土地という環境

関西語には歴史があるねん

日本語史の通説によれば、衰えつつも関西語は、江戸後期の文化文政あたりまでは勢力を保った。関西語が標準だった時代は1500年にも及ぶのだ。対して東京ことばを明治政府が標準語に選んでからは150年も経っていない。

古文をやっていていつも思うのだけど、100年ほどの歴史しかない北海道の子どもと、土佐日記にも登場する住吉大社で走り回っていた子どもと、何だか損得があるなぁ、と持ってしまう。澪標は、「身を尽くし」の掛詞になるけれど、大阪市バスの前につけてある大阪市のマークではないか。そういう、言われてみれば「貴重だったんだ」という生の経験が、やっぱりいいや。

古典の授業の一環として狂言を見に行ったし、文楽座にも行ったし、歌舞伎もあったし、花月にも行く。とにかく、300年、500年、1000年の時間を感じさせてくれるモノたちがある環境は、やっぱりいいや。最近そう思うのだった。まあ、中国にはかなわないけれど。

京都で見たお笑い

修学旅行で京都自主研修があり、金閣寺で待機して子どもたちを写しまくったけれど、その後、京都駅で何班か写し、東寺に移動した。バスを待つのが面倒で歩いて行った。途中で、ちょっと不思議な宣伝状態を見て笑ってしまった。

おそらくこれは蝋燭を模した被り物で、客寄せ用の広告塔だと思う。一所懸命に、車にアピールしているのだけど、絶対に車が停まるわけがない。そもそも不思議すぎて、誰も、運転手なら歯牙にもかけないだろう。見て停まるようでは脇見運転で、危険走行だ。

やがて店内から出てきた従業員に引っ張られて、おそらく注意したのだろうけれど、呼び込む対象を歩行者に切り替えた。何を勘違いしているのだろうと、不思議な光景だったので、知らん顔をして私は通り過ぎた。きっと本人は真剣だったんだろうなと思う。はじめは一所懸命に、車に手を振っていたからね。

み

コメント 14

なるほど。
関西の人に成熟した人間性を感じるのは
そういう背景があるんでしょうね。
by cafelamama (2012-11-05 19:50) 

ご訪問いただき有難うございます
by セイミー (2012-11-05 20:02) 

マーケッティングは大切ですね。
関西のユーモアは1500年の歴史ですねえ。
だから、暖かさを感じるのかも知れませんね。
by muk (2012-11-06 04:04) 

テレビの影響も大きいでしょうね、各地の言葉は宝であり文化だと思っているのですが。
by katakiyo (2012-11-06 07:14) 

関西では舞妓さんの話し言葉が好きですね。
和ろうそくは会津も名産だけど高いですよね。
by 旅爺さん (2012-11-06 07:17) 

こんにちは～
ひーぽ～ちゃんのそのせつない後ろ姿に１票を送りたいです。

by ジル (2012-11-06 20:21) 

関西弁１５００年の歴史ですね。
故にDNAに刷り込まれるわけですね、
京都のこれはちょっとハズレですね。ひょっとしてよそ者が
やってたりして。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2012-11-06 20:47) 

cafelamama 様
でも、「笑わしたろかい」という基本姿勢は、「けったい」だし、「きしょく悪い」のだと思います。方言だと思っていた言葉の中にも雅が詰まっている事もあり、それは面白いなぁと思います。
by tommy88 (2012-11-08 05:37) 

セイミー 様
ありがとうございます。
by tommy88 (2012-11-08 05:38) 

muk 様
大阪のユーモアはしつこすぎて嫌われるかもしれません。それでもおそらくDNAに組み込まれているのかと思うくらい、ごく自然に出てきてしまいます。不思議です。
by tommy88 (2012-11-08 05:42) 

katakiyo 様
TV、コンビニ、日本を平準化させて行きます。
by tommy88 (2012-11-08 05:43) 

旅爺さん 様
蝋燭の被り物をした人が、ヨロヨロしながら車道に出んばかりの勢いで手を振る図は異様でした。
by tommy88 (2012-11-08 05:45) 

ジル 様
切ない後ろ姿でした。
車に向かって全力で手を振る絵は哀しかったです。
わかっていない怖さよりも、哀しかったです。
by tommy88 (2012-11-08 05:47) 

Lonesome社っ長ょぉ〜 様
悪ガキに跳び蹴りされてしまいます。
意味不明の被り物はやめてもらいたいですわ。
by tommy88 (2012-11-08 05:49)