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女のいない男たち   [村上春樹]




公立図書館の順番待ちで、100番以上の数字が出ると幻滅してしまう。一人が1週間で返却しても、100週間待つのだから、「数年待ち」ということだ。こういう時こそ、伝家の宝刀を抜き、学校の図書館に推薦する。東野圭吾、村上春樹と来たから、村上龍の『オールド・テロリスト』も希望してみた。



『女のいない男たち』 村上春樹/文藝春秋 (2014年 4月20日 第1刷発行)
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彼女イナイ歴何年という、ある種の惨めな話ではない。恋の宴の後には必ずみじめさはあるのだが、ここでは実のある惨めさである。そして情けないくらいその空虚感が、ずっと好きだった。

作品の中でも「女のいない男たち」は次のように定義されている。
「女のいない男たちになるのはとても簡単なことだ。一人の女性を深く愛し、それから彼女がどこかに去ってしまえばいいのだ」


村上春樹を読んでいると、かなわないなと思うことがある。何人かの作家の作品を読むと、オレだってこれ以上のものが書けると思うことがある。しかし、村上作品を読んで、オレも書こうなどとは決して思わない。鑑賞する側に回るので十分であり、楽しませてもらった。ただ、人には好き嫌いはあり、理解しない人は、何が言いたいのだと、再読することもあるまい。

しかし、琴線に触れてしまうと、また読むだろうなと予感してしまう。少なくとも、6つの短編のうち、「イエスタデイ」は読み返すのかも知れない。歌詞の削除の問題はあったようだが、その時代の「空気」や、私の中にもあったもやもやしたものが、十分に伝わって、穏やかな気分であったから、これはまたいつか読むかも知れない。

絶賛はしないが、個人的に、古本屋で1円販売に遭遇したら、買うかも知れない。
物を増やさない! と、配偶者がキツく叱るだろうけれど。






中国の危なさは日増しに強固となる

「世界に皇帝は一人」と信じて疑わない一党独裁国が、確実に世界進出を始めている。バランスの危うい進出だから、きな臭い話も出始めている。アメリカ頼みのニッポンが、弱腰過ぎると、逆に争いに巻き込まれるかも知れない。中国も日本も、景気が悪くなると感情の爆発がありそうで、衝突をしたくない。

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現在、韓国が微妙な立場を見せ始めていて、日本近海のバランスが崩れるのが怖い。確かに、確実に中国は南沙諸島を既成事実化し始めていて、周囲を金の力で黙らせている。中国の金のバラまき方は見事で、確実に感謝させる使い方だ。日本は、「思いやり予算」でアメリカには莫大な予算を回し、アジアを味方につける金の使い方をしていない。中国の「外交」は、すでに第5の矢、第6の矢と、矢継ぎ早に射抜き続けている。「アベノミクス」では太刀打ちできないぞ。





イギリスは中国に魂を売らなかったのか

「ユニオンジャックの矢と大中華圏ネットワーク」を構築し始めたイギリス。イギリスも着々と経済国として大英帝国復活の足取りのようだ。エリザベス女王まで習近平を歓待し、魂を売ったかに見えたのだが。

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おもてなしに用意されたワインが、フランス・ボルドー産の赤ワイン、シャトー・オー・ブリオン1989年。お値段調査=税込 185,143 円(楽天)~ 税込 307,800 円(ENOTECA)と、高い。このお高いワインで中国の方々はおもてなしをされたようである。


「89年はワインの当たり年。英国に7兆円もの巨額投資をする賓客への特別なもてなしであることは間違いない。だが、数あるワインの中から、中国政府にとっては最も忌まわしく、触れてほしくない89年をあえて選んだ英王室の意図を想像せざるを得ない」



   習近平との晩餐会で出したワインの年号
     ・1989年 天安門
     ・2009年 ウイグル騒乱
     ・1977年 文化大革命終了
     ・2008年 チベット騒乱


おそらく大英帝国は魂を売りはしないだろう。
かつてスペインの無敵艦隊を神業で倒してしまったエリザベス女王の国だから。
既に力の乏しい日本国小市民は、米英の皮肉でも抵抗でも歓迎するしかなく、応援する。



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コメント 4

JUNKO

図書館そんなに待ち人が多いんですか!
by JUNKO (2015-11-05 13:59) 

長友

中国のあまりの厚かましさに呆れるばかりです。

by 長友 (2015-11-05 15:44) 

旅爺さん

中国は自国の発展ばかり気にして世界の嫌われ者になってるのでは?
by 旅爺さん (2015-11-05 17:31) 

あるいる

皮肉とブラック・ユーモアのお好きな英国人が選んだワインには思わず笑ってしまいました。
週刊文春やサンケイにも取り上げられていた写真にも笑ってしまいました。
英国王室主催の晩餐会で習金平主席がマイクの前でスピーチをしている写真ですが、その隣にはエリザベス女王の次男さんアンドリュー王子夫妻とアラブのおっちゃんがたいくつそうに頬杖をついたり俯いたり。
日本では考えられないホスト側のこの態度には、これが英国流なのかとまたまた笑ってしまいました。
英国魂は健在なようです。

http://www.sankei.com/world/photos/151024/wor1510240035-p2.html
   ↑ サンケイニュースの写真と記事がご覧になれますよ。ちょっと笑いましょう。

村上 龍氏の『オールド・テロリスト』、大阪市立図書館には所蔵数20冊、昨日までの予約人数127人、僕は121人目の待機者です。
2ヶ月後、正月休みに読めるとちょっとうれしいかもしれません。
まったく関係ありませんが、村上春樹さんの最新エッセイ『職業としての小説家』は25冊所蔵で予約数266人でしたので、予約はしませんでした。
予約したコトを忘れた頃に読めるのかもしれませんけれどね。
W村上はとても人気作家のようです。

by あるいる (2015-11-06 03:29) 

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