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2回目もキツかった富士サン   [旅]



そこに山があるから。
とても短い表現だが、語り尽くさないがゆえの含蓄がそこにはある。
ただそれだけのことだった。


しかし最近思うのだ。
自分もそこに山があるからと。
なんでこんなに富士山に登りたいと思うようになり始めたのか。

理由はよく分からない。
しかしそこに富士山があるから、それだけのこと。
景色もいい、でも空気は薄い。

ただ、登りながらあの山の稜線を見上げた時。
なんだか幸せな気分になっている。
しかし、とても恐れてもいる自分もいる。




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ケルンと呼べば聞こえは良いが、こういうのには参加しない。
今回は2回目の須走口からの登山だが、ルートには丁寧な道標があると知っている。
余計だなぁと思うのは、落石が危険だと何度もアナウンスされているのに。

6合目も過ぎれば樹木はなくなり、露出した岩肌、凝結した溶岩である。
歩いている時でさえ注意しなければ、小さな凝灰岩を蹴り落とす。
滑落しようものなら事故を起こすことになるから、石を積み上げるのは危険だよ。




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5月にデイブと来た時、彼が買ってくれた手袋を着用。
何度も岩をつかんで大きな段差を一歩、踏み上がる。
手袋は必需だと、今回は持参した。




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忘れちゃならないのは紫外線対策。
ところが無防備だった首回りが焼けて痛くなってしまった。
サングラスも着用しなくては、雲の上の紫外線が直撃する。




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リュックは腰ベルト付きで、負荷を分散させるもの。
ストックは足の疲労を軽減させ、後半に底力を発揮。
須走下山道はストックなしでは何度も転ぶことになる。




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登るにあたっては山頂と麓と3か所の天気予報をチェックしている。
いつも登山用のカッパは持参しているが、使わないに越したことはない。
雨予報が少しでもあると登山を回避し、雨に濡れることがないようにする。

ダウンの防寒具も用意しているし、着替えも持参。
それでも低体温を恐れ、寒さ対策には配慮する。
太陽直撃での汗対策、ワークマンで買った汗で濡れない長袖シャツで登った。




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雲の中を歩く。
なかなか楽しいもので、景色の中に自分も含まれてしまう。
富士山は大きすぎて、取り込まれている自分を感じる。

こういう瞬間が好きだ。
比較的、利用する人の少ない須走ルート。
ノンビリ楽しめるのが好き。




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須走ルートはほぼ駆け降りるような、凝灰岩が砕けた砂利道。
だから金剛杖やストックが必需で、滑るのが怖い箇所は踏ん張りながら下山。
この先を折れると一気に走る場所で、下山時に写真を撮ることはなくなる。


トレイルランニングの若者が一気に駆け降りていく。
そしてさて困った、と思った。
はるか先に、動かない人がいて、自分に救助の余力はなし。

人通りが少ないルートだけど追い越す人はいて、でも誰も声をかけない。
自分に人を助ける余裕はなく迷ったけれど、声をかけた。
こういうのって余計なお世話かもしれなくて、勇気がいるの。


私も足がキツくて何も出来ないけど、このまま座ってたら、山だからすぐに暗くなって、あなたの装備(スニーカーに半袖ポロシャツ、手ぶらでストックもなし)じゃ危ないですよ。このまま、もう少しして立てなけりゃ遭難救助を呼んだ方がいいですよ。

この先まだありますか、と問われるので、今の様子だと2時間かけても無理だと思うし、そこからバス乗場まで数時間はかかる、と教えて、出来ることはないけど、救助を頼むのがいいと思う。と言って、私は勝手に下山。下に奥さんがいて、先の旦那さんから連絡があり、救助を依頼した様子。

バス乗場まで行くと、ちょうど救急隊が来たから、遭難者の状態と場所を「的確に」教えた。
そして、オレって偉いなと思いながらバスに乗ったの。




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すれ違って話した救助隊は3人いたかな。
レンジャー服だけど、体を鍛えてるのは見て取れた。
おそらく彼ら3人が、交互におんぶして下山したのでしょう。

そんな風にならないように、足腰を鍛えて今年は2回登った。
その鍛え方もまだまだ納得がいかず、鍛錬に工夫を入れて健脚作戦。
あわせて、装備の準備も知識として充実はしていく。




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12000段の階段があれば富士登山練習ができる。
ないから、江戸川の土手で駆け上がる練習を繰り返すしかないようだ。
そういうコツコツと積み上げる先に、富士登山がある。

平らな道の健脚自慢だけじゃ危険だと知っている。
だから臆病な私は、坂道、階段を求めて走り回る。
9月10日の閉山までに、お天気次第ではもう一度と中毒症状が出ている。




ファイト!





