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『アメリカン・スナイパー』   [映画]




大発会からの下げ幅は2,617円に拡大
昨日の株式市場  日経平均終値  16,416円19銭(-632円18銭)

日経新聞(電子版 今朝のヘッドライン)
・個人、株投資の余力低下 日経平均632円下げ      (2016/1/21 2:00)
・NY原油続落、終値26.55ドル 一時12年8カ月ぶり安値 (2016/1/21 6:02)
・NY株反落、終値249ドル安 原油安を嫌気         (2016/1/21 7:27)


波乱と呼ぶにふさわしい世の乱れ、実体のない「アベノミクス」は抵抗余地もなく、世界の激流に呑まれていくのだろうか。そもそも実体のない国だから、加工貿易の国に、世界をリードする奇策もなかろう。これをチャンスと捉える胆力がなければ、得意とする我慢に我慢を重ね、嵐が通り過ぎるのを待つしかないのだろう。


After the Carnage,Shale Will Rise Again
大虐殺のあと、またシェールのブームが来る (THE WALL STREET JOURNAL 1.19, 2016)

シリコンバレーの技術導入で2015年の生産効率は4割アップし、データ解析など導入余地がある。また、合併などで多くが生き残り、”シェール2.0”を起こすと意気込む。そんなシェール企業の損益分岐点は、1㌭40$程度に改善された。

それに対して、OPECの一部やロシアの生産者は、予算補填のため1㌭80$以上必要である。そして、サウジの、つれないアメリカへの開き直りとも思える、イランとの国交断絶。イランとアメリカに対抗して、原油の元栓を閉めようとしない。まず、ロシアの悲鳴が聞こえるようになったが、体力勝負のマネーゲームだ。

そしてこんな、大混乱を起こした元凶はパパ・ブッシュ。拙宅に来るアメリカの友人たちも、むかし、ブッシュが大統領であることが恥ずかしいと言っていた。そういうマトモな感覚を持った友人たちは、オレゴン州の人たちだから、どうしてもテキサスに対する理解の姿勢はなかったように思う。

原油先物価格の低迷がいま世界を振り回しているが、WTI はWest Texas と来たもんだ。

WTI(West Texas Intermediate) 原油先物価格
世界の原油価格の中で、WTI は最も有力な指標である。実際のWTI の一日あたり産出量は100万バレルに満たないのに対し、WTI 先物の一日あたり取引量は100倍の1億バレルを超え、価格の大きな変動は世界経済に直接大きな影響を及ぼす。  (ウィキペディア)


制裁解除された中東の大国イランが、もちろん原油を増産するだろう。崩れ始めた中東のバランスを、アメリカとロシアが代理戦争する余力もないのだから、さっそく習近平が商談ぶら下げて中東を回り始めたのは、ギリシャの港も買ってしまったし、一帯一路(One Belt, One Road)の完成に向けてのこと。

アメリカに対してスネて見せたサウジアラビアは、中国との外交関係を格上げし、サルマン国王は習近平との会談で、中国が進めるシルクロード経済圏「一帯一路」構想を支持したと言われる。
サウジに続く習氏の訪問国である地域大国エジプトも近年、米国が中東での影響力を低下させている中でロシアとの関係を緊密化させるなど外交を多角化させており、中国との経済連携への期待も強い。習氏の中東歴訪は、アラブの2大国で進む「米国離れ」を見越したものともいえそうだ。   (産経新聞 1月21日(木)7時55分)



イスラエルの政治家の奥さんJudy Mozesが書いたツイッターは、あまりにも人種差別的だと取り消されたが、中東の不安定は、オバマの弱気だともされている。しかし、シェールガス革命がアメリカで起き、石油のために中東でアメリカが血を流す必要は無いと、オバマは考える。
Do U know what Obama Coffee is ?  Black and weak.
                              (Judy Mozes 6/21/15,11:05am)


そもそも、IS(イスラム国)は、サダム・フセインの残党によって構成され、結局はイラク統治の失敗が世界を不安にさせてしまった。あわせて、不安定な政情の中で、欧州での移民統合の失敗が露呈した。あるいは湾岸産油国の、金持ちアラブの欧州での爆買いを見る、1700万人近いイスラムの若者の屈折がある。




と、前置きが長すぎたけれど、こんな中東の崩れるバランスの中で、昨日、映画を見たのだった。クリント・イーストウッドが監督をした『アメリカン・スナイパー』である。去年のいま時分に封切られて、アカデミー賞の候補にもなっていたと思う。(第87回アカデミー賞・音響編集賞授賞)

