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『流浪の月』   [読書 本]


ずっと自分の人生のそばには時間が流れていた。
願い事が叶ったり、思いが実現したり、あるいは悲しい目に遭ったり。
いろいろな時間を通り過ぎて来て、もう重たいなと思うのがこのごろである。


疲れるのは人間関係なのだろうね。
嫌な思いにさせてくれるのは、いつでも人様である。
付き合う人を選び、限定していくのが楽になる方法なのかもしれない。


時間は有限だと、知っているのだから。
だからこそ、時と場合を選び、一期一会の時間を誰と共有するのか。
思い出を作るための旅ではないが、良い思い出は大事にしたいものである。





『流浪の月』 凪良ゆう/東京創元社(2019年 8月30日 初版発行)
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何人かの方がブログで絶賛していて、気になっていた。
夏休みの課題図書―第2弾として読んだが、良かったと思う。
妻にも読むならどうぞと、市川の家に置いてきた。

この世はお節介なほど優しさと思いやりに満ちている。
そして遠いところから正義を振りかざして、当事者を断罪する。
世界に張り巡らされたモラルの網の怖さを感じる。

読みながら、現実に起きていたいくつかの少女誘拐事件を思い浮かべていた。
始めは千葉大学生による、長期に及ぶ少女の自宅監禁事件を想起していたが違う。
その事件は同情の余地なく、犯人には実刑が下っている。

おそらく、長崎県の小6女児の家出、誘拐事件を作者はヒントにしたかもしれない。
あの事件では、「帰りたくない。お兄ちゃんは悪くない」というエピソードがある。
作者は、このエピソードを用いて、絶対少数派の内面を探り出そうとしたのではないか。

(p270) 店長と向き合ったときと同じように、静かで暗い川のようなものが互いを隔てていくのを感じている。こんなに思いやりがあふれている世界で、これほど気遣ってもらいながら、わたしは絶望的にわかり合えないことを思い知らされるばかりだ。


事実と真実は違う、という視点で構築された世界。
読んでいて自分も後ろめたくはなるが、こういう作品と向き合う時間は必要かな。
絶賛にしておき、映画もあるみたいだから、見ようと思う。






■ スリランカ女性の迫力がボクにはない
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モーサテプレミアムのオンデマンドで、90分間の特集ニュースを見た。
今年に入ってからの、スリランカでの異常事態がどのように起きたかを追っている。
簡単に言えば、例の中国の債務の罠、腐敗政治が癒着して、債務不履行を起こす。

予定通りに、例の中国によりスリランカは乗っとられているのだけど、国民は怒る。
ガソリンに並ぶ男性、食糧確保に並ぶ女性、怒る、叫ぶ、絶叫する。
生活への活力を吐き出しながら、ものすごい勢いで主張をする、その迫力が私にはない。

紳士服の青木で、昔は、私も服を買いましたよ。
でも、毎月100万円とか、振り込んでもらってないなぁ。
私だって、えらそうにする自信はあるけど、振り込んでもらえない。




■ 空には秋が顔を見せ始めている
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昨夜、神宮外苑では花火大会、電車に浴衣姿のアベックが多いと、妻が言い。
木曜日に熱海駅でも、大勢の浴衣姿の人がいた。
品川から乗った踊り子15号、女性の浴衣姿が散見された。

お盆が過ぎ、いよいよ夏とのお別れ。
寸暇は惜しんだ方が良いのか、コロナはもう怖くないのか。
伊東も熱海も今夜は大花火大会、音だけを楽しむか、おりていくか思案。




■ カッパ橋商店街は良い
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札幌では10年以上、外国人のホームステイ受け入れをしていた。
お節介だから、目いっぱいおもてなしをするのだが、浅草がない。
かっぱ橋道具街から浅草寺へ抜けるようなコースは、ガイジン好みなんだがなぁ。





■ 来週は自作自演のお誕生会
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相変わらず金持ちではなく、それでも妻と二人でいれば幸せだった。
些細なことの積み重ねだけど、日々の思い出を、妻と共有する。
こうして夏が終わり、人生の時間も暮れて、幸せだった思い出を残す。

乙女座のお誕生会、子どものころは夏休み終盤だから寂しかった。
今月末、またもや誕生日がやってくる。
前後賞付きのお誕生会、自作自演で、2人、4人、3人の身内会。

フレンチ、イタリアン、鰻、予約は済んでいる。
自分へのプレゼントも用意した。
ここまで生きれば、お礼と感謝の、自作自演のお誕生会、もうすぐ、頑張る。




ファイト!






