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御射鹿池   [旅]


毎週土曜の夜にTV東京で「新美の巨人たち」が放送されている。
美術系教養番組と定義されていて、録画しておき日曜の朝にノンビリ見ている。
先月の半ばに放送されたのは、東山魁夷『緑響く』に関する内容だった。

八ヶ岳の御射鹿池が絵のモデルになっているということだった。
その池に、シシド・カフカが訪れ、名画に秘められた物語を解説していた。
鏡のように静まり返った池の面が生み出す幻想的な世界。

実在するその池は、実に不便な山の中にあった。
中央道諏訪インターで降り、山道を走りその池を訪ねた。
時間があり、温泉宿があり、車を試したかったので、妻と訪れた。




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三脚を据えた方が何名かいた。
女子の旅人がスマホを掲げて、インスタ映え用に写していた。
カメラを逆さにして映しても通用する、明鏡止水。




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看板には農業用の、ため池だと書かれている。
酸性の多い水質で魚が棲めず、そのことで透明度が高いという。
風さえなければ、実に明鏡止水、こころ穏やかに吸い込まれそうになる。




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寄り道をしながら辿り着いたのだが、午後を十分に過ぎた時間。
山の中は陽の翳りが早く、道に迷いたくはない。
宿泊予定の明治温泉でも、早く来いと指示されている。

温泉宿に続く最後の一本道も、車1台が精いっぱいの坂道。
外灯もなく、真っ暗な崖路を車で走る度胸はない。
まだ明るい時間に到着し、御射鹿池を十分に楽しんだ。




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夜明け前、温泉に浸かり、防寒服で池に行く。
駐車場の車の窓にも霜があり、零度を下回る気温だった。
朝の散歩は、ちょっとした登山で、池まで車で行けばよかったと後悔した。

誰もいないだろうと思った朝の6時前、すでに何台かの車が止まっていた。
関西からの車もあり、たかがため池でも、私も含めてそそられる場所なのだろう。
東山魁夷の絵のような白馬は現れないけれど、出てきても不思議ではない光景だ。




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朝食前に温泉に入り、朝食後また、妻と朝の散歩をした。
ある意味で、この池を見るための宿泊で、妻と不便を楽しんだ。
宿の窓の下には、おしどり隠しの滝があり、一晩中、川のせせらぎを聞いた。

ハレオくんには心地よい時間が流れており、車を買い替えて良かったと思っている。
山中の不便の中には不思議な時間が流れていて、妻とそれを楽しんだ。
今日も快晴が予想されており、筑波山に向かって小さなドライブの予定。


北海道や大阪で千葉でコロナ感染が過去最多という。
やるべきことは自衛、消毒とマスク、よく食べよく眠り、どこでもマスク。
あわせて、うがいをする、手を洗う、そんなところかな。




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