『サード・パーソン』 [映画]
ややこしい映画を見てしまった。
予備知識なく見たので、ある種のミステリー映画として反芻している。
人物を整理して考えると、・・・これって緻密なイイ映画やん、と思った。
『サード・パーソン』(Third Person)
おそらく主人公はリーアム・ニーソン(Liam Neeson)演じる所の、スランプ気味の小説家。彼はパリのホテルで苦悶の執筆中に、愛人を呼び寄せている。この愛人は興味深くて、TVドラマ『Dr. HOUSE』に「13番」として4シーズン出ていた。このカップルに軸を置いて見ることになるが、舞台はローマ、ニューヨークと変化する。
ローマ、ニューヨークとも主要人物がいて進行し、主人公との関係が分からない。やがて、「あれっ」と明らかにオカシイ場面で、接続点が分かった気がする。パリには実在の主人公、ローマとニューヨークを舞台に「根も葉もある嘘」の、作家の小説作品世界が描かれる。
そして舞台パリとニューヨークはメモ用紙で繋がり、舞台ローマとニューヨークは電話で繋がる。ローマの世界もニューヨークの世界も、「救い」が埋め込まれているが、おそらく作家自身の願望でしかないのだ。現実はパリでしかなく、そこには救いがないのかも知れない。
そして、「電話」は重要な鍵になるが、はたして話している相手は、本当に今この人か。疑問を持つと、分かることもあるし、物語の構造も深まる。作家はたくさんの人を失い、最後に手に残した人は、やはり電話の相手しか居ない。作家が追い、「女」たちは逃げていく。作品は完成する。
おそらく執筆中の渾身作品は、仕上がるのだと思う。するとホテルの自室、ノートパソコンを前に座る彼の後方から、声が聞こえる。「Watch me.」、ここは完全に冒頭と同じ絵だから (いま再生して確認した)、全て作中作品だったことが分かる。
こういう多重構造の作品は、謎解きめいていておもしろい。実に、反芻に適した作品だった。そうかそうかと、あとから思い起こしている。こういう作風の人は寡作だろうと調べてみると、監督ポール・ハギス(Paul Haggis)は脚本家での実力が圧倒的で、映画監督としては4作目のようだ。緻密な構成と作風、好きだ。
・ミリオンダラー・ベイビー Million Dollar Baby (2004) - 製作・脚本
・クラッシュ Crash (2004) - 監督・製作・原案・脚本
・007 カジノ・ロワイヤル Casino Royale (2006) - 脚本
・父親たちの星条旗 The Flags of Our Fathers (2006) - 脚本
・硫黄島からの手紙 Letters from Iwo Jima (2006) - 製作総指揮
・告発のとき In the Valley of Elah (2007) - 監督・脚本
・007 慰めの報酬 Quantum of Solace (2008) - 脚本
・スリーデイズ The Next Three Days (2010) - 監督・製作・脚本
・サード・パーソン Third Person (2013) - 監督・製作・脚本
ついでながら主人公のリーアム・ニーソン(Liam Neeson)が好きだ。初めて見たのは、『シンドラーのリスト』(1993年)だが、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999年)のクワイ・ガン・ジンが格好いいなとシビれた初だ。ついで『96時間』(Taken)は、最も元スパイらしいお父さん像を見せてくれた。危ないオヤジってこと。
ちょっとだけ、ゲージュツの秋をした。
◆阪神タイガースを応援した。◆
◆錦織圭を応援した。◆
◆日本ハムファイターズを応援した。◆
◆サモアを応援した。◆
4つ全敗で寝坊したオレ
思いっきり、スポーツ観戦の秋をした。
◆今日は友人と、ワイン会である。◆
◆そして、明日未明のラグビーに備える。◆
ファイト!
2015-10-11 09:03
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コメント(5)
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見逃したのかな?
覚えがあるようでない・・・
WOWOWでやった?
チェックしておくよ。
ゴーン・ガール・・・・
途中から分るけど・・・・
アメリカ映画ぽくて面白かった。
by hatumi30331 (2015-10-11 12:35)
すごい男優さんが出ていますね。女優さんはよくわかりませんが。WOWOWで放映するまで待っています。
by JUNKO (2015-10-11 21:03)
リーアム・ニーソンいいですよね。私も今、彼の映画を片っ端から見ております。ブルーレイもかなり買いました。ポール・ハギスは『クラッシュ』が最高に良かったです。
by シルフ (2015-10-11 21:36)
この映画は観ていないのですが、2枚目の写真はポスターなのかそれとも予告編の一部なのかがちょっと気になりました。
監督の名前で客が呼べる映画、名前で客を呼べる監督が何人日本にいるのだろうかとちょっと考えてしまいましたが、全部故人でした。
北野武さんや河瀬直美さんの作品は一般受けしないだろうしと、余計な心配でした。
阪神も日本ハムも昨日は勝って試合を五分に戻し、今日の結果次第でさてどうなるか、です。
まったく興味のない僕は、ニュースで知りました。
ただいまフランス対アイルランドの試合を横目で眺めながら、です。
前半が終わって9対6とアイルランドがリードしていて、重量と力の戦いを見せてくれています。
日本はアメリカに勝ち3勝1敗という素晴らしい成果を持って帰って来てほしいものです。
今日は昼寝をするんだろうなと、ただいまちょっとだけ生欠伸。
by あるいる (2015-10-12 01:45)
クセのあるある役者ぞろいで面白そう。戦場のピアニストの男優も出てますね。
by beny (2015-10-12 09:54)