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『 翔ぶが如く (五) 』 [司馬遼太郎]




『 翔ぶが如く (五) 』 司馬遼太郎/文春文庫(新装版第1刷 2002年4月10日発行)
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p31
 大久保はその日記で、
 「心決」
 という独特な用語を使っている。日記にいう、「大難事故、心決イタシ候」と。つまり、三人で心決した、それを文章にした、という意味である。大久保という男の性格がよくあらわれている。この「大難」をやる以上は、自分も途中で逃げないが卿(けい)ら二人も逃がさないぞ、という脅迫の意味でもあろう。


p43
 大隈重信は文字がへたであった。かれは自分の悪筆を恥じ、みずから筆をとった手紙、意見書のたぐいは、まったくないといっていい。そのほとんどが、代筆である。


p105
 元来、中国は皇帝専制の国で、その皇帝は宇宙でただひとりの最高の存在とされる。このため、伝統的な中国意識においては、対等の外国というのは一国も存在しない。すべて、外国は中国に隷属すべきものであり、中国皇帝の徳に化せられることをよろこぶべき存在である。


p366
 薩人のなかには将帥の位置につくと、にわかに光彩を発揮する男が多いが、海老原穆(ばく)もそういう男であるようだった。


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「p105」に言うように、中国の考え方というか発想の基本姿勢に、「対等の外国というのは一国も存在しない」「外国は中国に隷属すべきもの」と二段構えがある。この発想に関しては、確かサミュエル・ハンチントンも言っていたように思う。現在の、「中の国」の傍若無人、極悪非道、横暴専断の集団行動は、昔から何も変わっていないのだと思う。

幕末から読み進めてきて、新政府になってからの停滞が、どうも読むのに疲れを覚え、シリーズの半分で一度、休憩を入れることにした。もういちど、幕末の、司馬、他作品を図書館で借りることにした。このシリーズの残り5巻は、また月末以降に再開する。幕末のエネルギーを再び浴びてから読み始める。




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サントノレ


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拙宅の若奥様が、フランス映画『大統領の料理人』で登場した、サントノレを作ってくれた。長女がスイス留学中ホストファミリーと、わざわざ隣町まで買いに行って、食したのち感嘆したものである。次女(若奥様)は、失敗したと言いながらも、美味しかったのだ。

あめがけの小さなシューと、ふんわりフレッシュなメメクリームのサントノレ。ダニエルさんの家に伝わる、おばちゃん(メメ)の味を再現したというレシピによる。


うーむ。すんばらしい! ファイト!!




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ファイト! 118

コメント 3

hatumi30331

今日は押し逃げです(*^^*)
by hatumi30331 (2015-05-14 10:42) 

あるいる

研究熱心で探究心旺盛な若奥様が挑戦した新しい菓子、美味そうです。
興味の対象を興味のままで置いておくのは僕の得意技ですが、探究心を発揮するのは疲れてしまいますから、放置された興味の対象はゴマンとあります。
探究し、挑戦し、自分のものにする能力の持ち主がうらやましい限りですよ。
甘いものを食べ、脳ミソに糖分をたっぷりと補給し休息させる。
エネルギーを補給してからの再挑戦、楽しみですね。

by あるいる (2015-05-14 12:42) 

desidesi

素晴らしく美味しそうです〜♪ (๑◔‿◔๑)
by desidesi (2015-05-14 17:12) 

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