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くるいはじめる精神  [日常]


打ちひしがれる、という言い方が適切かどうかは分からない。
ただ、もう今さら出来ることと言えば同情しかないのだった。
義母様の精神的な状態が不安定で、対応が不可能か。

早く死にたいと口走ることには慣れていた。
夜中に二度、トイレに起きることにも慣れ始めている。
ただ、鬼が来る、怖い怖いの連打が続き、一緒に寝ている妻は不眠不休。

解決策はどこにもないのだと思う。
自律神経も壊れて来たのか、不意に顔面蒼白となり震えだす。
ご本人は憑依したと言うのだけど、体をさするしかない。




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パーキンソン病とアルツハイマーと、老衰。
今年は米寿だったんだと教えられ、我が母より年上になった義母様。
さて、この数年、ずっと大きく揺さぶられ、決断を強いられ、一緒に揺れてきた。

もうできることは寄り添いながらの、少なからずのお世話だけだ。
甘えさせてあげたいし、しかし真面目な妻の精神まで病ませてはいけない。
根性なしの私が決断し、進言し、相談して、さてどうする。

可哀想だと妻が言い、もう同情する以外に出来ることはなく。
しかし同時に、妻が限界だと言うなら限界なのだった。
複雑な心情を、近くの施設を使って、解決することにした。




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以前、施設に入りたいと義母様が言った時、いくつか検討した。
そのうちの一つに空きがあり、書類をそろえ、診断書とPCR検査結果の提出。
その施設は完全介護ではあるけれど、外泊も出来るし、散歩に連れ出すこともできる。

現在、義母様の脳内で起きていることを打開する手立てではない。
しかし、同年代の「仲間」と出会うことで、何か、肌触りのようなものの変化はないか。
そんな期待を前面に出して、姥捨て山のようなことを考えている。


やがて来る道、通る道。
足が萎えてからの義母様を見るにつけ、足腰の大事さを知る。
それでも、うまくやって行きたいと、考えている。

生活のリズムが狂うのは仕方がなく、ただ、手数がもうなくなったようだ。
さすがに妻も、暫く仕事は休むことになり、義母様と時間を過ごすことになった。
同じ屋根の下で、たしかに義母様が破壊されていく姿は、せつない。



ファイト!





ファイト!(121)  コメント(15) 

ファイト! 121

コメント 15

ゆうのすけ

おつかれさまです。^^
私はまだ有難いほうなんですが 一年近くかけて治療してきた
背中の褥瘡が良くなってきてあともう少しなので 現在入院している
病院から次のステップに踏み出さなくてはならない時期に差し掛かっています。現在入院している病棟は(言葉は悪いですが)殆どの方がアルツハイマー病を患っておられ 私の母は毎日 気を使って意思の疎通を図って失敗し(ほかに入院している相手のとんちんかんな状況に)自己嫌悪になったり 爆発寸前になるまで我慢して パーキンソン病(不安な精神状態の助長)の進行を進めてしまっているんではないかと 私自身も早くどうにかせねばならないと胃が痛くなってしまいます。しかし褥瘡の具合も良くなってきているので 母親に次の一歩を出さなくてはならないと勧めても 今度は自身の見えない不安に苛まれて 余計の空回りさせてしまうという経過なんですね。無理強いは出来ないし (パーキンソン病の対応)安静もかえって良くないしほとほと困り果てて (毎日の電話で)声を荒げがちになっちゃっています。あげてますが・・・。こちらも自己嫌悪。はたまたこれまでも自分の仕事のお得意さん宅で ご逝去はされましたが何人かのおばあちゃま方の対応をしてきて 現実の大変さを痛感するばかりです。tommy88さん御夫妻の心身のご苦労 とても良く判ります。ご無理ありませんようにと お声がけすることしか出来ないのがとても歯痒いです。コロナ過でなければ・・・と打開の想像をするのですが私も面会が叶わないので どうしたら良いか判りません。正直仕事も出られず厳しい状態ですし 今は弟がいてくれるのが頼りです。
私(tommy88さん御夫妻も勿論)はきっと今 頑張っていることは必ずご自身の徳になっていると信じてやみません。難しいことですが日々の波が穏やかになるよう祈っております。☆彡
by ゆうのすけ (2021-01-13 12:56) 

