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こんな戦場に子どもたちを送り込まないという教育が必要   [子育て]

下請け原発作業員に“中間搾取” 日当、10万円が8千円に
2011/08/04 21:46 【共同通信】

 福島第1原発で働く作業員の労働条件について話し合う日弁連シンポジウムが4日、東京都内であり、調査した弁護士が「東電が作業員に払った日当10万円が何層もの下請け会社の介在で手数料が引かれ、作業員が受け取るときには8千円になった例があった」と報告した。

 6月に調査した渡辺弁護士によると、下請けの地元業者が「日当は1人約10万円が出ている」と証言。この業者の場合、15%の手数料を取り、作業員の手取りは最終的に1万~1万数千円になり、若い人は8千円になることも。

 いわき市の市議は「多くの労働者が中間搾取されている」と話し、待遇改善を訴えた。
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日当9000円――なぜ原発で働く人の賃金は安いのか
 原発で働く下請け労働者の賃金は、高くない。震災前、ハローワークに出ていた求人票には「日当9000~1万1000円」と書かれていた。被ばくの危険性が伴うのに、なぜ原発労働者の賃金は安いのだろうか。『週刊東洋経済』の現役記者が、その理由を明らかにした。

 多くの関係者は「原発は下請け会社なしでは回らない」と語っている。原発において、電力会社の社員と下請け労働者の比率はどうなっているのだろう。
 2009年度のデータ(原子力安全・保安院)によると、日本の商業用原発の労働者のうち電力会社の社員は1万人弱なのに対し、下請け労働者は7万5000人。原発では、下請け労働者が圧倒的多数を占めている。福島第1原発でも、東電社員1100人ほどに対し、下請け労働者は9000人を超えていた。

●偽装請負が続いた理由
 下請け労働の構図を見てみると、まず東電の下に元請会社がある。この元請会社をみると東証一部上場の大企業が並んでいる。ただ実際に、原発に労働者を送り込んでいるのは、1次~8次の下請けの会社。
 求人票に掲載されている会社を調べてみると、ほとんどが社員数人の零細企業。原発で作業をする上で特殊な能力があるわけでなく、ごく普通の人たちが作業をしているのだ。
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資本主義社会であるのだから搾取は当たり前なのだろうが、雇う側のおおもとは10万円払い、実際に働いた人には8000円しか支払われていない。こんな危険な仕事、死刑囚に恩赦のチャンスでも付けて行かせればいい、というような話で笑いを誘う人も居たが、8000円で行くか、と思ってしまった。日当なら数万円はもらっているだろう、と考えていた。

単純に考えて「儲かるシステム」は官僚たちが政治家も巻き込んで作っているはずで、原子力発電に走れば危険な部分の作業員が必要になり、その作業員を集めることに専念する「手配師」のような仕事をする会社が必要となり、官僚の天下り先が誕生する。そしてそこでは、直接手を汚すのはイヤだから、次の会社に丸投げする。そんな会社なら、事務員数名で済む。

丸投げで通過させていく会社が何層かの構造になっていて、会社を伝票が通過するに従って、よく分からないお金が抜き取られ、ピンハネではなく経費として差し引かれていく。およそ8層ほどになっているなら、1人の作業員が命を懸けて働いて8000円もらう実体は、キレイな仕事をする会社の何もしないでいる天下り官僚やら頭のいい連中8人の生活を支え、その会社で働く8人の事務員の生活を支えていることになる。

家族のためにと、父さんは全力で働いているのに、知らない間に、父さんの肩の上に16人の他人が乗っかり、そのうちの8人は全く労働などはしていない。こういう構造は確かにあって、電気料金やら税金で対処されているので、実害が見えにくい。

日当で支払われているのだからボーナスが出るわけでもなく、日雇い個人は日当×日数の収入だから、多くの収入を得るためには「頑張る」ことをしなければならない。ニホンの教育では「頑張る」ことを奨励するから、こういう危険な現場でも、家族のためだ父ちゃん頑張る、の構図が出来上がる。

単純に考えて、原子力発電所ではたらく人数は前記の記事の如く、「福島第1原発でも、東電社員1100人ほどに対し、下請け労働者は9000人を超えていた」わけだから、単純に9000人×10万円=9億円が最大の日当予算となる。三交代で働くとし、一日に約3億円の人件費。月に23日労働で、69億円×12=828億円。福島第1原発だけで、年に800億円の人件費を予算計上することになる。

雇用を増やすのはよいことではあるが、ここでの人件費は全て電気料金に還元される。

電気、ガス、水道、鉄道などの公共料金には、「総括原価方式」という決定方法が広く用いられている。これは「適正な事業計画に基づく原価(事業にかかる費用)」に加えて「適正な報酬」をオンして使用者へ請求できるとの仕組みである。「適正な原価」とは、人件費や広告費、設備投資に用いた費用の配分(減価償却費)などなど。 例えば事故の賠償などにかかる費用や、原発の発電分を代替する火力などのエネルギー価格の高騰分、現時点では割高な再生可能エネルギーの買い取り価格分などを「原価」へ含めると、電気料金が上がるというものだ。 さらに日本の電気料金は「適正な報酬」として原価の3%を乗っける。つまり「原価」という分母が大きくなれば(イコール使用者の負担が増えれば)、その分だけ「報酬」すなわち電力会社のもうけも増えるというわけだ。


単純に、年800億円の日雇い人件費がかかっても「総括原価方式」であれば、その人件費は「適正な原価」として扱われ電気料金に組み込まれていくのだから、電力会社はちっとも痛くなくて、消費者が電気料金として支払っている。しかも、分母が増えるほど電力会社は儲かるのだから、仕事を増やし人件費をかけることに理屈は要らぬ。雇用は増やせる。

こういうピラミッドを造ってしまえば、暴力団の「みかじめ料」と対して変わらないのだが、公的組織集団がそれをしてしまえば、罪にはならないのだ。「みんな儲かってるやん」という定義で、実は絶対に自分たちは損をしない、悪く言えば「吸い取れるだけ吸い取ってしまう」という労働体制である。

教育現場では、私たち公務員はこういう天下り組織を支援し、私たちも出来たらそういうオイシイ話に参加したいと思っています、などとは決して言わない。それならば、肩の上に16人もの他人を載せて、日当8000円の危険な現場で働かなくてもいいような「生活」を、子どもたちにはどう教えていけばいいのか、そこに頭を使いたいと思う。何が何でも大学に放り込むことだけが我々の進路指導ではない。

疑うちから。疑問を持って突き詰めていくちから。そういうものを育てるためには、大声で唱われている新聞記事の裏側の部分を見つめ、考える頭を育てなければならないと思う。


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