ファイト!(59)  コメント(15) 

ファイト! 59

コメント 15

ゆうのすけ

動けなかった方・・・無事に下山できてよかったですね。
声をかけられた勇気は きっといつか必要なことがあった時に tommy88さんに倍になって返ってくることと私は信じます。^^v
私も何度となく おせっかいかなと思うことが過去にありましたが
何か放っておけない性分で。。。今は・・・ちょっときついかな。
でも 気が気じゃなくなる自分が ぷち葛藤するんですよ。☆彡
by ゆうのすけ (2023-08-27 01:22) 

HOTCOOL

素晴らしい行いをしましたね。
見て見ぬふりをする方が多いこの国で、その行動は賞賛ものです。
富士山の魅力に取りつかれ、また登るんだろうな。
by HOTCOOL (2023-08-27 03:51) 

あるいる

♪ なめたらあかん ♪ と、演歌歌手がテレビCMで唄っていますが、富士山だけでなく登山をなめたらあかんのです。
60年もニンゲン稼業を続けていて、いったいナニを見ていたのかと不思議に思います。
もしかして俺は大丈夫という根拠のない自信が根底からひっくり返されたようですが、命に別状なくてなによりです。
これで少しは気づいてくれたらいいのですが、現実はそう簡単には行かないようなのがちょっと悲しいのです。
それにしても、晴れた日の富士山の空気の透明感が素晴らしいです。
下界にはない空気です。
酸素が薄くなるのが困りものですが、それは自然の摂理、しかたのないコトです。
スポーツ選手の高地トレーニングのように、心肺機能を高めての準備が必要でしょう。
できるだけ階段を使う。
こんな簡単なコトしかできない運動音痴なオヤジですが、最近は2階以上を階段で上がると息切れがするようになりました。
駅の階段を駆け上がると、駅3つくらいは息切れが戻りません。
歳はとりたくないものだと思いながらも、運動不足が大きな原因のひとつだと勝手に決めています。
運動不足とわかりながらもナニもしない。
しんどいコト、苦手なんですよ。
困ったおっさんです。
中毒にさせる富士山の魅力はどこにあるのか、僕にはきっとわからないままでしょう。
想像はできるのですけれど、ね。
六甲山だって楽しいですもん。
六甲山には温泉がついているものですから。
さあ、もう一度富士山に備えてファイト!です。

by あるいる (2023-08-27 04:36) 

青山実花

お写真を見ているだけで、
富士山は厳しい山なのだと実感します。
最近、軽装で登る人がいると
問題になっているようですが、
あってはならない事ですね。
登った人だけが見られる景色、
羨ましいです。
私の体力ではとても無理なので、
お写真で満足します。

by 青山実花 (2023-08-27 08:23) 

kick_drive

こんにちは。富士山は人生で一度は上るべきなんていう人もいますね。こんな景色が見られるのですからいう人の気持ちもわかります。

さて、救助に関する話です。この須走口の近くに冬になると営業している「スノータウンイエティ」での出来事。コースが直角に交わるところにネットが張ってあり接触事故が起きないように対策してありました。
そのネットにスノーボーダーがヘンな格好で引っかかり動けない状況でした。明らかに首を動かせない。他のスノーボーダーは他人事のようにシカト。自分が声を掛けたらやっとの思いで「動けない」というので急いで近くのリフト乗り場の係員に救助を要請。場所が場所だけに救急車の到着は約1時間後。その後どうなったかはわかりません。あの人、下手すれば一生下半身不随だったと思います。
同じスノーボーダーなのに何とも思わないのかとつくづく残念に思います。

ヒマラヤ登山などでは他のパーティーのトラブル見かけても助けないって言いますね。自分の命が危なくなるからだそうです。

tommyさんが無事下山出来て良かったです。

by kick_drive (2023-08-27 11:10) 

お散歩爺

富士山には2回登ったそうですが3度目の成功を
期待します。登山は全て準備して登っても腰痛など
ハプニングもあるので怖いですね。救助指導お疲れ様でした。
by お散歩爺 (2023-08-27 13:00) 

JUNKO

ご無沙汰しているうちにどんどん行動範囲が広がっていますね、私は行動縮小の生活に入っています。1キロおよぐの目標はた達成できませんでした。
by JUNKO (2023-08-27 14:34) 

ritton2

富士山は登るだけでも大変ですが下山して人助けと大変でしたね。
by ritton2 (2023-08-27 15:25) 

Inatimy

富士山、一時帰国で羽田空港から伊丹空港へ移動する途中で、
機内から眺めることができました^^。
足腰には自信がないし、私は遠くからその勇姿を見るのがいいな。
それか、バスで行けるところまで。
by Inatimy (2023-08-27 21:50) 

kome

2回目、登頂おめでとうございます。
網膜の具合でサングラスは購入を検討しています。
by kome (2023-08-28 02:17) 

ソレイユ

久しぶりのご来訪、ありがとうございます。
いつも、お元気そうで、なによりですね。
by ソレイユ (2023-08-28 10:48) 

yoko-minato

動けなくなっていた人・・・無事に
救助されたのですね。
それにしても軽装で富士登山の人が
多いそうですね。
途中であきらめて奥様が救助を求められた
のは幸いでした。
それにしても富士山頂の景色素晴らしいですね。
見ることが無かった景色です。
by yoko-minato (2023-08-28 12:32) 

ナツパパ

おお、無事富士登山なさいましたか、すばらしい!
富士山は決して気軽に登れる山ではない筈なので、事前の準備は大切...これは山登り全般に共通ですね。お写真堪能しました。
by ナツパパ (2023-08-29 10:01) 

向日葵

紫外線対策のサングラスと日焼け止めはうっかりしましたね。
でも2回目もお見事登頂!!
先生らしく準備も万端!!
途中レスキューをなされたのも良かったと思います。
あのまま放っておかれたら、先生のお心にどうしても引っ掛かる
物が残ってしまっていたでしょう。
弾丸登山も軽装登山も、どうしてもっと厳しく取り締まれない
のでしょうねぇ・・??いつも不思議です。。
by 向日葵 (2023-08-31 01:46) 

yokomi

なんと、今年3回目の富士山登山を企てていますね(^_^;) うらやましい(^_^)v 私はなんとか人生2回目の富士山を実現したいです。
by yokomi (2023-09-04 23:49) 

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