『小説の書き方』 [読書 本]
涸れた筆よりは瑞々しい勢い
『小説の書き方』 森村誠一/角川oneテーマ21 (2009年 4月10日 初版発行)
「小説道場・実践編」と題している割りには大したことはなかった。昨年の春からいま時分にかけて、開放講座で『書くための短編小説研究』を実施した。ある程度の骨格は出来ていたけれど、参考になればとあれこれと資料を集めた。その中で、漏れてしまって読み損ねた物だったが、忙しい時期に読まなくて良かった。
基本的に、どんな物を読んでも、「収穫ぅ~」と抜き書きやメモをするのだけど、何もなかった。何もなかったと、言い切れる域にまで自分は達しているのかと、思い上がりもした。
40年ほど前、飛ぶ鳥を落とす勢いの彼の作品を同時代で読んでいた。あの頃はエッセイも魅力的だったが、『悪魔の飽食』以降、彼からは離れた。「資料」として入手していたが、勘が働いて読まなかったのだろう。この冊子、執筆時の彼は75歳、うーん、涸れちゃったかな。
人間は枯れていくのだと、しみじみと思った。そういう、しみじみと思う経験が出来たのが収穫かな。勤務校の図書館に、こっそり置いてこよう。
今日、学校の図書館で借りてきた村上春樹の『女のいない男たち』の「まえがき」8ページを帰りの電車で読んだ。ある意味で、作者自らの、執筆姿勢が書かれていたのだけど、森村氏1冊以上の、大収穫があった。そうかそうか、村上さんはそうしているんだと、瑞々しい勢いが重要と知る。
涸れた筆よりは瑞々しい勢い
だからスーパームーン
涸れちゃあいないか? オレ。
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2015-09-29 04:00
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コメント(3)
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苦手なもののひとつにそれぞれの分野の専門書とは全く違ったHOW TO本のジャンルがあります。
こうすればこうなる、こうしたければこうすればよいと、丁寧に教えてくれるのは料理本だけで十分で、ビジネスや人間関係やまして小説の書き方という一人ひとりで微妙に違っているはずのものを十把一絡げにしてこ~なんだと言い切る無謀さや無責任さ、無神経さを感じ取ってしまうからでしょうか。
このテの本を読んで作家になった方、いるのでしょうかね。
涸れるとはどういうコトなのかがよくわかっていない僕です。
まだまだ涸れるにも枯れるにも早過ぎるのか、ただの鈍感馬鹿なのかはわかりません。
瑞々しさは確実に無くなって来てはいますが、まだ少しくらいは残っていそうだと思うのは勘違いかもしれませんけれどね。
by あるいる (2015-09-29 04:23)
かなり前に、泉佐野に講演に来てくれたことがあって
元ホテルマンという彼の経歴が、話術にも現れていたことを思い出します。 私もかなり読んでたよ。
悪魔の飽食、も読んだ。
懐かしいあの頃を思い出すよ。
私も昨日の赤い大きな月を撮ったよ。^^
by hatumi30331 (2015-09-29 06:17)
人間枯れて魅力の出る方もいますが、思考が枯れるのは困ります。
by JUNKO (2015-09-29 20:35)