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時間がないない  [ひと]



デュッセルドルフ在住のその女性は、日本に生まれ育った。
大学院をパリ、チューリッヒ、デュッセルドルフですごし、研究職に就いている。
大学での講義は英語でおこない、独語で研究発表、映画の字幕は仏語が楽だという。

村上龍が、外国に10年も暮らせばそれだけでリスペクトに値すると言っていた。
おそらくそれは、自立した、真の自由を手にしているということなのだろう。
束縛からの自由ではなく、コミュニケーションの不自由さがない自立した自由。

その女性が言うには、ドイツの慣習の古さは差別との戦いだという。
人種の区別や女性を従属的に見る姿勢と、日々、ヒリヒリするほど向き合う。
平和ボケする暇などない、国境線上の現実的な厳しい生活があるのだった。




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束縛から逃げて大阪を出奔した私には、まばゆいほどの憧れの女性の姿。
そういう女性と少しでも会話が出来る時に、私は最大限のサービスをする。
そう、私に出来ることは笑わせることぐらいだからね。




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娘がドイツから帰ってきた。
何はなくとも寿司だろう、市川市民だから銚子丸へ行く。
3か月の滞在期間、蒲田そして小岩のマンションを拠点に仕事をこなすようだ。

父は空港から第一の拠点、数週間後に第二の拠点への荷物運搬。
本当なら予算があるから業者を使えるのだが、お父さんの仕事、という優しさ。
サガワのイケメンには負けるけど、サービスは十分努力。




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既に家族のかたちが変わり始めている。
適切な距離を保ちながら、それでも時間を共有して新しい記憶の上書き。
ちょっと寂しいのだけど、欲をかいて踏み込めば壊れる脆さがある。




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金曜から妻は学生時代の友人と、4人で伊東へ行く。
女子会をする妻たち、夫相手では不可能なストレス発散を、どうぞ。
東京駅を出発する前に大丸に集合する妻と別れ、私は伊東屋へ。

駅前から歩いて新しいビルを見上げ、不思議な道を通る。
勉強用のノートとインクのスペアを買い、銀座、日本橋を歩く。
その時の少し、都会的な写真を5枚。




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40年前、お父さんにご挨拶に伺った家で、私は一人、数日間を過ごす。
ジプシーのように何処でも仕事が出来るように、Bluetoothは活躍する。
村上春樹が6年ぶりの書下ろし新刊を出した。

新刊に合わせて老眼鏡を作ったが、受け取りはGW明け。
新しい老眼鏡が出来るまで、心を砕いて悩むとしよう。
説明のつかないことや答えを得られないことはある、それが人生だ。



正確な情報を集める。
バカには近づかない。
美味いワインを飲む。




ファイト!






ファイト!(61)  コメント(12) 

ファイト! 61

コメント 12

hagemaizo

写真がステキ。
by hagemaizo (2023-04-23 00:17) 

あるいる

大都会の姿の変わりようは、僕が暮らしていた頃の東京の姿をとどめていてくれるのかなと、少しだけ懐古的になってしまいました。
これも加齢のせいなのでしょうか、たぶん。
ガラスとコンクリートで覆われた街の光景にどうもなじめないオヤジなのです。
地べたに生きるニンゲンには、高い場所への苦手意識がますます増幅されていくようです。
ドイツだけでなく、西洋の慣習の古さはずっとあるようです。
医学や医療の発達していない時代、子どもを産むことのできる女性は命をつなぐためにも労働力を確保するためにも必要不可欠な存在でしたから、表面的には大切にされていたのでしょうけれど、男社会優先なのは日本と変わらないのかもしれません。
それでも、声を上げた女性には敬意を表し、ときには尊敬の眼差しで見つめてしまう、字幕は日本語に限るおやじなのでした。
まったく関係ありませんが、銀座・松屋の裏通りに「赤とんぼ」というカウンター席だけの小さなサンドウイッチ専門店は今でもあるのでしょうかね。
ポテトサラダのサンドウイッチとローストビーフのサンドと珈琲の美味い店でした。
BGMのクラシックと店主のおっちゃんのおしゃべりも楽しかったですよ。
と、これまた懐古的になってしまいました。
昔を懐かしむヒマなんてないねんけどなぁ。

by あるいる (2023-04-23 05:08) 

