『クスノキの女神』 [東野圭吾]
映画『シモーヌ フランスに最も愛された政治家』(2022/フランス)を見た。
フランスの政治家シモーヌ・ヴェイユを描いた映画。
彼女はホロコースト体験者であり、女性初の欧州議会議長を務めた。
映画は追想ふうに歴史を語るのだが、1974年のパリも閉鎖的で遅れている。
圧倒的な男性社会、不当な差別と偏見の中、女性解放への道を切り開く。
重たい映画ではあるけれど、力強く生き、どこまでも孤独だった。
そんな中で、主人公が諦めにも似た語りをする。
私たちは今や親であり、曽祖父母となった。健全なのは一握りだ。この世代はまもなく終わりを迎える。私たちの話を聞いた人々も、いずれこの世を去る。記憶を留めるものは本だけだ。情報は残る。だが当事者から話を聞くという貴重な体験は、二度とできない。
彼女の語りの中で「この世代はまもなく終わりを迎える」の意識。
自分がやがてそこに含まれることを意識し始める。
何も残せないけれど、少しでも自分の人格を良き方へと意識する。
『クスノキの女神』 東野圭吾/実業之日本社(2024年6月5日初版第1刷発行)
ずっとこだわりがあった。
推しの作家は新刊を買って応援すると決めていた。
村上春樹、村上龍、東野圭吾は新刊を買うと決めていた。
しかし、もう終わりかなと思った。
ちょっと寂しくなるが筆も枯れたか、体力減退、お疲れか。
休みなく読ませる筆の威力が落ちたかしらと、終了。
シモーヌが言うように、「まもなく終わりを迎える」のだ。
彼の『新参者』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『手紙』を再び読んで終わる。
彼には十分楽しませてもらったし、泣かせてもらった、もういちど。
夜の首都高は時間帯によっては大渋滞となる。
それでも、最高速度は20㎞設定、車間距離は最短にして追随走行。
足を楽にして、渋滞を楽しむ。
東京タワーが右に見えていたのに、左に見えたり。
ほとんど停止しているので助手席の妻は窓を開けて写真を撮る。
淡くルームライトが青紫というのも良い、ピンクは刺激が過ぎた。
事故が起きてドラレコをチェックされても、問題のない会話。
夜景の素晴らしい中を、出会った頃にこうしていられたら。
若さに貧しさはつきもので、その頃はただ歩いていた。
ノロノロと動き、話や景色に夢中になっていたら、車線を変えろと。
渋滞の中で車線を変えるのは、さて、後方に優しさを求めて。
ダメなら直進すればいい、若い頃と同じく、あてもなく。
前に、77-77ナンバーの車が並ぶ。
何となくツキを感じるぞ。
品川ナンバーと千葉ナンバー 、行先に応じた路線選択だ。
湾岸を走っていてディズニーの花火が見える時もラッキー。
一極集中を嘆く人もいるが、夜の灯りの中を走るのは好き。
星明りだけの北海道を走るのも楽しかったけれど、都会が好き。
来年の夏、また来ようね。
ボクはプライベートビーチが好き。
そのためには生きておかねばなるまい。
だからボクも武装して、ベッド脇にワルサーP38を置いて。
その前に、銃を手に入れなければならない。
闇バイトの押し入り強盗がいきなり金槌で叩くらしいから、武装蜂起だ。
怖い世の中になった。
恐怖で支配するために金槌で問答無用に叩きまくるなんて。
教育が間違ってるとしか思えないが、自分の責任でもある。
ファイト!