シャルリー・エブド [考え方]
巴里の街を堪能し始めて二日目のことだった。
2015年1月7日午前11時半、パリ11区にある風刺週刊誌を発行している「シャルリー・エブド」本社に、覆面をした複数の武装した犯人が襲撃し、警官2人や編集長、風刺漫画の担当者やコラム執筆者ら合わせて、12人を殺害した事件が起きた。
その日、私たちはモンマルトルの丘を攻め、大いに散歩を堪能したのだったが、パトカーの走る量が尋常ではなかった。一台や二台ではなく、複数台のパトカーが、あちらでもこちらでも、サイレンを鳴らしながら、走りまくっていた。映画の撮影でもあるのかと思うほどで、いや、それ以上の数のサイレンを聞いたのだった。
2015年1月11日(日) 午前8時01分 テレビのニュースでは
テレビでは、その日の午後3時からデモ行進があることを告げていた。
【長女のブログを拝借】 La République (共和国)という広場は、フランス共和国に住む人にとって、象徴的な場所です。「共和国」を象徴する大きなマリアンヌ像が建っているのです。この行進はもちろん、パリでデモなどがある時は、たいていこの広場が到着地点になります。La Nation(ラ・ナシオン)、「国」という大きな広場から出発し、La République (共和国)まで歩くというのが定番です。距離が適切、など様々な理由があります。大きな理由は、両場所とも、様々な大きな通りがこれらの広場に通じていて、大人数の人が集まりやすい、からです。ただ、今回の行進は人が集まりすぎて、身動き出来なかったようですが。また、(イメージが重要なフランスとしては) La République (共和国)、La Nation(ラ・ナシオン)というとても象徴的な場所を歩くことに重要な意味があります。自由、共和国のため、という意識がデモの時には重要なため、このような場所を歩くのだと思います。
La République (ラ・レピュブリック/共和国)という名前の広場
バスティーユ広場(7月革命の記念柱)
バスティーユ広場は4区、11区、12区の3つの区に跨っているらしい。この東側にナシオン広場がある。また、惨劇の舞台となった「シャルリー・エブド」本社もこの近くにあった。色々な偶然が重なって自分はこの場所に来ていて、しかし、その偶然は自分を守ってもいた、ということである。狙われていない、ただ、そこに居ただけで、亡くなった方もいるのだった。
日曜のランチを、私たち3人とレンヌ、その孫とは外で過ごし、長い談笑をした。午後2時をとっくに過ぎており、街はデモ行進に参加する人たちが多く確認できた。私たちは参加しないと決めていて、結果的に150万人も集まったが、少なくとも50万人は来るであろう場所に、行ってハグレない自信はなく、身の安全のために参加はしないと決めていた。好奇心は封じた。
「表現の自由は、条件や制限がついたものではない」
「言論の自由は権利であり、義務でもあるが、他人を傷つけることなく表出されなければならない」
「テロの実行犯は、ユーモアが欠如している」
「あらゆる宗教に尊厳があり、何事にも限度というものがある」
「政教分離はシャルリー紙だけでなく、フランスの方針でもある」
「他人の信仰について挑発したり、侮辱したり、嘲笑したりしてはいけない」
「神の名において人を殺すのは愚かしい」
「我々はこれまで、テロの恐怖におびえてきた。暴力や脅迫に屈してしまったということだ」
2005年のムハンマド風刺漫画掲載問題で知られるデンマーク紙ユランズ・ポステンは、社説でムハンマドの風刺画はどんなものであっても二度と掲載しないと発表した。暴力や脅迫に屈して逃げ、生き残ろうとする、こざかしいオレ。
それでいいと思っている。ファイト!
2015-02-28 09:39
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コメント(5)
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共和国、を尊重するフランス、歴史的背景を感じます。
間違っていない自由は守られるものだと。
高校生時代、自由の引き換えは自主自律の校風でした。今でこそ大事にしたいです。
by isoshijimi (2015-02-28 09:58)
せっかくの楽しみを大変な時に出合っててしまいましたね。
でも観光は出来た様でしたね。制約もあったのかな?
爺は3度行きましたが何事も無く楽しめました。
by 旅爺さん (2015-02-28 11:22)
神が殺せと言うはずがないですよね。
by 楽しく生きよう (2015-02-28 15:30)
逃げるが勝ち!!
ちっとも恥ずかしいことじゃないと思っています。
by ミケシマ (2015-02-28 20:59)
皮肉にもトマ・ピケティ氏の著書がベストセラーとなっているのも何かの
偶然でしょうか。明日に希望を見出せない若者達でISは膨張し続けて
いる不気味さが際立ちます。覆面男の正体が暴かれても少しも膨張の
抑止とはならないでしょう。全く終わりの見えない悪夢はいつまで続く
のでしょう。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2015-02-28 22:55)