『ふしぎな図書館』 [村上春樹]
『ふしぎな図書館』 村上春樹/講談社文庫 (2005年 1月31日 第1刷発行)
何だか読んだ気がするなと思っていたら、『図書館奇譚』の改稿だった。
およそ20年の時間を経て改稿されている。
主人公が「僕」から「ぼく」に変化し、細部が洗練された感じはする。
おおよその枠組みは変わらないけれど、世界観が変化したのだろう。
「夢」のような話の絵本を楽しんだわけだ。
頭で理解する本ではないと感じている。
追い詰められて、理不尽に閉じ込められて、脱出するところまで脈絡がない。
個々に登場するものは、「何を意味するのか」と、考えるボンヤリ感が読後感。
それを無常観という。
色褪せる街に歯止めはかからない
特急と各駅停車を乗り継いで、通勤している。
十分な読書タイムを確保しながらの通勤だが、最寄り駅からはおよそ15分かけて歩く。
ゆっくりと朝の散策をしながらの15分だが、勤務地までの道は、幾つかの組み合わせがある。
その日の気分や、晴れ具合によって、歩く道を変えている。
ただ変わらないのは、町が確実に廃れ、色褪せてきていることだ。
方丈記に言う。
ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。
世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。
ファイト!
2015-09-17 09:24
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コメント(3)
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我が町の商店街も…かなり、あせてるよ。(~_~;)55
by hatumi30331 (2015-09-17 12:13)
いたづらに移りかわる花の色のように、マドンナさんのテントも色は抜け落ち破れてしまっています。
夜になるとこの店では愉しい時間を過ごす方たちで賑わっていたのでしょうけれどそれも今は昔、夜の寂しい街はなぜか昼間も活気のない寂しい街が多いようです。
世間には無情の風が吹いているようです。
by あるいる (2015-09-17 14:58)
最近無常観にとらわれているようですね。
by JUNKO (2015-09-17 23:37)