mutumin

今私達の年代の人はみんな多かれ少なかれ、この手の悩みを抱えて、苦しんでいる。私は実家に居て、家を次いで居る(次女だけど)。母が私を産んだのが33歳で、私が子供を産んだのは35と38で、普通の家庭より早くに介護を経験して、もう通り過ぎてから10年以上経ってので、他人事として、冷静に見ている。仕事も子育ても真っ最中の中だったので、イライラして自分が消えたい位悲しかったあの日が蘇る。そして行きたくない!と言い張る母を上手く丸め込み、いろんな段階を踏み 施設に入れた。丸め込むというのが上手くやったように思えるが、どんなにそこまで決断し、少しでも母の気持ちを軽くして施設に行って貰うかに労力と心を注いだ。
入れても毎日通って、30分でも話をしてやるのが娘の義務だと思って通った。家もそういう幻覚を言いました。施設に入って、慣れればそれなりに過ごしますから、心配しなくていいと思う。家に居る時はボケてる行動に毎日イライラして優しく出来なかったけど、施設に通って30分だけなら、とても優しく出来た。お母さんにとってはどっちに居ても、そんなに変わらないかも知れないのなら、思い切って決断し、毎日通って心が壊れない方がお互いに良い気がする。通り過ぎたから言えることなのかも知れないけど・・・
今は母の立場が自分達の立場に置き換わり、施設に行きたくないな!出来れば、二人でずっと暮したいけど、一人になったらどうしよう?と、考えあぐねて悩んでいるこの頃である。そちらは娘さん3人だから、まだ面倒見てくれるし、話もしてくれるけど、息子二人を持つ私は完全に頼れない。娘が欲しかったよ!(笑)
by mutumin (2021-01-13 13:35) 

夏炉冬扇

娘が以前鹿児島勤務でしたから、4年ほど、よく行きました。
雉は月に2度くらい出てきます。
ご来訪ありがとうございます。
by 夏炉冬扇 (2021-01-13 13:42) 

mm

こんばんは^^
ご苦労様ですね。我が家はすでに義老親を見取り、われら夫婦がその域になってきている。
やはり足を鍛えることと頭がボケないようにいろいろとやっています。
面倒を見るほうは大変ですものね。
奥様お大事に。
by mm (2021-01-13 17:41) 

Lonesome社っ長ょぉ〜

死にたいと頻繁に言い出し、何かが襲いかかり誰かが私物を盗んでいく。面会に行くたび実母も義母もそう話すのでした。外出できなくなるのが一番辛いらしく、それを悟った瞬間から歩くことをやめてしまうのか、ずっと車いすに座ったままでした。義父は出歩くことが諦めきれずしばし施設から堂々脱走を繰り返し、挙句退所命令が下されようとしたところで逝ってしまいました。実父は癌の診断を受けていましたが、治療を拒否していましたから、病院側はそれなら出て行ってくれと素っ気ない対応をされてしまいました。軽度の痴呆のみだったので、ホスピスに入所することができ個室で悠々自適の日々を2か月過ごしていました。最後は食べることを拒みはじめたため、見かねた医師はすることはなかったはずの点滴治療を行っていました。すき焼きが大の好物だった父、見舞ったある日の退出時に、おい、〇〇〇、ネギも忘れんなよと、私がすき焼きの買出しに行くものだとばかり思い込んでいたようで、廊下で一人爆笑して帰ったものでした。老いて逝く人々は多かれ少なかれ現世に未練や不満を残すものですし、まわりの施しには決して100%満足はしてくれません。介護が自宅なり施設なり何処であっても本人が幸せを感じることなどあり得ないのだなと、4人を見送った後の正直な気持ちです。実父のみ病床で看取ってやることができましたが、あとの3人は残念ながら叶いませんでした。

by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2021-01-13 21:02) 

