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四の字固め   [むかし噺]




人生を、「前へ」が基軸であったにもかかわらず、意図的に過去を振り返っている。
終末を迎えるために、自分を正当化したいのかもしれないし、その恐れもある。
しかし、「そう言えば」という話題が、浮かび上がってくるのも面白いと感じ始めている。


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いつのことだったか、学生時代に、寿司屋の息子と友だちだったことがある。
失恋が趣味のような男だったが、彼の家に、女の子たちと遊びに行った。
親は、特にお母さんは喜んで、2階の和室をぶち抜いて、歓迎の席を設けてくれた。


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6畳の和室を二つ、襖を外して繋げていたように思う。
みんなでテーブルを出すとか、手伝いをしていたはずだが詳細の記憶はない。
たった一つ覚えている光景は、実に不思議なものである。


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現在の妻が、我が三女より年下であった時、私に四の字固めをかけたのだった。
どういう流れか忘れたが、私と会う時はいつもスカートだったはずなのに、四の字固めである。
私が反転させ逆襲したから、彼女も痛かったはずなのに、あまりの痛さに私が降参した。


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寿司屋の2階にて、たったそれだけのことである。
他のことはいっさい覚えていないけれど、負けた悔しさより、好きになったことを覚えている。
だからと言っていま四の字固めをやられたら、死んじゃうから望みはしないけれど。


むかしはいつでも奇妙なものだ。



ファイト!




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ファイト! 149

コメント 3

hatumi30331

そういえば・・・・・
私も多いよ〜
そういう、お年頃なんちゃう?(笑)
そういう自分を軽く受け入れて・・・・
楽しい毎日を目指しましょう〜♪^^
by hatumi30331 (2016-04-23 08:26) 

あるいる

昔がいつも奇妙なのではなく、奇妙なのはいつも自分自身なのかもしれません。
四の字固めで負けたことよりも好きになった自分が奇妙ですし、そんなコトを思い出してブログに書いてしまう自分も奇妙です。
「意図的」でもいいはずですし「正当化」してもかまわないはずの自分自身ですよ。
温故知新。
あたらしい世界に向かうために今までの自分を振り返り再確認。
これ、しんどいけれど楽しいコトかもしれませんね。
しんどいコトはできるだけ笑い飛ばす。
そんなエネルギーも知恵も持ち合わせ十分でしょうし。
寿司屋の二階でスカート穿いて四の字固め。
若さというヤツはとんでもないコトをしでかしてしまいます。
人間はいつでもいつまでも奇妙なヤツですよ。
それにしても、もたれて居眠りするシロクマくんの気持ち良さげな顔。
こんな穏やかな顔の下にも野生は消えずに隠れているのでしょうね。
イキモノはすべて奇妙なものかもしれません。

by あるいる (2016-04-23 15:12) 

そらへい

若い人たちの中にいると、
彼らが屈託もなく未来や将来のことを語るとき、
自分にはそんな先がないんだと痛感します。
あるのはつまらない経験と
懐かしい思い出
それだけは彼らよりたくさんあります。
by そらへい (2016-04-23 21:28) 

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