ファイト!(70)  コメント(12) 

ファイト! 70

コメント 12

あるいる

「流浪の月」が本屋大賞を獲り話題になって一年後、図書館での予約数も下火になった頃に読みました。
人々の善意や正義が人を痛めつけ傷つける恐ろしさは、この小説のような特殊な設定でなくても、日常に転がっているなぁと思ったのを思い出しました。
そしてもうひとつの恐ろしい現実が「無関心」です。
スリランカもタリバンもミャンマーも香港にも無関心なのが多くの日本人のようです。
その反面、一斉に報道されるのが青木と統一教会の二つのニュース。
コロナの影は少し薄くなり、感染者数は激増し世界一になりました。
オリンピック招致の裏金問題やオリンピックにいくら使ったのかも詳しく報道されることなく消えて行きました。
すべて税金でまかなわれているというのに、この無関心さは異常なのかもしれません。
そして、盆休みは終わり、夏休みも終わりに近づき、あちらこちらで花火大会が開かれるようで、大阪も例外ではなさそうです。
昨年までの吉村府知事・松井大阪市長コンビなら、花火大会の中止を決めていたはずなのに、今年は開催、なんでやろ?です。
徳島で3年ぶりに開催された阿波踊りでコロナ・クラスターが複数発生したとか。
医療崩壊を叫ぶ一方でのイベント開始、なんとなくおかしいなぁと小市民のおやじは思う今日この頃なのです。
そんなあれこれの中の誕生会、二人、三人、四人の身内会、慎ましくお楽しみください。
今年の夏、最後の個人的イベントですよ。
くれぐれもコロナ感染には気をつけてください。
フレンチ、イタリアン、鰻、とても食いたいですよ。
家族で食べるとなおさらに美味いやろなぁ。

by あるいる (2022-08-21 04:12) 

HOTCOOL

『流浪の月』は昨年読んだ本の中でBESTでしたね。映画も原作に忠実(忠実過ぎた)で良かったです。次回作で著者の評価が決まるなーと思ってしまうのは考えすぎでしょうかね。
世界そして日本の行く末が心配ですが、自分のことで精一杯なのも事実。仕事もプライベートもね。。。
by HOTCOOL (2022-08-21 05:01) 

とし@黒猫

メンタルが弱いので、メンタル本「不安に負けない」「心の容量が増えるメンタル取扱本」などを、読み漁っています。
ほとんど神仏を信じていないので、本が救いになっています。
by とし@黒猫 (2022-08-21 10:48) 

(。・_・。)2k

休み中の誕生日は寂しいですよねぇ
ちょっぴり損した気分になります

by (。・_・。)2k (2022-08-21 12:37) 

JUNKO

いつも前向きでつい進んでいるファイトに元気づけられます。素晴らしい能力をお持ちでそれを随所に生かしているのがまたすごいことです。
by JUNKO (2022-08-21 17:34) 

英ちゃん

神宮外苑は花火大会やったんだ?(^_^;)
隅田川は中止になったのにね(;'∀')
まぁ、都心部の花火大会は人を見に行くようなものだから私は行かないけどね(;^ω^)
by 英ちゃん (2022-08-21 17:54) 

kome

ご自分へのプレゼント、ちょっと気になります。
私もノジマのポイント使わなければ。。
by kome (2022-08-21 19:18) 

Inatimy

今読んでる本は宇宙での話。想像つかず、なかなか進まなくて^^;。
河童の描かれた緑の郵便ポスト、遊び心があっていいな。
フレンチ、イタリアン、鰻のお誕生会、ワクワクしますね^^。
by Inatimy (2022-08-22 05:58) 

青山実花

本はいいですね。
私は前ほど集中力がなくなりましたが、
読書の習慣はなくさずにいたいです。
直近で読み終えたのは、
高山真さんの「エゴイスト」です。
by 青山実花 (2022-08-22 06:52) 

ナツパパ

昔、習っていた先生が、知識は本で学べるが、知恵は友達と遊んだり飯を食ったりしないと付かないぞ、といいました。名言と今でも覚えています。
by ナツパパ (2022-08-22 10:48) 

向日葵

流石にtommy88さん、本への洞察が素晴らしいですね。
ワタクシはそこまで深くは読めていなかったように思います。
ご自分へのプレゼント、ちょっと気になりますね。
by 向日葵 (2022-08-23 02:26) 

yokomi

本は時間と集中力が続かず短編だけ(^_^;) フレンチ、イタリアン、鰻とは羨ましい(^_^)v おとめ座の家内にはケーキだけかな。慎ましい我が家(^_^;)
by yokomi (2022-09-03 11:17) 

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