まいく

施設を使えばまた新しい課題と決断に迫られることもありますが、義母様の事を少し遠くから考える機会を持てることは義母様の今後をより良い方向に考えてあげられる余裕を持つことにもつながり、一つの良い決断だと思います。(私の実母に関してそれで良かったのだと見送った今になってそう思えます)
約5年間途中で施設も変わりましたが原則毎日訪問することで自身の弱い精神の安定に努めていました。


by まいく (2021-01-13 23:40) 

ちょんまげ侍金四郎

自分の母親の介護経験から思いますに、介護は抱え込まないことが肝要です。自分自身の精神もおかしくなっていきます。
「地域包括支援センター」というのがありますので、まずは相談されてはいかがかと存じます。
by ちょんまげ侍金四郎 (2021-01-14 00:40) 

やおかずみ

大変ですね。記事を読ましていただいて、何時我が身になるのかと
痛切に感じます。ナイス、コメントありがとうございました。
by やおかずみ (2021-01-14 10:37) 

あるいる

平均寿命が延び長生きすることは喜ばしいのですが、色々な厄介事が増えました。
仕方ないことなのかもしれませんが当事者にも家族にも周りのお方にも負担が増えました。
対処出来る負担ばかりでないのが辛いです。
割り切って金で済ませられるならいいのですが、庶民には限界があります。
家族で面倒みるにも限界はあり、老々介護が悲劇を生むのも珍しいことではなくなりました。
ママさんが限界だと云われるのは想像にかたくありません。
ママさんとパパさんが共倒れにならないように願うばかりです。
姉が悪性脳腫瘍で入院していた一年半、病院へ通うのも大変でしたが、今は昔、です。
現在進行形のママさんとパパさんにはかける言葉が見つかりません。
ごめんなさい。
どうか、からだには気をつけてください。
by あるいる (2021-01-14 12:48) 

viviane

毎年恒例の様に我が家に襲来してるアメリカに住む従妹の母親・叔母もアルツハイマーです
何度か施設に入れたそうですが「帰らなきゃ!帰らなきゃ!」と言って脱走する為施設でも手が追えず、しかもアメリカの施設はとんでもない金額だそうで、数年前から一緒に暮らしています
私が彼女の家を訪れた4年前、数十年ぶりに叔母に会うことが出来ました
雅也の弟の娘よ!と言うと「まぁ!私の愛する雅也の!!」とハグ
2分も経たないうちに「あなたはどなた?何処からいらしたの?」
その繰り返しでした
小さな犬を与え、薬を飲ませ、家族と暮らすことで少し良くなるかと思った様ですが、徘徊は相変わらずで家族が誰か必ず付きっ切りです
奥様は仕事をされながらの介護だったんですね 大変ですよ
義母様を見ていて一番辛いのは奥様でしょう
その選択肢は有りだと思います

by viviane (2021-01-14 17:22) 

Inatimy

昔、祖母が悪夢なのか幻覚なのか、部屋に怖いものがいると・・・。
ただ話を聞くだけしかできず、当時私は他にどうしたらいいのかもわからず。
家族の枠の外に相談する、頼るというのも大事だと思います。
by Inatimy (2021-01-14 19:28) 

八犬伝

難しい問題ですよね。
そして誰もが通る道
邪険には、勿論できませんが
正常な人まで、精神的におかしくなってしまったら
これは、たまったものじゃありません。
by 八犬伝 (2021-01-15 21:40) 

JUNKO

親の介護は大変心傷む難しい問題ですね。どの家庭でも抱えているかと思います。我が家もそうでした。それぞれ状況は違うのこれといった名案はないでしょう。子供として納得したやり方を選択するしかないと思っています。傍からじっと見て必要な手を貸すことも大切だと思っています。
by JUNKO (2021-01-17 17:09) 

まほ

姥捨て山とお考えになることはありません。
本人にとっても、温度管理、健康管理がコンスタントに行われ、
良いことだと考えましょう。
by まほ (2021-01-18 00:16) 

yokomi

介護は本当に大変ですね(T_T) 我が父は足から弱くなり、そして精神が1年掛けて毎日崩れて行きました(>_<)
by yokomi (2021-01-26 23:15) 

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