『第三次世界大戦はもう始まっている』 [読書 本]
夏休みの課題図書を1冊、読み終えた。
フランスの歴史人口学者・家族人類学者の、エマニュエル・トッドの本。
相変わらず、なるほどと説得されてしまっている。
『第三次世界大戦はもう始まっている』
エマニュエル・トッド/文春新書(2022年6月20日 第1刷発行)
p166
ロシアは、共産主義といった不条理な体制を生み出しつつも、冷戦期に宇宙分野や軍事分野でアメリカと張り合うことができたわけですが、父権的な共同体家族社会であるにもかかわらず、女性の地位が比較的高いことが、こうしたロシアのシステムの特殊なダイナミズムを生み出しているのではないか、と私は見ています。
おそらく「ロシアにおける女性の地位の高さ」には、キリスト教が関係しています。一方、「中国における女性の地位の低さ」は儒教に由来している可能性があります。
p169
私は民主主義を「制度としての民主主義」と「心理や感情としての民主主義」という二つの側面から見ていますが、社会の内部に民主主義的感情が見られず、これだけ分断が生じているアメリカやイギリスに「民主主義の守護者」を名乗る資格などないのです。
個人的には、これらの国を「リベラル寡頭制」と呼ぶべきだと考えます。
政治学や地政学だけでなく、そこに人類学的な視点を加えれば、いまの世界で生じている真の対立は、「民主主義陣営 VS 専制主義陣営」ではなく「リベラル寡頭制陣営 VS 権威的民主主義陣営」だということが分かります。
■ 残念だけど戦争はまだまだ終わらないのですね
台風上陸前に草がなぎお倒される江戸川の土手
中国が虎視眈々と世界征服の一帯一路の準備を進めており。
台湾有事を想定するアメリカは裏側に回って二正面作戦。
NATO諸国の温度差の中、武器の生産性が勝負の分かれ目になる様相。
ロシアもウクライナも絶対に引かず消耗戦となり、南部と東部の奪還を争う。
人口流出は戦前から始まっていて、ウクライナは国家のテイをなさない。
国土再建の話し合いは妄想でしかなく、まず泥沼から世界がどう脱出するのか、だ。
アメリカのインフレは落ち着きそうだけど、EUは冬に向けて厳しい経済状態が続く。
予想外に金を持ち息を吹き返すロシア、国民は民族的に耐久力がある。
ロシア国民が父権的な強さを求める限り、プーチンが勢いを失うこともなく、戦争が続く。
■ ボクが台湾を好きなわけ
台湾へはお粥を食べに行くの、夜市で胡椒餅を食べるの。
そんな悠長なことを日ごろ言うのは、台湾が好きだから。
昔々、西郷どんが攻めていき迷惑をかけましたが、仲良くしたい。
台湾が好きだったのは小学4年生の時に、ボクの隣りに留学生が座ったの。
李瑞淑さんは賢い子で、漢字の書き取りテストではよく教えてくれた。
ただ、古い漢字を書いて、ボクは高橋先生にどつかれはしたけれど。
そのまま持ち上がったクラスだけど、仲良くし続けていた。
家はちょっと離れていたけれど、見るからに成金的に大きな家に住んでいた。
お嬢さんは卒業と同時に台湾に帰ったけれど、握手をして泣いてお別れした。
小さい思い出があるから、今でも台湾には好感している。
だから台湾と名がつけば、ちょっと買ってみるかなとなる。
もし、ロシアからの留学生と席を同じくしていたら、こんなにも嫌いにならなかったかな。
■ オリビアが亡くなって
オリビア・ニュートン=ジョンが亡くなった、合掌。
73歳とは、ちょっと惜しいと思う。
彼女が乳癌になって、メルボルンに癌専門の病院を作り、寄付をした。
その病院で、友人のデイブは癌を治してもらっている。
ステージ4から寛解に至り、嬉しく喜び、オリビアに感謝していた。
自身の病気がきっかけでも、広く人のために寄付をする、えらい女性だった、合掌。
■ 不死鳥と見るのは希望が欲しいから
ドイツの娘は言う、
昨年は30℃超えの日が数えるほどしか無かったのですが、今年は世界各国同様、ドイツでも30℃超えが続いています。先日はついに34℃。湿度に+して40℃近くなる日本に比べると、暑くはないと思ってしまいますが、ドイツではクーラーが浸透してないので、マスク着用での電車内はかなり暑いです。
欧州の旱魃、熱波、異常な高温と乾燥、山火事。
明らかに何かがおかしいと思うこの頃、Phoenix は現れるのだろうか。
個人的な努力で何かが変えられるとは、思えなくなってきている。
それでも、今週こそ、今月こそ、心の晴れる話を読みたい、聞きたい。
やっぱり大谷翔平さんに期待するしかないのかな。
市川で過ごすお盆、次の課題図書に突入、そして高円寺へ飲みに行く。
ファイト!
