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凱  第19号/平成23年7月22日(金)発行   [学年だより]

卒業まであと953日


「合わない」って言うな!
『花まる学習会』代表・高濱正伸氏の話より

 「もっと自分にとってふさわしい場所があるんじゃないか?」
 ― それが現代の病の一つです。いわゆる自分探しってやつです。しかし絶対にそんなものはありません。どこにもない。あなたを待っている素晴らしい場所なんて、あなたが行って、あなたが良くするしかありません。

 キーワードは「合わない」、すぐ仕事を辞める人はみんなそう言います。「あの会社、合わない」「出てきた人が合わなくて」とか、「合わない」が現代病です。しかし現実には、世界中が合わないに決まっているのです。

 言葉も母親も食べた物も違う。そういう人が集まって都会を構成しているのです。ほとんど合わないに決まっています。それでも、それを何とか合わせていくのが人生なのに、「自分様」にとって合わないからと、世界を切って捨てていると、最後は引きこもり以外に道はなくなります。

 現在、〈15歳~34歳〉のニートは全国で63万人います。そのうち、69.1%が「自分と意見の合わない人とは、あまり付き合いたくない」と思っているのです。

 本来「合わない」のは当たり前なのだから、どんな時代になっても「メシが食える大人」になることのほうが大切です。生きている中で逆境を楽しんだり、逆境に対して燃える精神性を自身の中に醸成していくことが必要です。

 今は、「こうなったら将来こうなる」と言われたものが、全く通用しなくなりました。だから、どういう状況で20代に直面しても、自分でちゃんと立つと言うこと。そういう姿勢とか、反骨精神、気骨を持ってもらいたい。何かのプロフェッショナルになることこそ、「メシが食える大人」になるということなのです。

 今回の東日本大震災で、若者の心は相当揺さぶられたのだと思います。現代には「合わない」という病の他に、「豊かさの病」もあると気づいたはずです。

 年寄りになった親が食べさせてくれているから成立しているだけで、教育のいちばん大事なことは不自由な体験をさせること。それができないでいる。今は全部与えている。「これを作業として解きなさい」、すぐ「合格」、先行って、卒業してと。しかしそれって本当なのだろうか。

 教育は、もっと「工夫すればギリギリできる」そういう課題を次々提示していくのが教育だし、課題を家庭や地域が与えなきゃいけないが、今は「よしよし君」です。

 どんな時代にも対応できる「理想の教育」というのはありません。富国強兵の時代から優秀な兵士と工場労働者が求められてきましたが、当時のコンセプトに代わる考え方とシステムは未だに確立されていません。そんな時代だからこそ、家庭でのしっかりとした方向付けが重要だと思います。
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自分で考える夏休みを始めよう
 きょうで所謂、1学期が終了です。明日から夏休みに入ります。
 おそらく子どもたちが生きてきた16年間の中で、激動の106日間が過ぎ去ったのだと思います。大きな環境の変化に押しつぶされそうな子どももいます。あまりにも速い学習スピードに困惑している子どももいます。人間関係や、将来に対する不安に悩み始めている子どももいます。

 しかしそれでも夏休み。子どもたちが家庭に還る期間になります。たくさん話をしてください。コミュニケーションをとって「子育て終盤」の親子関係を築いてください。ささやかながらも家族の思い出を作ってください。

 たくさんの宿題を出しておきながら勝手なことを言って、と思われるかも知れません。しかし、子育て終盤の私も、子どもと一緒に「ささやかな幸せ」を作る努力をしたいと考えているのが本音です。あわせて、あまり学習習慣が身についていない生徒諸君に、宿題を出してしまうのも、将来の受験に大きな不安があるからです。

 しっかり夏休みを乗り越えて、大きな目標に最短距離で進みましょう。自分が決めた目標に向かってがむしゃらに進むのではなく、効率よく進む。24時間は24時間でしかなく、無駄に使うわけにはいかないのです。

 うだうだ言ってないで行動を起こしましょう。思いきって、揺るぎない決意を持って行動することが大切です。進路に向けて「とりあえずやってみる」では絶対にダメ。「やる」か「やらない」か選択肢は2つに1つ。どっちつかずの行動はあり得ません。

 人は死の間際、やってきたことを後悔するのではなく、やらなかったことを後悔すると言われています。やったことが失敗であっても納得することはできる。しかし、「やらなかった」という後悔は、絶対に手が届かないのです。私たちの、人生最大のリスクは“リスクのない生活”を送るリスクです。始めましょう、早く。

 自分のやっていることがうまく行くからモチベーションも上がります。ありがちな失敗は、うまく行っていないときに、今やっていることをもっと熱心にやってしまうことです。そんな時こそ、アプローチの仕方を変えてみたらどうでしょうか。改善。

 いずれにせよ北海道は短い夏休み。夏休み明けには元気な顔と、楽しかった体験と、わくわくするような話を持って学校に顔を出してもらいたいです。8月17日(水)には実力テストが待ち受けています。〈掃除/国/数/英/理/社〉の順に6時間です。
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 蛇足ながら、「前栽」は「せんざい」と読み、先週の模擬試験の六番の問三で出題されていました。授業で質問すると、ほぼ全滅でした。復習をしていない証、と嘆きます。
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