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『her/世界でひとつの彼女』   [映画]



何気なく見ていた映画に、おやっ、と集中力を高めてしまうことがある。
よくできた話やないか、おもろいなあ、と。
おそらく低予算で出来上がった作品じゃないかな。

また3月3日に再放送があるから、見よっと。
WOWOWだから録画して、見る。
結局、恋も失恋も、脳の中の出来事だということだ。




『her/世界でひとつの彼女』
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■ 作品データ
 原題/Her
 制作年/2013
 制作国/アメリカ
 内容時間(字幕版)/126分
 ジャンル/ラブロマンス/青春・SF/ファンタジー

■ 解説 本物の魅力的な女性のように話す人工知能型OSに主人公の男性は恋をしてしまうが……。第86回アカデミー賞でS・ジョーンズ監督自身が脚本賞に輝いた新時代の愛の物語。◆近未来のロサンゼルス。手紙の代筆を仕事とする男性セオドアは、別居し始めて1年が経ち、今も離婚調停中である妻キャサリンとの思い出を引きずる。そんな彼は最新人工知能型OSを自宅のPCにインストールするが、PCから聞こえるようになった“サマンサ”という女性の声は優しくセクシーで、セオドアはどっぷりと魅了されてしまう。だが人間ではない“サマンサ”に対するセオドアの想いの強さは、はた目には常軌を逸していく。


恋に落ちる瞬間というものがある。
それは、気になる、という瞬間で、意識がそこから離れなくなるのだ。
当然、恋をすれば回りはバラ色で、失えば失意の底でグレーとなる。

いわゆる、ワクワクする時間が理解できるし、周囲にとっては狂気だろう。
しかしその高揚感は全て、脳の中で処理されているもので、外部からは見えぬ。
ましてや実体のない人工知能との恋なぞ、周知されるわけがない。

そういう輪郭は、現実の恋に似て象徴的だと思う。
ただ、哲学書まで日々読み漁り高速に進化していくAI、かなわないのだ。
一個の人間相手ではなく、4Gに対する5G以上なのだ。

汎用性が高く、同時接続可能なAI。
確かに恋する相手が今、400人と付き合ってるなんて、生身の男は受け入れられない。
その時点での発狂的嫉妬は、既に、AIをAIとして対応しているのではないのだ。

一人の男など、退屈な存在でしかない。
かしずく女(それは声だけであってAI)は自分だけのものではないのだ。
笑いながら、それでも最後は少し切なくなるのは、声が脳に働きかけたからだろう。

この声、サマンサの声、どこかで聞いたイイ声だなと思っていた。
最後のクレジットで分かったのは、スカーレット・ヨハンソンだった。
「アベンジャーズ」に出てた正義の味方の美人。

スカーレット・ヨハンソンは寡黙な役が多いと思う。
攻殻機動隊が原作の「ゴースト・イン・ザ・シェル」でも大人しかった。
クール・ビューティーの路線に合う声なのかもしれない。


さて妻。
花粉症が始まると妻は苦しいんだけど、鼻声がいいんだ、私には。
うっとりして、この時期には毎年、妻に恋することが始まるのだ。

目病み女に風邪引き男と江戸の昔から言う。
でも、おいらにゃ違うんだぜ、全ては花粉症。
初めてのデートで妻は涙を流し、一緒に居て嬉しくて泣いてると誤解した、オレ。

思い過ごしも恋のうち サザンも歌ってたよね
思い過ごしと、勢いが、結婚しちゃったんだね。
妻よ、また、イイ声を聞かせておくれ。



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