『 峠 (上) 』 [司馬遼太郎]
『 峠 (上) 』 司馬遼太郎/新潮文庫(平成15年10月25日発行)
p76
「志ほど、世に溶けやすくこわれやすくくだけやすいものはないということだ」
そのように継之助はおもっている。志は塩のように溶けやすい。男子の生涯の苦渋というものはその志の高さをいかにまもりぬくかというところにあり、それをまもりぬく工夫は格別なものではなく、日常茶飯の自己規律にあるという。箸のあげおろしにも自分の仕方がなければならぬ。物の言いかた、人とのつきあいかた、息の吸い方、息の吐き方、酒ののみ方、あそび方、ふざけ方、すべてがその志をまもるがための工夫によってつらぬかれておらねばならぬ、というのが、継之助の考えかたであった。
p322
「不遇を憤るような、その程度の未熟さでは、とうてい人物とはいえぬ」と継之助はいうのである。
p405
「学問の講義は要りませぬ」
と最初に継之助のほうからことわってあったから、先生と起居を共にするだけのことである。夜分など、方谷にひまがあると雑談をしてくれる。その雑談が、継之助にとって宝石のように貴重であった。
p427
田舎の三年・京の昼寝
ということわざ。田舎で三年懸命に学問するよりも京で昼寝しているほうが、はるかに進歩するという。
p445
「一隅(いちぐう)ヲ照ラス者、コレ国宝」
継之助は、いった。叡山をひらいて天台宗を創設した伝教大師のことばである。きまじめな小器量者こそ国宝である、というのである。
次女つくりし明日の朝食パンつまみ食い
お料理「研究家」の次女が、最近やけに料理を探求中。いいぞ。
美味しくないリンゴを変身させるわと、明日の朝食パンを焼いていた。いいぞ。
パパに試食させてよ、はい、う~んもう1つ、はい、2つは美味い! いいぞ。いいぞ。
ファイト!
2015-04-10 04:00
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コメント(7)
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食べる人に徹して・・・
嬉しい〜美味しい〜を味わってね。^^
by hatumi30331 (2015-04-10 06:36)
朝から幸せですね!
by isoshijimi (2015-04-10 06:50)
河井継之助には興味があります。読み直します。
by soujirou-3 (2015-04-10 11:45)
エエ加減おやじの僕には志というものが欠けているのですが、できるだけ筋を通すということは心がけてきたつもりです。
この「つもり」というところがどうも怪しく自分基準になってしまいがちです。
きまじめからはほど遠く小器量というよりも不器量に限りなく近いようですが、なんとか細々と世間の片隅で生きております。
先日の腕を振るわれた料理に続きパンを焼かれ、おいしくないリンゴを変身させる技までお持ちとは、次女さんは新しい才能を開花させつつあるのでしょうか。
試食と称して2つはいけませぬ。
美味い料理を食べ過ぎて肥満の道をまっしぐら。
不味い料理は困るけれど、美味い料理も違うところで困りものですね。
by あるいる (2015-04-10 16:09)
明日の朝食用は残りましたか^^
by katakiyo (2015-04-10 16:57)
司馬遼太郎さん、散り際の美学を見事に描きました。
by mwainfo (2015-04-10 20:20)
いいぞいいぞ。
次女さんお借りしたいぞ。
by さくらこ (2015-04-10 23:33)