『花神』 (三) [司馬遼太郎]
『花神』 (三) 司馬遼太郎/新潮社(昭和47年7月25日発行) 1972年
p160
アヘン戦争は、日本でいえばペリー来航の11年前、、天保13年に終結したが、評価のしかたによっては東アジア史上最大の事件であるかもしれない。アヘン戦争終結時点の年をわらにわかりやすく言えば、ときに西郷隆盛は15歳であり、吉田松陰は12歳であり、木戸孝充は9歳であり、坂本龍馬は7歳であり、近藤勇は8歳である。
こういう表現が分かりやすい表現だと思う。
活字の中の人物が立体的になってくる相対化であろう。
司馬遼太郎さんはなかなかやるのである。
p248
島津久光が、長州藩の山県狂介らに
「長州は起ちあがってほしい」
と言いながら、この人物ほど骨のずいからの佐幕家もしくは保守家であったひとはないということである。この久光の人間的課題はここでは触れぬとして、この久光をだましつすかしつする役目は、大久保が任じた。ただし大久保には藩士への人気はまったくない。
こういう表現は意表を突いていながら的確で、好きだ。
司馬遼太郎さんはなかなかやるのである。
しばらく司馬遼太郎の季節が始まるかも知れない。
ファイト!
2015-03-15 04:00
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コメント(3)
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司馬遼太郎・・・・
読み応えあるよね。
毎日、鬱陶しいお天気です。
今日も・・・曇ってる。^^;
by hatumi30331 (2015-03-15 08:15)
もう一度、読み返すのも、いい気がしますね。
by テリー (2015-03-15 10:41)
物事を俯瞰でとらえるのが苦手なものですから、歴史小説を読むときには高校生のときに使った日本史・世界史年表が手放せません。
上段に日本史、下段に世界史が対比して並べられているので歴史音痴な僕にもわかりやすいのですが、わかったと思うのはそのときだけで、翌日にはなにがなんだかわからなくなってしまいます。
歴史や世界をもっと俯瞰的にとらえる能力、今風に言えば脳内3Dプリンターが欠けているのかもしれません。
日常生活にはまったく支障がないから、ま、いいか、ですよ。
by あるいる (2015-03-15 15:52)