2022-08-14 00:00
ファイト!(65)
コメント(14)
江戸川の土手の倒れた夏草を見てパスカルの言葉を思い出しました。
「人間は自然のうちで一番弱い一本の葦にすぎない。しかしそれは考える葦である」
みなさんいろいろと考えてはるんやろな。
だから分断が起きたり戦争が起きるんやろな。
で、たくさんの人間が死んだり困ったことになるんやろな。
と云うコトは、どこかでナニかを間違えてるんやろな。
どこが間違えてるのかおかしなコトになっているのか、気がつかないんやろな。
人間というイキモノ、まだ考えが足りない葦なんでしょうか、さて。
凡庸な小市民のおやじにはわからないコトだらけですよ。
でも、病院を作って社会に貢献する大スターがいたり、おいしいものを作って誰かに喜んでもらったりする人間がいるのも事実です。
人間ってほんとによくわからないイキモノですよ。
と、今年の盆休みも悪いアタマを悩ませながら過ごすことになりそうです。
これも煩悩なんでしょうかね。
爆発的に増えている新型コロナに感染されないように、高円寺で飲んでください。
病院が危機的状態な今、とんでもないコトにもなりかねませんし、ね。
猛暑もさることながら、最低気温が28℃や29℃の日が続く大阪、睡眠不足気味です。
飲むより心穏やかに熟睡したい。
ささやかなおやじの願いです。
by あるいる (2022-08-14 03:57)
この間読んだ本では、”冷戦(コールドウォー)”が既に始まっているとのこと。今回のコールドは「COLD」=「風邪(ウイルス)」。中国では新たなウィルスが見つかり、サル豆も拡大。ニューヨークではポリオも見つかったらしい。
”冷戦”と同時に”温戦”も始まっているのか。”温暖化”との戦いも、未来を担う子供たちへの課題なのかも。
by HOTCOOL (2022-08-14 04:46)
怖ろしいようなタイトルですね。
遠い国の戦争のようでも、
日本は関係ない、わけないですしね。
そして、日本国内も、
「そちらには行かないでほしい」、
と思う方へどんどん行ってしまっている気がします。
ヒーローはいないのか。
by 青山実花 (2022-08-14 07:10)
僕は地勢や世界情勢が苦手なので、もっぱら、
医療関係の書籍を読んでいます。
あちこち(フィジュカルも、メンタルも)が
ガタが来ています。
先日は、励ましのお言葉をありがとうございました。
大変嬉しく思いました。
by とし@黒猫 (2022-08-14 10:45)
冷戦がやっと終わったと思ったら地域紛争があちこちで勃発しだし、
その後は第3次世界大戦ですか...いやはや。
こういうときのための国際連合だったんじゃなかったのですかねえ。
by ナツパパ (2022-08-14 12:03)
フランス、その中の一人のフランス人から見た世の中で、それが全てじゃない、ということも心の隅に置いておきたいと感じます。欧州内の小さな国って視界に入ってないかのような扱いなんですよね・・・。
席を同じくするだけじゃなく、その個人の人柄も関係してくると思います。小学生の頃、私の前の席に他の国から来た子が座ってましたが、いつも意地悪されてたので^^;。
by Inatimy (2022-08-14 19:06)
中国もロシアも
共産主義vs.民主主義の構図を作りたがっているのでしょうかね。
仰る通り、大谷翔平だけが明るい星ですね。
by 八犬伝 (2022-08-14 19:51)
温暖化の影響で、ロシアに洪水が起きれば戦争どころでなくなるかもしれませんが、今のところ影響が出ているのは他の地域ですね。上昇1.5度のラインを越えてしまうと、暴走してしまうようです。
台湾カステラ、来月食べてみるつもりです。
by kome (2022-08-14 21:34)
台湾の食べ物美味しいですよね
知り合いの嫁さんが台湾の子で色々いただきました
by (。・_・。)2k (2022-08-14 22:32)
同じ日でしょうか?金曜日に私も(後で記事に使うかもしれませんが) 角川のマークのような不死鳥?火の鳥?のような雲を見てシャッターを押しました。
何かは判らないのですが 希望を必要としているのかもしれないです。^^☆彡
by ゆうのすけ (2022-08-15 00:44)
台湾カステラ、台湾パイン、今度食べてみたいです。
でも何処で買ったら良いのか・・??
やっぱり人間は。。
なんだかんだ言って「戦争」大好きですから。。
by 向日葵 (2022-08-16 01:58)
夏休みはないのですか。孫は課題図書の感想文を書かいたくないと言っています。
by JUNKO (2022-08-16 21:50)
台湾へは行ったことは有りませんが大好きです(^_^)v 昨年中共が嫌がらせで台湾産パイナップルを輸入禁止としたときから、時々台湾の完熟パイナップルを仕入れています(^_^)v 以前は年に2個仏壇用にフィリピン産を買うだけでしたが、中共のおかげでグルメに(^_^;)
by yokomi (2022-08-18 01:05)
「流浪の月」。。
読まれたのですね。
どちらかというと女性向けかな・・?
とも思っていましたが、tommy88さんが「良かった」と
仰るからにはある意味偏見だったかもしれませんね。
ラストをどうしめくくるのかが、読んでいる最中からとても
気になりました。
流石にハッピーエンドとは行きませんでしたが、それなりに
納得できる結末になっていてー。
(というか現在進行形のまま終わっている・・??)
不思議な空気感のある作者でしたね。
ワタクシも「次」に行きたいと思っています。
また、彼女の作品は既に大分発行されているらしいので、
「流浪の月」より前の発表作品にも触れて行きたいと
思っています。
by 向日葵 (2022-08-19 01:15)