富士山だ! [考え方]
梅雨に入ったのかと思うほど、暫く、東京ではどんよりした空模様。
曇り空が多くて、俄雨もあるし、洗濯物は室内で乾燥機ばかり。
江戸川の土手に上がっても、富士山は見えない日が続いた。
小学2年の時、富士山の頂上まで登ったのは、自分では大きな出来事だった。
8合目とか道らしきものが無い所を、日の出に合わせて深夜に登った恐怖。
一部の雲の合間から下界の光が見えて、高い場所なんだと思うと怖かった。
それ以来、富士山が好きだった。
上りの東海道新幹線では左の席、下りでは右の席で、富士を見るのが好きだ。
北陸新幹線の下りでは左の席から富士山が見えた時は、なぜか安心する。
北斎や広重の版画も好きだし、何てったって、富士山が始めから大好き。
増田恵子の「富士山だ」なんて聞くのも大好きである。
札幌から妻の実家近くに引っ越した幸せは、江戸川の土手から富士が見えること。
■ 増田恵子/富士山だ
自分にとっては一世を風靡したピンクレディー。
その、向かって右側で踊って歌ってた増田恵子。
なんと、増田恵子が歌って踊っている「富士山だ」の軽さが好き。
ゆうのすけ さんのブログで「富士山だ」を知ったと思う。
違う人のブログだったかもしれないが、とにかくそうやって知った。
この軽薄な踊りとノリが、おまじないのような感じで好き。
バッカみたいな我慢の日々に、こういう軽薄に乗って、好き勝手を。
そんなことを思いながら、ストレス解消の工夫をしている。
ただ、暫く富士山を見ない不満が溜まった。
そうだ、富士山を見に行こう!
そう決めてドライブに出て、河口湖を目指して、ひた走る。
中央自動車道は一部が怖くて、速度超過の大型車の群れが勢いよく走る。
車のフロントガラスには制限速度、車間距離、ナビ、速度、到着予定時刻が出る。
明らかに上限速度を大幅に越し、警告の点滅が出るので、減速したいのだが群れの中。
細めの2車線を、追い込まれた牛の群れのように各車走り、分岐までの恐怖区間がある。
富士山だ、富士山だ、そういう歌のセリフが湧いて出てくる。
河口湖を中心に攻めて、変化していく富士の容貌を楽しんだ。
江戸川から見る富士ではない、至近距離だから、遮蔽物がなく、迫ってくる。
本栖湖方面からは雲がかかり過ぎて見えない。
河口湖方面からの富士が、いちばん、その容貌を見せてくれたのではないか。
ハレオくんパワーで、何とか姿を拝むことが出来たと思う。
ここまで近づくと、全てが絵になる富士山だ!
月見草でなくてもよく、雲がかかっても富士山だ!
雲のかかり具合いだけでその姿を変え、北斎や広重の工夫を垣間見た気になる。
たしかに、突き抜ける青空が理想である。
しかし、この鬱屈とした日々には、雲の合間からその姿を拝めば嬉し。
個人的な富士山信仰を、自己満足してきた。
大相撲夏場所が、漫画のように山場を作ってしまった。
13日目の貴景勝の自滅で、照ノ富士の優勝が決まったと思った。
14日目の伏兵、遠藤戦で、物言いの後、軍配差し違えとなり、照ノ富士は2敗目。
富士山信仰の私としては、今場所は照ノ富士に勝たせてやりたい。
ぶーぶー文句を言わず、噛みしめて、口惜しさを噛み殺し、耐える照ノ富士。
巴戦で盛り上がってもいいが、やはり今場所は、強い照ノ富士に勝たせたい。
富士山だ!
照ノ富士だ!
今日は、増田恵子の歌に合わせて、照ノ富士を応援する。
ファイト!