから、十分にいい映画だったなと、3時間を恐れない。
ただ、同伴者がいるとつい、キツイのかなとか考えてしまう。

ドイツ在住の長女に映画的影響を与える、スイスのホストマザーも推していた。
パリのレストランでホストマザーと会った時、彼女の文学部的熱量を感じていた。
生活姿勢も真摯だし、主義があり、主張をし、人生を楽しむ方だった。

そういう知性が緩やかに刺激される映画であること、見ていて感じた。
長女に「なかなか良い映画だったよ」と勧めたと聞いて半年、やっと見た。
伊東のリビングに作った私的映画館で、WOWOW録画で、見た。

村上春樹の短編に触発されて監督・脚本がイメージを膨らませたのだろう。
事件を通過して登場人物「A」が「A’」に変化するところに発生したストーリー。
三層構造の映画の中で、私たちは3時間のドライブをすることになる。

救いのない嘆きの裏側から人は目をそらしたいものだが。
しかし、感情を爆発させて怒りを発出させるのも救済の糸口だと。
重いものを抱え込み過ぎた人々への、救済のドライブ。

劇中劇のセリフと現実が重なり、過去をも掘り起こしていく。
脚本が緻密に計算され構成される中で、言葉に力があった。
劇中劇の公園での練習シーンでは、本編から外れても感動を呼ぶ。

個人的には、韓国人女優の、手話で演劇参加する方に迫力を感じた。
劇中劇は各国語をミックスで上演する手法だったが、手話の迫力がすさまじかった。
あの女優さんが主役ではないか、と思えるほどの熱を感じたのは逸脱か。

いい映画だった。
でも、私はこんな生き方はしないけどね。
そして世界はちゃんと評価しているのだと、感心した。




■ ひかりは西へ
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映画『ドライブ・マイ・カー』の中で些細なことだけど表現の違和感があった。
運転手の女性が北海道の寒村出身として扱われる。
裏山の土砂崩れで彼女は家ごと母を失い、ふるさとを捨て広島に辿り着く。

西を目指して走った車が故障して、止まったのが広島だと説明する。
北海道の人間は「南を」目指し、「西を」目指すのは東京の人間である。
北極点から1歩踏み出せば、どちらに向かっても南であるように見ると分かる。




■ ちむどんどん
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NHKの朝ドラは完全に惰性で見続けている。
おそらく日本人の感性を低下させようとしているのだろう、ひどすぎる。
脚本家のレベルが低いのか、沖縄の人間をバカにしているのか。

バカはゴメンナサイと言って、また、同じことを繰り返す。
絵に描いたような、月並みなキャラクター設定で小馬鹿にするのは良くない。
ここまで沖縄の人が馬鹿者なのか、あり得ないほどのお人好しぞろい。

失礼なほどのお人好しが総出で、そのくせお説教じみた戦争の話も入った。
8月に届く戦争をも扱うなら、もっと真面目にやれよと思う。
私が沖縄県人なら、バカヤローとNHKに戦いを挑むだろうな。




■ 一寸先は闇だからシビれる
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8月1日のインターハイ男子バスケットボール決勝、中継を見た。
流れが変わる潮目というものはあって、伏線が回収される衝撃が走った。
開志国際高校(新潟県)が福岡第一高校(福岡県)を振り切ると思われたのだが。

新潟は終了直前、相次いで主力が退場する。
終了5秒前、それまで落とし続けていた福岡が3ポイントを決め、遂に逆転する。
あり得ない結末に、何たることだと叫びながら衝撃が走り、シビれた。

これだから高校生の運動会からは、目が離せない。
勉強せえよと言い続けたが、大舞台で起きるドラマは大きな魅力。
ただ、外国人留学生が多いチームだけが勝ち上がるのも、現実。




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