重いけれど、人間が狂っていくのは十分に理解できるし、patriot は騒ぐのだろうなと思った。



そんな、中東情勢に学ぶおり狙撃手の映画を見た

『アメリカン・スナイパー』(American Sniper)
poster2.jpg
製作年:2014年
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース映画
上映時間:132分
映倫区分:R15+


オバマが弱腰だと言うのは簡単である。しかし、そこにはシェールガスの恩恵もあるが、重篤な、手を引きたい理由があるのだ。中東に依存しなくても、石油・ガスに関しては自国で産出できるのだから、アメリカの若者の血を流してまでも、中東に関わる必要がないと、任期切れの大統領が考えるのも仕方がない。

目に見えない負傷兵というのが居る/Some wounds you can't see.
    ・帰還後の自殺者        年に300人(毎日1人の計算)
    ・帰還後の精神的な後遺症  30万~50万人

まず、アーリントン墓地へ行って、新しく作られる墓標を見ていただきたい。それでもアメリカが、兵隊を送り込んで、さらに若者が死ぬべきだと言うのなら、オバマさんに対してそう言ってください。  (オバマが弱腰だと言う人に対して/高橋和夫/放送大学教授)


結局、中東の原油のことを勉強していたら、高橋さんのようなコメントにも行き着く。普通の現代っ子が、いきなりゲームのような戦時下に置かれたら、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になるのは当たり前で、そういう狂っていく状況が丁寧に描かれていた。しみじみと描く監督だなと思った。

作家の村上春樹は自身のサイトで「とてもよくできた緊密な映画で感心しました。イラク戦争が舞台の話だけど、好戦的なのか反戦的なのか、どちらともまったく判断できない映画で、そういうところに監督としてのイーストウッドの、底の知れない不気味さを感じました。政治的な観点から、日本での評価はたぶんわかれると思いますが」と本作の感想を述べている。  (ウィキペディア)


『アメリカン・スナイパー』はイラク戦争に4度にわたって遠征、アメリカ軍史上最多160人以上を射殺した伝説のスナイパー、クリス・カイルの、戦場と家庭の狭間で精神が崩壊していく葛藤が描かれるが、そのクリス・カイルを殺害した元海軍兵のエディー・レイ・ルースが最後に、一瞬だけ、登場する。監督の上手さかな。

クリス・カイル自身、PTSDに悩んだ経験を持っていた為、彼はPTSDに苦しむ退役軍人らを支援する活動に取り組んでいた。そんなおり、戦争によって精神を崩壊したルースと出会うのだが、皮肉にもPTSDに苦しむルースによって、殺害されてしまうのだ。





重い映画を見た翌日は、オレの上値だけが重い。



ふたたび再任用、働く場所がないと、校長に伝えられた。

ついに、暇つぶし老人になるしかないのかな。

いよいよ腹をくくって、庭いじり専念かな。



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コメント 4

isoshijimi

国際情勢今日もまた勉強になりました。
そうだったのですね。
でもまだまだ周りから求められることもたくさんあることでしょうね。
ますますファイト!です。
by isoshijimi (2016-01-21 13:27) 

hatumi30331

戦争は人殺し!
実は、このての映画が一番苦手。(;´д`)
by hatumi30331 (2016-01-21 13:50) 

あるいる

戦争映画は苦手です。
「地獄の黙示録」は画面作りと撮影の見事さで戦争の残酷さはカモフラージュされていましたし、「プラトーン」も苦手な映画です。
どんなに本当らしく描いても、これはつくりものだという意識で見ているからなのかもしれません。
最後に観た戦争映画は名画座で観た「ジョニーは戦場へ行った」でした。
どれもアメリカ映画ですが、「もの」扱いにされていたジョニーを見ながら、自由の国アメリカ人のホントの姿って残酷なんだと思いながら、その残酷さ無関心さは僕にもあると気がつきました。
気がついたけれども、良心が痛むなんてこともなく今までのほほんとテキトーに生きのびてきています。
臭いモノにはフタ、得意技のようです。
これからの世界も日本もどうなって行くのかはわかりませんが、能力も体力も働く気持ちも十分にあるプロに仕事をさせない与えないこの国、ますます一億総活躍なんて信じていられません。
庭いじりをするのなら、自給自足の一助になるような家庭菜園どころか立派な畑を作って野菜を育て、動物性蛋白源として鶏を飼い、いざ!というときに備えておきましょう。
しぶとく生き抜くための体力作りも必須です。
僕にはできないのにまたまた今日も大きなお世話でした。

by あるいる (2016-01-21 16:29) 

末尾ルコ(アルベール)

米国に対して負の側面ばかり語る識者も多いですが、歴史を見れば、正の側面での功績も多大なものです。人間も歴史も容易に割り切れるものではありませんよね。

                    RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2016-01-23 01:39) 

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