HOTCOOL

先日、ドイツ出張帰りの某大学教授と話したら「ドイツは物を大切にして粗末にしない。職人を大切にする国だからでしょうかね。」と言ってました。どこかの国は断捨離ブームですけどね。。。
2枚目の写真が素敵で不思議。4枚目の写真の石の断片にグラデーションが浮き出ていい感じですね。どこにあるんだろう。。。
by HOTCOOL (2023-04-23 06:08) 

とし@黒猫

パーキンソン病をくらっているので、1cmの段差にも
つま先をつっかけ、段差からつんのめってバランスを
崩して落ちるので、街歩きは、足元に視線を集中する
ようになり、周囲を見渡すことはあれど、上を見上げ
ることはありません。 もし、上を見上げて街を歩い
たなら、印象深い光景(それは人工の構造物であるこ
とが多いと思いますが)が目に付いて、思わずシャッ
ターボタンを押すだろうにな、と思いました。
それはきっと、素敵なことに違いない、と、ないもの
ねだりをしながら、見たこともない光景の写真を拝見
しました。
by とし@黒猫 (2023-04-23 09:38) 

英ちゃん

ぁぁ、「駅」と「停留場」の違いは、大まかに言うと信号機があるかどうかの違いだけみたいです。
場内信号と出発信号があるのが「駅」で、それらがないのが「停留場」と言ってるらしいです(^_^;)
都電の場合は都バスと同じ方式だから停留場と言ってるみたいです。

by 英ちゃん (2023-04-23 14:05) 

(。・_・。)2k

カメラ直りました?
俺も銀座行きたいんですけど予約が必要なんですよね?
それが面倒ですよね

by (。・_・。)2k (2023-04-23 18:38) 

JUNKO

おひさしぶりです。札幌の空気はもうお忘れでしょうね。相変わらずエネルギッシュにお暮らしの様子、そしていいお父さんも変わりませんね。私は4年間の会長職をやっと6月で終了。4月末が山場です。趣味の世界とは言え人間が集まると大変です。
by JUNKO (2023-04-23 20:10) 

青山実花

娘さんが帰られて、
嬉しいでしょうね^^
家族にしろ、他人にしろ、
適度な距離を保つのは
大切ですね。
そうでないと、上手くいかないと思います。
by 青山実花 (2023-04-24 07:40) 

Lonesome社っ長ょぉ〜

西洋の方がよほど閉鎖的、保守的、そして亭主関白なのだと、真逆の
イメージを抱き青年期に渡ったアメリカやヨーロッパに触れ、そう感じ
たのでした。特に学期間の休みにお邪魔していた書く友人宅の生活振りに
直接触れた時は、お母さんがあまりにも純なお母さんであり主婦であった
のには大そう驚いたものでした。
東京の変貌には驚くものばかりで、30分もかからない横浜から出向いても
お上りさん気分にさせられてしまいます。虎ノ門あたりの再開発は
特に大きな変化をつけていて、もうすぐ完成予定の一大プロジェクトで
新たなステージへと突入していきます。
長女さんが戻られてまた目じりが下がる日々を過ごされていること
でしょう。また、どうやら花嫁の父となるその時が一歩ずつ近づいているご様子、涙腺もユルユルとなっていくのですね。ファイト

by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2023-04-24 08:12) 

Inatimy

伊東屋さんって文具屋さんなんですね。いいな、専門店、行ってみたい^^。
家族でも適度な距離を保ってお互いの領域を尊重するのは大事ですよね。
by Inatimy (2023-04-24 17:04) 

向日葵

久しぶりの娘さんのご帰宅で益々「良いお父さん」
頑張っちゃいますね。
ご無理の無い範囲で思う存分頑張って差し上げて下さいね。
後からぎっくり腰とか寝込んだ、とか娘さんに心配かけたり
しないよう。。
by 向日葵 (2023-04-25 02:52) 

ナツパパ

息子が独り立ちして、わが家でも家族の形が変わりました。
濃厚から淡泊へ、接近から適正な距離感へ。
仰るように、脆い繊細な関係でもあるのかな?
でも、それをお互い大切にしつつ維持できるのは大人になったからかもしれません。
by ナツパパ (2023-04-25 10:10) 

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